2014年5月7日水曜日

ボスミンは抗精神病薬と併用禁忌


精神科ドクターから問い合わせ。
「抗精神病薬とボスミン(アドレナリン、エピネフリン)は併用禁忌だけど、救急用医薬品として何を準備したらよいか」


アドレナリンは一般的には静注で強心剤として使われることが多い薬です。救急蘇生時の国際標準プロトコルACLSでも、心停止時に使われる第一選択薬としてあげられています。

アドレナリンはほとんどの抗精神病薬と併用禁忌なのですが、なぜでしょうか。

アドレナリンはα受容体とβ受容体に作用します。通常はα優位に作用して、血圧をあげます
しかし、抗精神病薬にはα遮断作用があります。
そのため、アドレナリンと抗精神病薬を併用するとノルアドレナリンがβ受容体優位に作用して血圧を下げてしまう危険性があります。

したがって、アドレナリンの代用としてはβ作用の弱いノルアドレナリンがよいでしょう。


■アドレナリンとの併用が禁忌ではない抗精神病薬。
・スルトプリド(バルネチール)
・スルピリド(ドグマチール)
・チアプリド(グラマリール)
・ネモナプリド(エミレース)