2014年5月29日木曜日

ラコールNF配合経腸用半固形剤



ラコールNF配合経腸用半固形剤は、イーエヌ大塚製薬株式会社が開発した半固形化した経腸栄養剤です。既に承認されている経腸栄養剤の「ラコールNF配合経腸用液」と有効成分の種類及び含量は同一です。

なぜ、半固形なのか?

近年、臨床の現場では液体の経腸栄養剤に増粘剤(とろみ剤)を加え、半固形に調製して胃ろうから短時間で投与する方法がとられることがあります。

半固形製剤を調整する場合、安定性など疑問視されることや、一点の品質を担保することが困難であり、半固形化された製品を望む声が多くありました。

液状の栄養剤を摂っていると、胃が運動しなくても腸へ流れていくので、次第に胃が怠けてくるようになります。そこで、半固形の経腸栄養剤を投与することにより、胃が本来有している機能的な運動を引き起こさせることができます。
また、液状の経腸栄養剤では誤嚥性の肺炎や下痢が多く見られます。半固形にすることでこれらの発現を低下することが期待されています。


ラコールNF配合経腸用半固形剤の特徴

300~400kcalを5~10分で投与することが可能です・投与にかかる時間を大幅に短縮することができる製剤です。投与時間が減るということは、患者さんの負担が減るだけでなく、介護する人の負担も減らせます。

注意点

ある程度、自分の胃で消化しなくてはならないので、胃や食道を摘出した人には使えません。

粘度が高いので、経鼻チューブなどの細いカテーテルは使うことができません。


ラコールNF配合経腸用液との違い

  性状
液  :微茶白色の乳液
半固形:微褐白色のゲル  

  粘度
液  :5.51~6.52 mPa・s(25℃)
半固形:6500~12500 mPa・s(20℃)

  pH
液  :6.0~7.2 
半固形:5.8~6.3