2016年1月4日月曜日

抗インフルエンザ薬の予防効果はどのくらい


自由診療で抗インフルエンザ薬を予防投与のために処方される患者さんから「どの程度の期間効果が続くのか?」質問を受けることがあります。




とくに受験生(の親)からがよく聞いてきますね。







一回飲めば、1シーズン効いてほしいという期待を胸に聞いてこられるのですが、残念ながらそんなに長く予防効果は持続しないんですよね。




回答を聞いた患者さんの殆どが、がっくりされるか、中にはキレだす人もいます。


抗インフルエンザ薬の予防効果の仕組み



抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザ、イナビルを服用したからといってインフルエンザが体の中に入ってくるのを防ぐことはできません。




抗インフルエンザ薬はインフルエンザが体の中で増えるのを防ぐ薬です。




ウイルスの増殖を抑えている間に体の免疫が、ウイルスをやっつけることで、発症を防ぐ仕組みになっています。




薬を服用しているからといって、寝不足やストレスなど免疫力が落ちるようなことをすると、ウイルスが体の中にいつまでも残り、いつか増殖し発症してしまうでしょう。




抗インフルエンザ薬の予防効果はどのくらい


タミフル
インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。(投与期間は10日間まで)


リレンザ
インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して使用している期間のみ持続する。(投与期間は10日間まで)


イナビル
本剤の服用開始から10日以降のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。





抗インフルエンザ薬での予防は、家族や周囲の人間ががインフルエンザにかかった場合、短期的かつ緊急避難的に使用されるべきであり、真の予防にはワクチン接種が望ましいと考えられます。