2017年6月21日水曜日

吸入した後のうがいを飲み込んでも大丈夫?


吸入薬を使用している患者さんからの問い合わせがありました。

「吸入薬を使った後、言われたとおりにうがいをしたのだけれど、吐き出さずに飲み込んでしまった。問題ないだろうか?」

と、いうもの。

答えは、飲み込んでも問題ありません

ステロイドの副作用を防ぐ目的で、吸入時に口の中に残った薬をうがいで洗い流します。
たとえ飲み込んだとしても吸収された薬は肝臓で分解されますし、薬の量も微量であるので全身性の副作用の心配はほとんどありません。

小さいお子さんなどで、うがいが上手にできない場合は、クチュクチュうがいや水を飲むのでもOKです。

ステロイド吸入薬を口の中に残さないことが何よりも重要なのです。

※メプチンやウルティブロなどステロイド吸入薬以外の吸入薬はうがいは必要ありません。

【参考】各社吸入ステロイド剤の「うがい」に関するFAQ


アドエアQ&A
Q.吸入するときに気をつけることはありますか?
吸入口から息を吹き込まないでください(お薬が飛び散ってしまいます)。
吸入した後は必ずうがいをしてください。うがいが困難な場合は口の中をすすぐようにしてください。(吸入によって口の中に残ったお薬を水でうがいをして取り除き、吸入ステロイド薬にみられる口腔カンジタ症などの局所的な副作用を予防します。)
http://kusurigsk.jp/pc/aa/qa/index.html

フルタイドQ&A
Q.吸入するときに気をつけることはありますか?
吸入口から息を吹き込まないでください(お薬が飛び散ってしまいます)。
吸入した後は必ずうがいをしてください。うがいが困難な場合は口の中をすすぐようにしてください。(吸入によって口の中に残ったお薬を水でうがいをして取り除き、吸入ステロイド薬にみられる口腔カンジタ症などの局所的な副作用を予防します。)
http://kusurigsk.jp/pc/ft/qa/index.html

キュバール よくあるご質問【Q&A】
吸入後にうがいが出来ない時の対処法は?
うがいが困難な患者には、口腔内をすすぐよう指導してください。
https://ds-pharma.jp/product/qval/faq.html

パルミコートQ&A
パルミコート吸入液を吸入したあとは、うがいが必要ですか?
はい。パルミコート吸入液を吸入したあとは、うがいまたは口をすすいでください。うがいができないお子様は、水分をとるようにしてください。また、口のまわりにお薬が付着して残る可能性がありますので、水で顔を洗ってください。
http://www2.astrazeneca.co.jp/yourhealth/zensoku-town/medications/pulmicort/faq-pulmicort.html

アズマネックスを使用されている方へ
吸入後は必ずうがいをするか、口をすすいでください。
https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/pdf/asmanex_respiratory.pdf

レルベアQ&A
うがいの方法を教えてください。またうがいが出来ない場合はどうすればよいですか?
吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために、のどのがらがらうがい、口の中のクチュクチュうがいを行ってください。うがいを行うことにより、口腔内カンジタ症や嗄声の発現率が減少することが報告されています。
うがいが困難な場合は口腔内をすすぐよう指導して下さい。さらに、食事摂取前の吸入や朝晩の歯磨き前の吸入が吸入のコンプライアンスを高め、口腔内のカンジダ発症の予防につながる可能性を示唆した報告があります。
https://www.healthgsk.jp/yakuzaishi/faq/relvar.html#anc030

フルティフォーム 吸入方法Q&A
Q. 吸入した後は、必ずうがいをしなくてはいけませんか?
吸入後にうがいを実施してください。うがいが困難な方には口腔内をすすぐよう指導してください。
(解説)
フルティフォームには、ステロイド剤(フルチカゾンプロピオン酸エステル)が含まれています。ステロイドを吸入すると、口腔カンジダ症や嗄声の副作用を発現することがあります。これらの発現を減らすため、うがいが必要です。
https://www.kyorin-medicalbridge.jp/flutiform/product/inhalationqa/index

シムビコートQ&A
シムビコートタービュヘイラーの口腔カンジダ症の副作用について教えて下さい。
●シムビコートタービュヘイラー投与による口腔カンジダ症の副作用の発現頻度は下記の通りです。
・承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)
口腔カンジダ症0.6%(13/2,154例)[口腔カンジダ症0.5%(11/2,154例)、中咽頭カンジダ症0.1%(2/2,154例)]が報告されています。
・喘息患者を対象とした使用成績調査最終報告
口腔カンジダ症として1/3,212例、中咽頭カンジダ症として1/3,212例が報告されています。
・喘息患者を対象とした特定使用成績調査
口腔カンジダ症として0.4%(6/1,382例)、中咽頭カンジダ症として0.1%(1/1,382例)が報告されています。
●口腔カンジダ症の原因
口腔カンジダ症は口腔内のステロイドの沈着によって生じるが、多くの場合、痛みなどの臨床症状を伴うことは少なく、無症状のことが多いと報告されています。
またステロイド薬により口腔粘膜での好中球、マクロファージ、Tリンパ球などの生体防御機構の障害によって、口腔カンジダ症が起こると報告されています。
●口腔カンジダ症の対処法
以下の対処法が報告されています。
・口腔カンジダ症の多くはうがいで予防でき、薬剤吸入直後のうがいは極めて重要であると報告されています。
・口腔カンジダ症に対しては、アムホテリシンBによるうがいが有効です
吸入前にも口を湿らせ、吸入後には2回うがいをすると有効です・うがいはできるだけ、吸入ステロイド使用直後に行い、時間が経って口の中に残った薬がこびりつかないようにします。
・うがいは、丁寧にガラガラ、グチュグチュを各5回以上行い、のどの奥まで洗い流すように行います。
なお、シムビコートタービュヘイラーの添付文書には以下の様に記載しております。
【使用上の注意】
9.適用上の注意
(3)吸入後:口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導すること。ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく口腔内をすすぐよう指導すること。