2017年7月20日木曜日

ヒアリに刺されたら 合言葉は「ひありおくやみ」


2017年5月に兵庫県尼崎市で日本国内初確認のヒアリが発見されました。
http://www.env.go.jp/press/104185.html

その後、厚生労働省は2017年6月23日付で事務連絡「ヒアリに刺された場合の留意事項について」を発出しています。



ヒアリは、兵庫県で発見されて以来、神奈川県、東京都、茨城県でも確認されており、今後も増える可能性があります。また、愛知県、大阪府でもヒアリやヒアリと似たアカカミアリが確認がされています。

ヒアリは、極めて攻撃性が強く、刺された場合には、アルカロイド毒により、熱感を伴う非常に激しい痛みと、水ぶくれ、その後、膿が出ます。
一方、アカカミアリは、これまでも国内への侵入が確認されていたもので、ヒアリに比して毒性は低いものの、同じくアルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、水ぶくれができるため、注意が必要です。

http://www.env.go.jp/press/files/jp/106099.pdf
http://www.env.go.jp/press/files/jp/106166.pdf

一部報道では「アメリカでヒアリにより年間100人犠牲になっている」との報道がなされました。これは米国疾病対策センター(CDC)が公表したアナフィラキシーショックで亡くなった人の数の合計を、すべてヒアリによる死亡例として誤って報じたものです。ヒアリだけではなくハチやサソリの被害の数も多く含まれています。
センセーショナルな情報に流されず、正しい情報を見極められる力を身に着けましょう。

https://www.cdc.gov/niosh/topics/insects/default.html

ヒアリに刺されたときの症状


【軽症】刺された部位の痛みやかゆみ
刺された瞬間は熱いと感じるような、激しい痛みが走ります。
やがて、刺された痕が痒くなり、10時間ほど経つと膿が出てきます。

【中等度症】じんましん
刺されて数分から数十分後には刺された部分を中心に腫れが広がり、部分的、または全身にかゆみをともなう発疹(じんましん)が現れることがあります。

【重症】呼吸困難・血圧低下・意識障害
刺されて数分から数十分の間に息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいなどを起こすことがあります、進行すると意識を失うこともあります。
これらの症状が出た場合には、重度の即時型アレルギー反応「アナフィラキシー」である可能性が高く、処置が遅れると生命の危険も伴います。

ヒアリに刺されたときの対処法


●刺された直後の対処
20~30分程度は安静にし、体調の変化がないか注意します。
現場で可能な処置としては、『ムヒ』などの抗ヒスタミン軟膏またはステロイド軟膏を塗って、冷やします。

軽度の症状のみであり症状が悪化する様子がなければ、ゆっくりと病院を受診しても大丈夫です。

[病院へいくときの確認事項]
1)刺された部位、数
2)刺されてからの時間
3)蕁麻疹、悪心、寒気、動悸、呼吸困難など
4)過去にアリやハチに刺されて具合が悪くなったことがあるか

●容体が急変したとき
症状は急速に進むので、とにかく一番近い病院を受診する。(救急受け入れのある病院であればなお良い。)「アリに刺されたこと」「アナフィラキシーの可能性があること」を伝え、すぐに治療してもらいましょう。

●もしもの場合に備えて
特にアナフィラキシーの危険がある方は、前もって医師に相談し、アレルギー反応を緩和するためにアドレナリン自己注射キット「エピペン」を用意しておくことができます。
重度の症状が出始めた時点で使用すると効果的です。
軽~中度の症状には抗ヒスタミン剤の内服薬を用意しておくこともできます。

エピペンはすべての医者が処方できるわけではありません。
必要な研修を受講し、処方医として登録された医師のみが処方できます。
処方可能診療施設の検索はこちら↓でできます。
http://allergy72.jp/search/

対処の合言葉




参考:
「ストップ・ザ・ヒアリ」 環境省自然環境局 野生生物課外来生物対策室 平成21年作成 
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf

フジテレビ「ホウドウキョク」7月11日
https://www.houdoukyoku.jp/posts/14941