2020年9月29日火曜日

異なるワクチンを接種する場合の接種間隔 [2020年10月改訂]

  •  2020年10⽉1⽇から「注射の⽣ワクチン同⼠の接種間隔を27⽇以上あける」以外のワクチンの接種間隔規定が撤廃されることになりました。
  • 『注射の⽣ワクチン』同⼠以外は、いかなる間隔で接種してもワクチンの効果に影響はありません。
  • 同一ワクチンの接種間隔に関して変更はありません。


2020年10月より前までは、予防接種実施要項により、異なるワクチンの接種間隔として『⽣ワクチン』接種後は27⽇以上、『不活化ワクチン・トキソイド』接種後は6⽇以上あけるように定められていました。

しかし、2020年10⽉1⽇以降、「注射⽣ワクチン同⼠の接種間隔を27⽇以上あける」こと以外のワクチンの接種間隔規定は撤廃されることになりました。



接種間隔の変更の理由

不活化ワクチンは、異なる種類の不活化ワクチンや⽣ワクチンと免疫反応が⼲渉することはありません。

つまり不活化ワクチンは、異なる種類の不活化ワクチンや⽣ワクチンとの同時接種も含め、どのような接種間隔でも接種することができるのです。


⼀⽅、異なる⽣ワクチンを短い間隔で投与した場合には、後から投与したワクチンの免疫反応が抑制されてしまいます。

これは、最初に投与した⽣ワクチンのウイルスによって産⽣されたインターフェロンが後から投与された⽣ワクチンのウイルスの複製を抑制するためと考えられています。

⽶国、WHOなど海外では、『注射の⽣ワクチン』の接種間隔は、同時接種しない場合には規定されていますが、不活化ワクチン、経⼝⽣ワクチン接種後には規定がありません。

そこで、日本においても、不活化ワクチン・経口生ワクチンについて、他のワクチンと干渉する可能性は低いことから、諸外国と同様に、他のワクチンとの接種間隔に対する制限は見直すよう小児科学会などから要望されていました。



ワクチンの種類と接種間隔

異なる種類のワクチンとの接種間隔について図にまとめてみました。

現在日本で承認されている注射の生ワクチンには麻しん、風しん、麻しん・風しん混合ワクチン、BCG、水痘・帯状疱疹ワクチン、おたふくかぜワクチンがあります。
これら注射の生ワクチン同士の接種は、過去に干渉の報告があること等から、引き続き27日以上間をおいて接種します。




【参考】

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知.「異なるワクチンの接種間隔に係る添付文書の「使用上の注意」の改訂について」.薬生安発0228第5号、2020.02.28.

第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料. 2019.10.2. 

第36回厚⽣科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本⽅針部会:予防接種の接種間隔に関する検討. 2019.

第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料. 2020.1.27.

厚生労働省|ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ