2024年1月23日火曜日

コロネル錠500mg・コロネル細粒83.3%  販売中止と代替品

 コロネル錠500mg・コロネル細粒83.3% が販売中止となるようです。

販売・その他に関するお知らせ | コロネル錠500mg・コロネル細粒83.3% 販売中止のご案内(2024年1月)アステラス製薬

経過措置期間満了日は2025年3月31日(予定)です。

販売中止の理由は、「ヴィアトリス製薬株式会社のポリフルⓇ錠500mg・細粒83.3%との一物二名称の製品として販売しておりましたが、ポリフルⓇ錠500mg・細粒83.3%に販売を集約することといたしました。」と案内がされています。コロネルはポリフルに統合されます。


コロネルはポリカルボフィルカルシウムを含有する過敏性腸症候群治療剤です。
ポリカルボフィルカルシウムは 1964 年頃、初めて米国でFDA により承認されました。
現在も米国では便秘や下痢の治療薬としてOTCとしても販売されています。
ポリカルボフィルカルシウムは高分子化合物で、腸管内容物の形状を正常化、またその吸水性により下痢や便秘の改善を図ります。

日本においてポリカルボフィルカルシウムが登場する前の過敏性腸症候群治療では、腸管の運動調節作用を有する薬剤が主に使用されていました。
しかし、過敏性腸症候群では下痢と便秘が両方存在し、且つ交互に起こる場合があるため、効果的な治療薬の需要がありました。
この背景から、ポリカルボフィルカルシウムを含有する過敏性腸症候群治療剤の開発が行われ、2000年7月に承認されました。コロネルとポリフルの一物二名称で販売が行われました。


コロネル錠500mg・コロネル細粒83.3%の代替品

代替品は先発品で性分は同じなポリフル錠500mg・ポリフル細粒83.3%です。
また、コロネルはポリフルには後発品も存在するため、それらも選択肢になります。


過敏性腸症候群(IBS)の特徴

IBSは主として便通異常(下痢、便秘)と腹部症状(腹痛、腹部膨満感等)を訴える機能的な疾患です。
器質的疾患が確認しえない機能的な疾患であり、下痢型、便秘型、混合型、分類不能型の4つに分類されます。

IBSの原因と治療アプローチ

IBS患者では、腸管の運動亢進が便通異常や腹部症状の原因と考えられています。
精神的・肉体的ストレス、低繊維食など様々な因子が発症に影響し、原因が特定できないことが多いです。
患者さんのQOLの向上を目指し、各症状に応じた薬剤選択が治療の中心となっています。