2016年2月4日木曜日

皮膚欠損用創傷被覆材のQ&A

在宅(往診・訪問診療)で創傷被覆材を使用した場合、保険請求が可能なケース



いずれかの在宅療養指導管理料を算定している場合であって、在宅での療養を行っている通院困難な患者のうち、皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む。)(DESIGN 分類 D3、D4 及びD5)を有する患者の当該褥瘡に対して使用した場合に保険請求が可能です。


保険請求できる期間に制限があります。

基本的には 3週間を限度として、それ以上の期間において算定が必要な場合には、摘要欄に詳細な理由を記載して算定できます。


3週間以上の期間において、摘要欄に詳細な理由を記載して使用する場合の使用枚数

使用枚数の制限は原則としてありませんが、創の状態に適した使用方法(交換頻度)で適正な枚数を使用して下さい。


ヘルパー等が訪問して創傷被覆材を使用した場合、保険請求は可能できません。

そもそも、ヘルパーが創傷被覆材を交換することは診療報酬とは別の規制でできません。

患者さん自身か家族、看護師が実施した場合には保険算定は可能です。

医師が訪問した時だけ保険算定できますが、C109 在宅寝たきり患者処置指導管理料、C112 在宅気管切開患者指導管理料を算定している患者に使用した場合には処置料については算定できません。


創傷被覆材の調剤薬局での取り扱いについて

創傷被覆材は処方箋で保険適応可能です

在宅療養指導管理料を算定している在宅での療養を行っている通院困難な患者でかつ、皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む)(DESIGN 分類 D3、D4 及び D5)を有する患者の当該褥瘡に対して処方箋で保険算定できます。


創傷被覆材を販売するためには販売業許可及び届け出が必要です。

高度管理医療機器を販売するなら高度管理医療機器販売業の許可、管理医療機器を販売するなら管理医療機器販売業の届出があれば可能です。

なお薬局開設許可証をもって管理医療機器の届け出とみなされます。

ただし、これらの製品について患者様に宣伝、広告をすることはできません。




薬局が創傷被覆材を医師の処方箋に基づき支給する場合には販売業許可及び届け出は必要ありません。


『特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器等』である皮膚欠損用創傷被覆材は、医師の処方箋に基づき、社会保険各法において支給する場合に限り、薬局は、高度管理医療機器等販売業の許可を取得する必要はありません。

ただし、以下の①から③の要件をすべて満たす必要があります。

① 患者に支給する際、薬剤師が患者の当該医療機器の使用状況や使用履歴を確認した上で、当該医療機器の使用方法及び管理方法の指導を添付文書等に基づいて適切に行っていること。併せて、調剤録に必要事項を記載するとともに当該医療機器を支給した時点で、薬剤服用歴に患者の氏名、住所、支給日、処方内容等、使用状況、使用履歴及び指導内容等の必要事項を記載していること。
② 保管や取扱いを添付文書等に基づき適切に行っていること
③ 在宅業務従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づく研修を実施するとともに、定期的に在宅業務等に関する学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。なお、薬剤師に対して、医療機器に関する講習等への定期的な参加を行わせていることが望ましい。


創傷被覆材の保険算定可能な施設について 

介護施設や有料老人ホーム等で購入、使用した場合に保険算定できません。

介護施設や有料老人ホーム等が施設購入で使用し独自に使用した場合は保険算定出来ません。



下記に施設ごとの保険算定の可否を添付しますが、あくまでも一般的なケースであり、例外もある為、詳細は各都道府県の厚生局にお問い合わせください。



創傷被覆材の保険算定方法について

償還価格は製品毎に全て異なります。

同じ機能区分に属する製品であれば、単位面積(重量)当りの償還価格は同じです。
但し、製品毎に保険算定面積(または保険算定重量)が異なりますので、大きさや重さで償還価格が異なります。


保険算定面積(重量)と見分け方。

単位面積(重量)当りの償還価格ですので製品毎に保険算定用の面積(重量)が設定されています。
皮下組織に至る創傷用・標準型(シート状、ヒモ状、ロープ状)は、固定用の補強部分を除く面積です。

皮下組織に至る創傷用・異形型(顆粒状、ペースト状、ジェル状)は、重量です。

製品によって製品外箱又は添付文書に表示してあります。



標準価格(希望小売価格、定価等)は、償還価格ではありません。

標準価格等は、メーカー等が設定した価格です。

償還価格は製品が属する機能区分と保険算定面積(重量)により設定されています。


製品毎の償還価格はどこに記載されているのか。

製品毎(規格別)の償還価格は、各社が別途案内しています。
各社ホームページを御覧ください。


使用する際に材料の面積(重量)をその都度、計算する必要はありません。

製品によって外箱または添付文書に保険算定面積(重量)が表示されています。
その面積(重量)と各機能区分の償還価格を乗じた価格で保険算定して下さい。

創傷被覆材は使いきりですので、創の大きさに対応するサイズの材料を選択使用し枚数単位で請求して下さい。
再使用はできません。

異形型のゲルタイプの製品は創への充填量に応じてサイズ(重量)を選択し、滅菌製品でもあり、一本単位で使い捨てして下さい。

創傷の深さや製品名をレセプト(診療報酬明細書)に記載する必要があります。

なお、製品名は機能区分(又は略称)と併記しましょう。
保険請求は1枚(本)単位です。


医療機関において処置とは別に交換用として患者に渡した創傷被覆材は保険請求できません。

処置に使用した分以外は算定できません。
ただし、在宅患者の場合は条件によって保険算定できるものもあり運用が異なります。


医療機関で交換用として患者に販売することはできません。

薬局等での購入をお勧めください。また、各県の厚生局にご確認ください。


創傷被覆材の保険適用期間について

医療機関で保険請求できる期間に制限があります。

2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定できます。


2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定する場合、使用枚数に制限はありません。

創の状態に適した使用方法(交換頻度)で適正な枚数を使用してしましょう。


保険適用期間の 2 週間もしくは 3 週間とは、1 ヶ月単位の保険適用期間ではありません。

使用開始後2週間もしくは3週間の限度を意味します。月をまたいだ場合も、合計で最長
で3週間までとなります(在宅の患者の場合、条件によって期間延長もできます)。


治療中に他の創傷被覆材に切り替えた場合でも、それぞれ2週間もしくは3週間を限度として保険算定はできません。

製品ごとではなく、使用した創傷被覆材の使用期間の合計が、2週間もしくは3週間であれ
ば算定できます。


薬剤で治療中に、薬剤(軟膏など)から創傷被覆材に変更した場合

薬剤から創傷被覆材に変更した時点から起算して 2 週間もしくは 3 週間を限度として算定します。



参考:
皮膚欠損用創傷被覆材(デュオアクティブ)は院外処方可能か
http://yakuza-14.blogspot.jp/2015/04/blog-post_14.html

創傷被覆材の保険上の適用(保険の対象疾患)について
http://yakkyokushidoukansa.blogspot.com/2016/02/sousyouhihukuzai.html


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