2016年2月27日土曜日

低温やけどの対処法

低温やけども通常のやけどと同様「熱傷」として対処します。


熱傷部位の広さや深さによって治療の方法が変わってきます。


Ⅱ度熱傷の治療 水ぶくれができる程度

Ⅱ度熱傷に対しては,湿潤環境維持を目的にワセリン軟膏基剤を基本とし,熱傷の広さ,深さの状況により主剤(抗生物質,ステロイドなど)を選択することが推奨されます。

Ⅱ度熱傷創には創傷被覆材を用いてもよいです。


創傷被覆材→
テガダームなどのハイドロコロイド



「熱傷潰瘍」を含む皮膚潰瘍に有用であったという薬剤一覧
・塩化リゾチーム軟膏(リフラップ®軟膏)

・プロスタグランディンE1製剤(プロスタンディン®軟膏)

・ブクラデシンナトリウム含有軟膏(アクトシン®軟膏)

・白糖・ポピドンヨード配合軟膏(ユーパスタコーワ軟膏など)



おもなステロイド外用剤で「熱傷」に適応がある薬剤
ベタメサゾン吉草酸エステル(+抗生物質)(リンデロン®VG軟膏など)

トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト®AG軟膏など)

(酪酸)ヒドロコルチゾン(+抗生物質)(テラ・コートリル®軟膏など)

フルオシノロン,塩酸フラジオマイシン(フルコート®軟膏など)


やけどの消毒

熱傷皮膚面への適用が明記されている消毒薬は、10%ポビドンヨード液のみです。


熱傷の潰瘍面に細菌がいることは考えられますが感染を起こしていない場合には毎日の入浴によってある程度まで細菌数を減らすことで十分です。


局所的に感染しており消毒薬を用いた場合、残った消毒薬によって皮膚再生が遅れることが考えられるので、消毒後に生理食塩水などで洗浄します。



<家庭での対応>
上記は医療機関での対応です。

低温やけどは、皮膚の深部で組織が破壊されている場合があるので、見た目は大したことなくても病院で一度診てもらうことをおすすめします。


応急処置としては

患部を冷やして、キズパワーパッドで傷口を覆うようにしましょう。

軟膏剤の塗布や消毒薬による消毒は不要です。




熱傷診療ガイドライン改訂第 2 版 (一般社団法人 日本熱傷学会)http://jsbi-burn.org/members/guideline/pdf/guideline2.pdf