2024年5月23日木曜日

ガドリニウム造影剤にはどんなものがあるか

ガドリニウム造影剤

ガドリニウム造影剤は、MRI検査の際に使用される医薬品で、画像にコントラストをつけるために使用されます。
ガドリニウムは重金属であり、体内に蓄積すると毒性を示す可能性があります。
しかし、ガドリニウム造影剤はガドリニウムをキレート化することで毒性を著しく低減し、速やかに腎臓から排泄されるように工夫されています。


ガドリニウム造影剤の種類

ガドリニウム造影剤には主に線状型と環状型の2つの種類があります。
以下に、それぞれの特徴と具体的な製品名を示します。


線状型

- オムニスキャン静注(ガドジアミド水和物)【販売中止】

- マグネビスト静注(ガドペンテト酸メグルミン)【販売中止】

- EOB・プリモビスト注(ガドキセト酸ナトリウム):肝造影専用


環状型

- プロハンス静注(ガドテリドール)

- マグネスコープ静注(ガドテル酸メグルミン)

- ガドビスト静注(ガドブトロール)


ガドリニウム造影剤の使用上の注意

ガドリニウム造影剤は、腎障害の有無にかかわらず、診断のために不可欠と考えられる場合にのみ使用されるべきであり、投与にあたっては各々の医薬品添付文章に則り、用法、用量を厳守すること。また、CT や血管造影などのX線検査のための造影剤として、ガドリニウム造影剤を使用してはならないとされています。

腎機能が低下している患者では、MRI 検査に用いられるガドリニウム造影剤の投与数日から数か月後、時に数年後に、皮膚の腫脹や硬化、疼痛などにて発症する疾患である腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis;NSF)のリスクが高まるためガドリニウム造影剤の使用前には、緊急検査などでやむを得ない場合を除き、腎機能(推算糸球体濾過量: eGFR)を評価します。

可能な限りガドリニウム造影剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい病態として「長期透析が行われている終末期腎障害」「非透析例で eGFR が 30ml/min/1.73m2未満の慢性腎不全」「急性腎不全」があります。

他の検査法で代替困難な場合は、NSF のリスクを考慮し、ガドリニウム造影剤の適正使用量を守る、繰り返し使用する必要がある場合は可能な限り間隔を空ける(海外のガイドラインでは 7 日以上の間隔を空けることを推奨)など、十分に注意して投与します。

重篤な腎障害には禁忌とされていたガドジアミドとガドペンテト酸は販売中止となっており、2024年時点で重篤な腎障害に禁忌となっているガドリニウム造影剤はありません。

障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン(第 3 版: 2024 年 5 月 20 日改訂) 

透析患者にはどうする?

造影 MRI よりも造影 CT を選択する

eGFR が30ml/min/1.73m2未満の患者にはどうする?

ガドテリドール、ガドテル酸、ガドブトロールの使用を考慮します。

 ACR Committee on Drugs and Contrast Media. ACR Manual on Contrast Media ver. 2023.



参考:造影剤 製剤別適応一覧表(日本医学放射線学会)


2024年5月16日木曜日

レボトミン筋注/ヒルナミン筋注 販売中止と代替品

長年にわたり抗精神病薬として使用されてきたヒルナミン筋注(レボメプロマジン)とレボトミン筋注(レボメプロマジン)が販売中止となります。

ヒルナミン筋注販売中止のお知らせ

レボトミン筋注販売中止のお知らせ

経過措置期間は2025年3月31日までです。

販売中止の理由は諸般の事情です。

クロルプロマジンが 1953 年以来精神神経用薬として臨床に用いられるようになってから、フェノチアジンの構造変換の研究が進められました。レボメプロマジンは、1957 年ローヌ・プーラン社(現:サノフィ・アベンティス社)の Courvoisierらによって開発されました。日本では1958 年に製造が許可され、ヒルナミン筋注は1960年に、レボトミン筋注は1963年に製造販売承認を得て販売が開始されました。


レボトミン筋注/ヒルナミン筋注の代替品

コントミン筋注(クロルプロマジン)
ヒルナミンとレボトミンはフェノチアジン系の精神神経安定剤で、統合失調症、躁病、うつ病における不安・緊張に用いられています。同効薬のコントミン筋注(クロルプロマジン)が代替となります。

セレネース(ハロペリドール)
サイレース(フルニトラゼパム)
筋注であるレボトミン、ヒルナミンはせん妄にも用いられています。
せん妄に使用する注射の代替案としてはセレネース(ハロペリドール)があります。

しかし、レボトミン、ヒルナミンはセレネースで効果不十分な場合に使われることが多いのでその場合はサイレースやミダゾラムが候補となります。ただし、ベンゾジアゼピン系薬剤は基本的にはせん妄の悪化につながることを意識したうえで使用することになります。また、呼吸抑制にも注意が必要なので、投与前にアンビューバックやフルマゼニル注の準備をしておきましょう。


2024年5月14日火曜日

ジェムザール 販売中止と代替品

ジェムザールが販売中止となるようです。
ジェムザール(日本イーライリリー) ※2024年5月時点案内なし
https://medical.lilly.com/jp/gemzar

販売中止時期:2025年4月(予定)

経過措置期間:未定

販売中止の理由は、ジェムザールが後発医薬品への置き換えが進んでいる⾧期収載品(G1品目)に該当となったため、G1品目の市場撤退スキームにしたがった供給終了が当局に認められたことによります。

★G1品目の市場撤退スキームとは★
このスキームは、後発品への置き換え率が80%以上に達している長期品(G1品目)の薬価を段階的に引き下げることを主眼としています。具体的には、6年間をかけて後発品と同水準の価格まで引き下げられる計画です。さらに、企業側が市場からの撤退を希望する場合、後発品企業が増産対応を行うことなどが条件として提示されます。
この制度の導入により、後発品の普及が促進され、市場からの健全な競争が生まれると期待されています。同時に、先発医薬品メーカーには新たな投資や研究開発への動機付けが生まれることが期待されます

ジェムザール注射用200mg及び1gは、ゲムシタビン塩酸塩を含有する注射用製剤です。
ゲムシタビン塩酸塩は1983年に米国のイーライリリー社によって合成されたデオキシシチジンの糖鎖の2'位の水素をフッ素に置換したヌクレオシド誘導体です。
この化合物は抗悪性腫瘍剤のスクリーニングにおいて優れた抗悪性腫瘍作用を示し、強力で特異性の高い代謝拮抗作用を有することが判明しました。
前臨床試験の結果、ジェムザールは抗悪性腫瘍剤としての有効性が期待され、動物実験においても安全性が確認されたため、1987年に米国および欧州各国で臨床試験が開始されました。
日本では、海外での非臨床試験および臨床試験の成績に基づき、1989年より臨床試験が開始され、非小細胞肺癌に対する臨床効果が確認されたことから、1999年3月に承認されました。
また、膵癌に対する臨床効果の評価を行うため、海外では症状緩和効果を主要評価項目とし、生存率などを副次的評価項目とした試験が実施され、ジェムザールの有用性が確認されました。
日本でも、1996年に希少疾病用医薬品に指定され、1998年から国内第Ⅰ相試験が実施され、膵癌の治療薬として承認されました。
胆道癌に対しても、2001年から国内で第Ⅱ相試験が実施され、ジェムザール単独投与による臨床効果が確認され、2006年6月に承認されました。
尿路上皮癌に関しては、海外での比較第Ⅲ相試験が実施され、臨床的な有用性が確認されました。
日本でも、ジェムザール単独投与の第Ⅱ相試験を実施し、有効性及び安全性が確認され、2008年11月に承認されました。
手術不能又は再発乳癌に関しては、海外での第Ⅲ相試験により、ジェムザールとパクリタキセルの併用療法の有効性及び安全性が確認されました。日本でも、ジェムザール単独投与及びジェムザールとパクリタキセルの併用療法の第Ⅱ相試験を実施し、2010年2月に承認されました。
その後、がん化学療法後の増悪した卵巣癌や再発又は難治性の悪性リンパ腫に対する適応追加や、非小細胞肺癌に対するジェムザールとシスプラチンの併用投与における用法及び用量の追加も行われ、それぞれ2011年2月、2013年2月、2019年6月に承認されました。
そして、2025年にジェムザールの販売中止が予定されています。

ジェムザールの代替品

ジェムザールの後発品は3社が販売しています(2024年5月時点)、このうちゲムシタビン点滴静注用「SUN」(サンファーマ)は販売中止に伴う経過措置期間中です。
残りはゲムシタビン点滴静注用「ヤクルト」(高田製薬)とゲムシタビン点滴静注液「NK」(日本化薬)。このうち高田製薬が増産対応を引き受けるそうです。
そのため、ジェムザールから切り替える場合、安定供給の面を鑑みると、ゲムシタビン点滴静注用「ヤクルト」が候補となります。
【代替製品】
製造販売元/高田製薬株式会社
  • ゲムシタビン点滴静注用200mg「ヤクルト」
  • ゲムシタビン点滴静注用1g「ヤクルト」

2024年5月11日土曜日

シュアポスト 販売中止と代替品

シュアポストが販売中止となるようです。
シュアポスト錠0.25mg/錠0.5mg 販売中止予定のご案内(住友ファーマ)
https://sumitomo-pharma.jp/product/surepost/notification_list/surepost_tyushi_20240510.html

販売中止の理由は「諸般の事情」です。
導入元のノボノルディスクファーマが世界的に製造中止するためのようです。

経過措置期間は未定です。


シュアポストはレパグリニリドを成分とする、速効型インスリン分泌促進剤(グリニド系)です。1985年にドイツのKarl Thomae GmbH社によって発見されました。その後、海外ではノボノルディスク社による臨床試験が行われ、1997年には米国、1998年には欧州で、食事療法と運動療法だけでは十分な血糖コントロールができない2型糖尿病の適応として承認され、Prandin®の名前で販売されました。
国内では、ノボノルディスクファーマ社が開発を開始し、その後、大日本住友製薬(現:住友ファーマ)でも臨床試験が行われました。食事療法と運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした臨床試験に加えて、食事療法と運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を併用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした試験も実施されました。その結果、2型糖尿病患者の食後血糖経過の改善とHbA1cの改善作用が確認され、2011年1月に「シュアポスト錠0.25mg」と「シュアポスト錠0.5mg」が承認されました。
さらに、食事療法と運動療法に加えてメトホルミンまたはピオグリタゾンを併用しても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象にした臨床試験も実施され、2013年2月にはビグアナイド系薬剤とチアゾリジン系薬剤との併用効果が認められました。
さらに、平成22年7月9日に発行された「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に基づき、DPP-4阻害剤併用長期投与試験が実施され、DPP-4阻害剤併用療法における長期投与時の有効性と安全性が確認され、2014年11月には「2型糖尿病」の効能を取得しました。
2024年5月に日本国内の販売中止が発表されています。

シュアポストの代替品

シュアポスト(レパグリニリド)は膵臓のΒ細胞上のカリウムチャネルを閉じることでインスリンの分泌を増加させ、食前・食後血糖値を硬化させます。レパグリニドの半減期は、1時間未満であり、1日3回食前に内服します。レパグリニドの作用機序はSU薬と同じくインスリン分泌を抑えるものですがその効果時間が短いために、食後血糖の上昇抑制を目的として使用されます。レパグリニドは速効型インスリン分泌促進剤とよばれます。レパグリニド投与によりHbA1c 値が約1%低下します。レパグリニドはインスリン分泌のが残存する2型糖尿病患者で、零血糖発作に対し対処可能な非肥満患者を対象として使用されています。

速効型インスリン分泌促進剤にはシュアポスト(レパグリニリド)のほかに、ナテグリニド、ミチグリニドがあります。
代替品にはナテグリニド、ミチグリニドが候補となります。
切り替える際、ナテグリニドは「透析を必要とするような重篤な腎機能障害のある患者」には禁忌となっているので注意が必要です。



2024年4月20日土曜日

デトルシトールカプセル 販売中止と代替品

 デトルシトールカプセルが販売中止となるようです。

2024年4月19日販売中止のご案内_デトルシトールカプセル 

販売中止理由は「使用している添加物原料の変更に伴い、本邦のガイドラインの規格要件を満たすことが困難になった為」です。

経過措置期間満了は 2025年3月末の予定です。

デトルシトール(トルテロジン酒石酸塩)は、日本で初めて「過活動膀胱」としての効能・効果が認められた抗コリン薬です。
過活動膀胱治療薬としてファイザー社によって開発されました。
この薬は、膀胱のムスカリン受容体に対する高い選択性を持つ受容体拮抗薬です。
デトルシトールは、徐放性製剤(カプセル剤)として提供され、過活動膀胱の症状である尿意切迫感、頻尿、および切迫性尿失禁に対して、1日1回の投与で効果的な改善をもたらします。
海外では、徐放性製剤に加えて1日2回の非徐放性製剤(錠剤)もあり、両方の製剤が世界約80ヵ国で販売され、約1,000万人の患者に使用されていました。また、徐放性製剤は、米国やEU諸国など約40ヵ国で販売されていました。
日本では、徐放性製剤の開発が2000年に始まり、外国人および日本人・韓国人を対象とした臨床試験が行われました。これらの試験結果に基づき、2006年4月に日本で承認されました。約20年にわたり過活動膀胱に苦しむ患者の生活を改善するために重要な役割を果たしてきました。

トルテロジンの作用機序


デトルシトールカプセルの代替品

デトルシトール(トルテロジン酒石酸塩)の代替としてはトビエース(フェソテロジン)があげられます。
トルテロジンと同様に、フェソテロジンも高い膀胱選択性を持ち、中枢神経への影響が少ない特徴を備えています。また、トルテロジンの活性代謝物である5-ヒドロキシメチルトルテロジンは、フェソテロジンの活性代謝物と同様であることもポイントです。
さらに、フェソテロジンも4mgと8mgの2つの製剤を有しており、用量を調節できる柔軟性という共通点もあります。過去の様々な試験において、フェソテロジンは過活動膀胱の各症状や生活の質に対する有効性と安全性が実証されています。特に、65歳以上の高齢者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験でも、フェソテロジンの有用性が報告されています。
さらに、Fit fOR The Aged(FORTA)という高齢者向け薬物療法評価ツールによる評価では、フェソテロジンが下部尿路症状の治療薬として唯一、FORTA分類のClass B(高齢者における有効性は明らかだが安全性に懸念がある薬剤)に分類されています。
このように、フェソテロジンはトルテロジンの代替として、安全性と有効性が確認された過活動膀胱治療薬として考えられます。

抗コリン薬以外では、選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤のベオーバ(日べグロン)も候補に挙げられます。

海外の第III相試験では、1,518例の過活動膀胱患者を対象に、ビベグロン75 mg、トルテロジン徐放剤(4 mg)、プラセボの3つのグループに無作為に割り付けられ、12週間投与されました。
主要評価項目の一つである排尿回数では、12週後にビベグロン群では平均で1.8回、プラセボ群では1.3回の減少が見られました。これに対し、トルテロジン徐放剤群では1.6回の減少でした。また、切迫性尿失禁回数も同様に、ビベグロン群で2.0回、プラセボ群で1.4回の減少が見られましたが、トルテロジン徐放剤群では1.8回の減少でした。
副次評価項目においても、ビベグロン群がトルテロジン徐放剤群を上回っており、尿意切迫感回数や排尿量、尿失禁が消失した割合などの面でも良好な結果が示されました。
また、有害事象による中止率も比較的低く、ビベグロン群が1.7%、プラセボ群が1.1%、トルテロジン徐放剤群が3.3%と報告されています。これにより、ビベグロン75 mgの有効性と安全性が十分に検証されています。なお、ベオーバの日本での承認用量は50 mgです
Staskin D, Frankel J, Varano S et al. International phase III, randomized, double-blind, placebo and active controlled study to evaluate the safety and efficacy of vibegron in patients with symptoms of overactive bladder: EMPOWUR. J Urol 2020; 204: 316 – 324(I)


2024年3月6日水曜日

診療報酬改定 留意事項や施設基準を確認する方法

 厚生労働省の診療報酬関連情報が掲載されているホームページのどの部分に、目当ての資料が掲載されているか探すポイントを紹介します!

改定年度ごとに診療報酬関連情報のホームページが作成されます。
令和6年度はこちら


点数表(算定要件)を確認したい

点数表(算定要件)は「第3 関係法令等【省令・告示】(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)」の
(2)1『診療報酬の算定方法の一部を改正する告示』に掲載されています。
医科は「別表第一」歯科は「別表第二」そして調剤は「別表第三」に掲載されます。



留意事項を確認したい

留意事項は
「第3 関係法令等【省令・告示】(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)」の
(2)2『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)』に掲載されています。
医科は「別添1」歯科は「別添2」そして調剤は「別添3」に掲載されます。



施設基準を確認したい

施設基準は「第3 関係法令等【省令・告示】(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)」の
(3)1『基本診療料の施設基準等の一部を改正する告示』
(3)2『基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)』
(4)1『特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件』
(4)2『特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)』
に掲載されています。
医科の初・再診療などの点数表区分番号「A」に該当する点数の施設基準が
(3)1『基本診療料の施設基準等の一部を改正する告示』
(3)2『基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)』に、掲載されています。
それ以外(医科点数表区分「B~N」、歯科、調剤)の施設基準は
(4)1『特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件』
(4)2『特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)』に、掲載されています。

施設基準は縦書きなので見辛いです。


新薬価を確認したい。

薬価は「第3 関係法令等【省令・告示】(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)」の
(5)1『使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部を改正する件』
に掲載されます。

また、厚労省ホームページの「薬価基準収載品目リストについて」ではエクセルでデータが提供されています。基礎的医薬品対象品目リストも掲載されているので、こちらの方が便利かもしれませんね。

特定保険医療材料の材料価格を確認したい

特定保険医療材料の材料価格は「第3 関係法令等【省令・告示】(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)」の
(6)1『特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する告示』に掲載されます。






2024年2月21日水曜日

テトカイン注用20mg「杏林」  販売中止と代替品

テトカイン注用20mg「杏林」 が販売中止となるようです。

経過措置期間は2024年3月31日までです。
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/information/pdf/202402tetocainesoldout.pdf

最初の局所麻酔薬として知られるのは、1860年にドイツのNiemanによって発見され、コカの葉から抽出されたアルカロイドであるコカインです。
コカインはその強力な麻酔効果にもかかわらず、高い毒性と中枢神経系への刺激作用が問題視され、より安全な局所麻酔薬の開発が求められました。
この要望に応えて、1905年にEinhornによって合成されたのがプロカインです。
プロカインは、安息香酸の一部である構造からコカインの局所麻酔作用を継承しつつ、毒性が低減された革新的な薬剤でした。
その後、1928年にEislebによって合成されたのがテトラカインです。
テトラカインは、プロカインのベンゼン核のNH2にアルキル基を導入することで局所麻酔作用を増強させたものです。
現在、使用されている局所麻酔薬は「芳香族残基-中間鎖-アミン」といった形をしています。
中間鎖がエステル結合かアミド結合かにより、エステル型とアミド型に大別されます。
テトラカインは、プロカインと同様にエステル型に分類され、アミド型にはリドカインやビブバカインなどが含まれます。

テトカイン注用20mg「杏林」の代替品

テトカインはプロカイン、リドカインより作用が長く毒性も強いため通常の局所麻酔であればリドカインが使用されます。
リドカイン及びアミド型麻酔薬に過敏症を示す場合には、エステル型のプロカインが候補になります。

しかし表面麻酔にはプロカインは使用できないため、リドカインアレルギーの方への表面麻酔で使用可能なものはありません。

脊髄くも膜下麻酔の適応があるのはテトカインとアミド型のマーカイン(ブピバカイン)です。テトカイン販売中止で日本における脊髄くも膜下麻酔の適応薬剤はブピバカイン一択となりました。ブピバカインはアミド型のため、リドカインアレルギーの方に使えるエステル型の脊髄くも膜下麻酔薬はありません。


2024年2月20日火曜日

2024年度診療報酬改定 服薬情報等提供料

2024年度診療報酬改定において、服薬情報等提供料の要件が見直されます。
保険薬局と医療及び介護に関わる多職種との連携を推進するため、薬剤師が行う服薬情報等の提供に係る現行の評価体系を改正し、介護支援専門員やリフィル処方箋調剤に伴う医療機関への情報提供が新たに評価されます。

・患者や家族への情報提供では算定できなくなりました。
・ケアマネへの情報提供で算定可能になりました。
・リフィル調剤後の医療機関への情報提供も算定可能になりました。
・要件から「内容等については薬剤服用歴に記録すること。」が削除

 

具体的には「服薬情報等提供料2」の要件が変わります。
これまでは、患者さんや家族から求めがあった場合に、情報提供をしたときにも算定できました。2024年度改定では要件のから「患者若しくはその家族」の文言が削除され、護支援専門員(通称:ケアマネ)が新たな情報提供の対象者に加わりました。

また、トレーシングレポートを使って医師に情報提供を行ったときだけでなく、リフィル処方箋で調剤したあとの情報提供でも算定することが可能になります。

そのほか、要件の「内容等については薬剤服用歴に記録すること。」が削除されており、情報提供に関する内容を薬歴に記載することは求められなくなったようです。

[令和6年厚生労働省告示第57号 調剤点数表]
区分15の5 服薬情報等提供料
1 服薬情報等提供料1 30点
2 服薬情報等提供料2
 イ 保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合 20点
 ロ リフィル処方箋による調剤後、処方医に必要な情報を文書により提供した場合20点
 ハ 介護支援専門員に必要な情報を文書により提供した場合 20点
3 服薬情報等提供料3 50点

注1 1については、保険医療機関の求めがあった場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に月1回に限り算定する。

2 2については、保険薬剤師がその必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、保険医療機関又は介護支援専門員に必要な情報を文書により提供を行った場合に月1回に限り算定する。

3 3については、入院前の患者に係る保険医療機関の求めがあった場合において、当該患者の同意を得た上で、当該患者の服用薬の情報等について一元的に把握し、必要に応じて当該患者が保険薬局に持参した服用薬の整理を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に3月に1回に限り算定する。

4 区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料、区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料又は区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

5 区分番号00に掲げる特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、算定できない。

6 区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。





2024年2月19日月曜日

2024年度診療報酬改定 施設連携加算【外来服薬支援料】

2024年度診療報酬改定では「外来服薬支援料」に新たな加算が追加されます。

特別養護老人ホーム等と連携した保険薬局の薬剤師が、患者の入所時等において特に服薬支援が必要と判断し、服用中の薬剤の整理等を実施した場合の評価です。

特別養護老人ホームの入所者の処方に対し一包化などを行い「外来服薬支援料2」を算定する場合に、
施設職員と協働し患者の服薬管理を支援すると算定できる加算です。
施設連携加算は、単に施設の要望に基づき服用薬剤の一包化等の調製を行い、当該施設職員に対して服薬指導や情報共有等を行ったのみの場合は算定できません。


具体的には以下の場合に算定できます。

(1)施設入所時であって、服用薬剤が多い場合
(2)新たな薬剤が処方された若しくは薬剤の用法又は用量が変更となった場合
(3)副作用等の体調の変化における施設職員からの相談に基づく服薬支援が必要な場合

施設における患者の療養生活の状態等を確認した上で当該施設職員と協働して日常の服薬管理が容易になるような支援を実施することが必要です。
さらに、当該保険薬局が調剤した薬剤以外に調剤済みの薬剤も含めて一包化等の調製を実施すること。

 
[調剤点数表]
14の2 外来服薬支援料
1外来服薬支援料1  185点
2外来服薬支援料2 
 イ  42日分以下の場合 
   投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数
 ロ  43日分以上の場合 240点

注1 1については、自己による服薬管理が困難な患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。ただし、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

注2 1については、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。

注3 2については、多種類の薬剤を投与されている患者又は自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化及び必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。

注4 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第22項に規定する地域密着型介護老人福祉施設若しくは同条第27項に規定する介護老人福祉施設に入所中の患者を訪問し、注3に係る業務に加えて、当該施設職員と協働し当該患者が服薬中の調剤済みの薬剤を含めた服薬管理を支援した場合に、施設連携加算として月に1回に限り50点を所定点数に加算する。

2024年2月18日日曜日

2024年度診療報酬改定 連携強化加算【調剤基本料】

2024年度診療報酬改定において連携強化加算の点数が2点から5点に引き上げられ、要件が見直されました。

連携強化加算は、災害や新興感染症の発生時等における医薬品供給や衛生管理に係る対応など、地域において必要な役割を果たすことができる体制を確保している薬局を評価するものです。
これまでは、連携強化加算を算定するには地域支援体制加算の要件も見対している必要がありましたが、2024年では、地域支援体制加算の届出は求められません。
しかし、かわりに「改正感染症法の第二種協定指定医療機関の指定」が求められることになりました。

大まかな要件は以下のとおりです。


●新型インフルエンザ等感染症等の発生時において
 自宅療養者等に対する調剤
 オンライン又は訪問による服薬指導
 薬剤等の交付等に対応する体制
●要指導医薬品や一般用医薬品、検査キット(体外診断用医薬品)の販売
●オンライン服薬指導を行うための必要な通信環境、セキュリティ対応等
●以下の研修の実施
 ・第二種協定指定医療機関の締結時に求められる新興感染症等の発生時における自宅・宿泊療養患者への対応に係る研修
 ・災害発生時における対応に係る研修
 ・オンライン服薬指導実施要領に基づく、必要な知識を習得するための研修
●地域の住民が薬局の体制を把握できるよう、災害や新興感染症発生時における対応体制の確保について、行政機関や薬剤師会を通じて公表・周知

2024年2月17日土曜日

2024年度診療報酬改定 服薬管理指導料

 2024年度診療報酬改定において、服薬管理指導料3の要件や評価が見直されます。


これまでは、「特別養護老人ホ-ム」の入所者に限られていましたが、「短期入所生活介護(ショートステイ)等」の利用者、「介護医療院」又は「介護老人保健施設」に入所中の患者に対象が拡がりました。

介護医療院又は介護老人保健施設に入所中の患者に対しては、
当該介護老人保険施設等の医師以外の医師が、専門的な薬学的管理を必要とする薬剤に係る処方箋を発行した場合に、応需した保険薬局の薬剤師が訪問して施設職員と連携しつつ服薬指導等を実施した場合算定できます。
薬の配達だけでは算定できません。

また。月に4回までというの算定回数の上限が設けられます。


[令和6年厚生労働省告示第57号 調剤点数表]
10の3 服薬管理指導料
1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 45点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 59点
3 介護老人福祉施設等に入所している患者に訪問して行った場合 45点
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
 イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 45点
 ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 59点

注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
ただし、1の患者であって手帳を提示しないものに対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、2により算定する。
なお、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。
 イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
 ロ 服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
 ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
 ニ これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき、必要な指導を行うこと。
 ホ 薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
 ヘ 処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施すること。

注2 3については、保険薬剤師が別に厚生労働大臣が定める患者を訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、月4回に限り、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
ただし、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。
 イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
 ロ 服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
 ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
 ニ これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき、必要な指導を行うこと。
 ホ 必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者等に提供すること。
 ヘ 処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施すること。

注3 4については、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、4のイの患者であって手帳を提示しないものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、4のロにより算定する。なお、区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

注4 麻薬を調剤した場合であって、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときは、麻薬管理指導加算として、22点を所定点数に加算する。

注5 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指導加算1として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
 イ 特に安全管理が必要な医薬品が新たに処方された患者に対して必要な指導を行った場合 10点
 ロ 特に安全管理が必要な医薬品に係る用法又は用量の変更、患者の副作用の発現状況等に基づき薬剤師が必要と認めて指導を行った場合 5点

注6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

注7 調剤を行う医薬品を患者が選択するために必要な説明及び指導を行ったイ又はロに掲げる場合には、特定薬剤管理指導加算3として、患者1人につき当該品目に関して最初に処方された1回に限り、5点を所定点数に加算する。
 イ 特に安全性に関する説明が必要な場合として当該医薬品の医薬品リスク管理計画に基づき製造販売業者が作成した当該医薬品に係る安全管理等に関する資料を当該患者に対して最初に用いた場合
 ロ 調剤前に医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者に説明及び指導を行った場合

注8 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算として、12点を所定点数に加算する。

注9 児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者に係る調剤に際して必要な情報等を直接当該患者又はその家族等に確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、小児特定加算として、350点を所定点数に加算する。この場合において、注8に規定する加算は算定できない。

注10 喘ぜん息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって、吸入薬の投薬が行われているものに対して、当該患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

注11 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除き、算定しない。

注12 服薬管理指導料の3に係る業務に要した交通費は、患家の負担とする。

注13 別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、注1、注2又は注3に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1から注3までの規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、13点を算定する。この場合において、注4から注10までに規定する加算は算定できない。

注14 当該保険薬局における直近の調剤において、区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料又は区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者に対して、やむを得ない事情により、当該患者の同意を得て、当該指導料又は管理料の算定に係る保険薬剤師と、当該保険薬剤師の所属する保険薬局の他の保険薬剤師であって別に厚生労働大臣が定めるものが連携して、注1に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1の規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、59点を算定する。

注15 区分番号00に掲げる特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、区分番号00に掲げる調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、注6及び注10に規定する加算は、算定できない。

[留意事項]


[特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 令和6年厚生労働省告示第59号]

十 服薬管理指導料の注2に規定する厚生労働大臣が定める患者

次のいずれかに該当する患者
(1)
介護保険法第八条第二十二項に規定する地域密着型介護老人福祉施設
若しくは
同条第二十七項に規定する介護老人福祉施設に入所中の患者
又は
同条第九項に規定する短期入所生活介護
若しくは
同法第八条の二第七項に規定する介護予防短期入所生活介護のサービスを受けている患者

(2)
介護保険法第八条第二十八項に規定する介護老人保健施設
又は
介護保険法第八条第二十九項に規定する介護医療院に入所中の患者であって、
医師が高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準(昭和五十八年厚生省告示第十四号)第二十条第四号ハに係る処方箋を交付したもの

十の二 服薬管理指導料の注5及びかかりつけ薬剤師指導料の注3に規定する医薬品
別表第三の三に掲げる医薬品

別表第三の三
薬剤管理指導料の対象患者並びに服薬管理指導料及びかかりつけ薬剤師指導料に規定する医薬品
  • 抗悪性腫瘍剤
  • 免疫抑制剤
  • 不整脈用剤
  • 抗てんかん剤
  • 血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)
  • ジギタリス製剤
  • テオフィリン製剤
  • カリウム製剤(注射薬に限る。)
  • 精神神経用剤
  • 糖尿病用剤
  • 膵臓ホルモン剤
  • 抗HIV薬

2024年度診療報酬改定 調剤後薬剤管理指導料

2024年度診療報酬改定において、医療機関と薬局が連携して糖尿病患者、慢性心不全患者の治療薬の適正使用を推進する観点から評価を見直し、服薬管理指導料の注10の調剤後薬剤管理指導加算が廃止され、かわりに調剤後薬剤管理指導料が新設されました。
現行の調剤後薬剤管理指導加算で対象となっていた糖尿病薬の範囲が「インスリン、SU剤」から「糖尿病用剤」に拡大されました。また、対象患者に慢性心不全患者が追加されました。
また、調剤後薬剤管理指導加算では、かかりつけ薬剤師管理指導料の算定患者に対して算定できませんでしたが、調剤後薬剤管理指導料ではかかりつけ薬剤師管理指導料の算定患者に対してフォローアップを実施した場合でも算定ができるようになります。

調剤後薬剤管理指導料を算定できる薬局は、地域支援体制加算を算定できるものとして届出している薬局です。

調剤後薬剤管理指導料には1と2の2種類があります。

1については次のいずれかに該当する糖尿病の患者が対象です。
(1) 新たに糖尿病用剤が処方されたもの
(2) 糖尿病用剤に係る投薬内容の変更が行われたもの

2については心疾患による入院の経験があり、作用機序が異なる循環器官用薬等の複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全の患者です。

薬剤師が必要性を認め、患者の同意を得て、調剤後に次に掲げる業務等の全てを行ったときに、調剤後薬剤管理指導料として、月1回に限り算定できます。

イ 調剤後に当該薬剤の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について当該患者へ電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場合を除く。)。
ロ 必要な薬学的管理及び指導を継続して実施すること。
ハ 処方医へ必要な情報を文書により提供すること。

「1」「2」ともに、保険医療機関からの依頼や、患者やその家族等の依頼があることが要件です。


2024年2月15日木曜日

2024年度診療報酬改定 調剤基本料

2024年度診療報酬改定において、地域の医薬品供給拠点としての役割を担い、地域医療に貢献する薬局の整備を進めていくこと、職員の賃上げを実施すること等の観点から調剤基本料の評価が見直され3点増となりました。

<調剤基本料 改定のポイント>

  • 基本料3点増
  • 特別調剤基本料の評価の見直し
  • 地域支援体制加算の要件を強化。7点減。(解説はこちら)
  • 連携強化加算の要件評価見直し。3点増。
  • 在宅薬学総合体制加算が新設。
  • 医療DX推進体制整備加算が新設。

調剤基本料の評価の見直し

調剤基本料2の算定対象となる薬局に、1月における処方箋の受付回数が 4,000 回を超え、かつ、処方箋受付回数が多い上位3の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合の合計が7割を超える薬局が加わりました。

特別調剤基本料の評価の見直し

いわゆる同一敷地内薬局への対応として、医薬品の備蓄等の効率性、医療経済実態調査に基づく薬局の費用構造や損益率の状況、同一敷地における医療機関との関係性等を踏まえ、特別調剤基本料を算定する薬局の調剤及び当該同一敷地における医療機関の処方について、評価を見直されます。

  1. 特別調剤基本料がAとBの区分が設けられ、評価が見直されます。
  2. いわゆる同一敷地内薬局を対象とする特別調剤基本料Aにおいては、調剤基本料1、2及び3のイ~ハと同様に調剤基本料の施設基準の届出が求められます。
  3. 調剤基本料にかかる施設基準の届出を行っていない保険薬局に対しては特別調剤基本料Bの算定区分が適用され、調剤基本料の諸加算の算定ができなくなります。