2023年11月6日月曜日

メンタックス外⽤液1% メンタックススプレー1% 販売中止と代替品

メンタックス外⽤液1%とスプレー1%が販売中止となるようです。

https://www.kaken.co.jp/wp/wp-content/uploads/medical_products3/2022/09/mentax_202310.pdf

抗⽩癬菌剤 ⽇本薬局⽅ ブテナフィン塩酸塩液 メンタックス外⽤液1%につきましては1992 年発売、抗⽩癬菌剤 ⽇本薬局⽅ ブテナフィン塩酸塩スプレー メンタックススプレー1%につきましては、2004 年発売以来皆様のご愛顧をいただいてまいりましたが、この度諸般の事情により在庫終了をもちまして販売を中⽌することにいたしました。

2025年3⽉末薬価基準削除(予定)です。


メンタックスは科研製薬において合成されたベンジルアミン誘導体、ブテナフィン塩酸塩を有効成分とする外用抗真菌剤です。

1990年代、表在性皮膚真菌症の治療薬はビホナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール等のイミダゾール系抗真菌剤が主流でした。この当時、国内外で強い抗菌活性を有するアリルアミン系化合物(テルビナフィン、ナフチフィン)が発売・開発され注目されていました。

ブテナフィン塩酸塩は骨格的にはアリルアミン系に類似した新しい骨格のベンジルアミン系化合物で、強い抗真菌活性を有し、イミダゾール系に代わるものとして開発され、1994年に承認されました。科研製薬からは「メンタックス」、久光製薬からは「ボレー」というブランド名で発売されました。

また、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤よりも簡単に塗ることができて、手を汚すことがないため使用感がよく、容器を患部に直接付けることがなく衛生的に投与できると考えられるスプレー剤が2008年2月に承認され発売されていました。


メンタックス外⽤液1%の代替品

併売品のボレー外用液が代替品となります。
最小発育阻止濃度の観点で白癬に効果が高いと考えられているのはルリコナゾール、ラノコナゾール、アモロルフィン、テルビナフィン、リラナフタートがあります。
このなかで、液剤が販売されているのは以下のとおりです。

<ルリコナゾール>
・ルリコン液

<ラノコナゾール>
・アスタット液

<テルビナフィン>
・ラミシール液 ほか後発品

<リラナフタート>
・ゼフナート液


メンタックススプレー1%の代替品

スプレー剤は比較的広範囲な部位に対してクリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤よりも簡単に塗ることができ、手を汚すことがないため使用感がよく、容器を患部に直接付けることがなく衛生的に投与できると考えられます。治療上のコンプライアンスの向上が期待できる製剤として選択されます。
ただ、スプレー剤(噴霧剤)が設定されている抗真菌薬はケトコナゾール、ブテナフィン塩酸塩の2つしかありません。
※テルビナフィン(ラミシール)のスプレーが存在していましたが2022年に販売中止となっています。

まず代替は併売品のボレースプレー(ブテナフィン塩酸塩)が挙げられます。
ほかは、以下のとおりです。
<ケトコナゾール>
・ケトコナゾール外用ポンプスプレー2%「日本臓器」
・ケトコナゾール外用ポンプスプレー2%「NR」