2016年4月21日木曜日

避難所で過ごす、食物アレルギーのこどもたちのために


食物アレルギーの子どもを世話する方が知っておきたいこと

食物アレルギー症状を起こさせないこと、症状が現れた時、どうするかを日頃考えておくことが大事です。 お世話する方々がこどもを誤食 (誤って原因食物を食べてしまうこと)から守ってあげましょう。 周囲の方々に理解を求めることも大切です。避難所の管理者、あるいは行政の方に相談してみましょう。


原因となる食物を誤って食べない/食べさせない

支援食はアレルギー表示を確認しましょう 支援食などの包装にある食品表示をよくみて、原因食物が入っていないか確認しましよう。 “鶏卵、乳、小麦、ピーナツ、ソバ、エビ、カニ" の7品目は必ず記載されます。 これ以外の食物は少量では記載されないことがあり、注意が必要です。


炊き出しでの注意と個別の調理

炊き出しでは、原因食物が使われていないか調理にあたっている人に確認しましょう。 自分で調理できる状況にあれば、食材だけ分けてもらう方法もあります。管理者や調理担当者に相談してみましよう。


アレルギー支援が受けられるように相談しておきましょう

“アレルギー対応食やミルク”の支援がある場合、優先して利用できるよう、避難所の管理者や行政の方々に早めに相談しておきましょう。


こどもが周囲の人から食べ物をもらうことがあるので、注意しましょう

食物アレルギーサインプレートなどを利用して、周囲の人に食物アレルギーがあることを分かりやすく伝える工夫も有効です。


症状が現れた時どうするかを、日頃から考えておくことが大事です

症状の強さに併せて適切で迅速な対応をしましょう。

軽い症状
 (ロや目の周りなどのじんましん、かゆみ、ロやのどの違和感、ロ唇やまぶたの腫れ、吐き気、軽い腹痛、鼻水、軽い咳など)
対応:慌てる必要はありませんが、大人が必ずそばにいて、しばらく様子を観察して症状の進行に注意してください。抗ヒスタミン薬があれば飲ませて下さい。

やや強い症状
(全身のじんましん、強いかゆみ、強い顔のむくみ、複数回の嘔吐、強い咳など)
対応:様子を見ず、医療機関へ向かってください。

強い症状
 (のどや胸がつかえる、声がかすれる、強い腹痛、なんども吐く、ゼーゼー、ヒューヒュー、苦しさ、顔色が悪くなる、ぐったり、意識消失など)
対応:ショックやショックに近い状態です。 
至急、医療機関を受診してください(可能なら救急車で)。 " 本人用エピペンがあれば速やかに注射してください。

※誤食事故は予測できません。避難所生活は普段よりも危険が多いので、万が一の時はどういう行動をとれば良いのかあらかじめ考えておきましょう。


こんな時はすぐ病院へ!

症状が全身、症状が強い、苦しそう、ぐったり




周囲の方は、食物アレルギーのこどもだちへの配慮と協力をお願いします。

食物アレルギーはアレルギーの病気のひとつで、原因となる食物を食べると様々な症状 (じんましんやかゆみ、咳、ゼーゼー、息苦しさ、嘔吐など)をおこします。このため、貴重な支援食であっても、食べられないどころか、“食べてはいけないもの”となり、家族の方々は食事のたびに大変気を使っています。ー緒に過ごされている皆様には、食物アレルギーについて以下のことをご理解のうえ、ご配慮ご協力ください。


支援食・炊き出しで食べられるものと食べられないものがあります

配給や炊き出しの時は「食物アレルギーの人はいませんか?」と一声かけてください。

「食物アレルギーの人はいませんか?食べられるもの教えてください」

食物アレルギーの原因はそれぞれのこどもによって異なります。

それら原因食物を毎日の食事から除く必要があり、支援食、炊き出しなどで配慮が必要です。家族や患者さんはこの非常時に食物アレルギーがあることを言い出しにくいこともあるので、周りの方々は是非声をかけていただき、食材の問い合わせには、確認して正確にお答え下さい。


炊き出しでは、個別の調理を認めてあげてください

大量調理の炊き出しでは食物アレルギーの人に個別対応は困難です。できれば患者分の食材を分けて、家族がセルフ調理することを認めてあげてください。また鶏卵・牛乳・小麦アレルギーがいる場合、炊き出しにこれらの食物を利用しない工夫を考えてみて下さい。


“アレルギー対応食”や“アレルギー用ミルク”の支援がある場合には、優先して利用できるように配慮してください


お菓子をあげる時にも注意してください

食物アレルギーのこどもの中には、自分が“食べられないもの”を理解していないこともあるので、こどもたちへ菓子などをあげる場合には、食物アレルギーの確認が必要です。


原因食物を食べると、様々なアレルギー症状がでてきます

以下のような症状がでた時はすぐに受診を! 強いアレルギー症状 (ひどいじんましんや強いかゆみ、声がかすれる、止まらない咳、 ゼーゼー・ヒューヒュー、強い腹痛、なんども吐く、顔色が悪くぐったり、意識低下・消失など) の場合には、直ちに医療機関を受診 (可能なら救急車で) できるように配慮して下さい。