2020年4月23日木曜日

ペルサンチン静注10mg 販売中止(経過措置期限2020年3月末)

ペルサンチン静注10mgは販売中止されており、経過措置期間も2020年3月31日に終了したようです。

※ペルサンチン錠は販売継続中です。


ペルサンチンの成分はジピリダモールです。

ジピリダモールは 1951年に F. G. Fischer 及び J. Roch によって開発されたピリミド-ピリミジン誘導体で、冠状動脈疾患治療薬として1959年にベーリンガーインゲルハイムの前身であるドイツのDr.カール・トーメ社により発売されました。
1965 年に P. R. Emmons らによって抗血小板作用を有することが報告されて以来、ドイツ、イギリス、日本を含め各国で抗血小板作用に基づく心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制あるいは,糸球体腎炎,ネフローゼ症候群等の治療薬として今日広く使用されていました。
日本では、冠状動脈疾患治療薬剤として 1960年に発売されました。


ジピリダモール負荷試験


ペルサンチン静注の効能効果は狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全でした。
そのほか、心機能評価のための薬剤負荷試験でも使用されていました。

ジピリダモールを投与すると、正常心筋部の血流が増加するのに対して病変部は増加しないので、血流不均衡が生じ、心機能を評価する検査の一つの心筋血流シンチグラフィでは、血流を評価できる201Tlや99mTc標識放射性医薬品を投与すると負荷時の病変部の低下として描画されます。
ジピリダモール負荷は運動負荷と同等の虚血の診断成績が得られるので、高齢者や下肢動脈の閉塞など運動負荷が難しい患者にも有効として汎用されていました。


ペルサンチン静注10mgの代替品


後発品が存在します。(2020年4月時点)

・ジピリダモール静注液10mg「日医工」

心筋負荷用の薬剤としては、アデノシンが代替として使用可能です。
ただし、作用の持続時間がジピリダモールでは静注後2~4分でピークに達し約30分間持続するのに対し、アデノシンでは静注後約10秒から約2分間と比較的短時間であることに注意が必要です。

・アデノシン負荷用静注60mgシリンジ「FRI」



参考:
川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)