2020年6月2日火曜日

コンサータやビバンセ 卸からの納品には時間がかかる

コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)の流通管理について、「コンサータ錠登録管理システム」において管理されていましたが、2019年12月2日から「ADHD適正流通管理システム」という新しいシステムが稼働し、こちらで管理されることになりました。

これは、2019年9月4日に厚生労働省がコンサータの流通管理を大幅に変更する旨を通知したことによるものです。
患者情報の登録が新たに義務付けられ、また医師の登録要件が厳格化されました。

2020年6月30日までが新システムへの移行期間です。
2020年7月1日以降もコンサータ錠の処方及び調剤を継続するためには、2020年6月30日までにADHD適正流通管理システム(https://www.adhd-vcdcs.jp/)へ新規に登録しなおさくてはなりません。
2020年6月30日までに登録されない場合、2020年7月1日以降は未登録となり、コンサータ錠の卸からの納入及び調剤を継続することができません。

メチルフェニデート塩酸塩製剤(コンサータ錠 18mg、同錠 27mg 及び同錠 36mg)の使用にあたっての留意事項について
(令和元年9月4日付け薬生総発 0904 第1号、薬生薬審発 0904 第3号、薬生安発0904 第1号、薬生監麻発 0904 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長、医薬品審査管理課長、医薬安全対策課長及び監視指導・麻薬対策課長連名通知)

※今般、新型コロナウイルス感染症の影響により、留意事項通知に規定する医師の登録
の事務手続き等に遅延が生じていることから、承認条件の経過措置期間を延長が9月30日まで延長されています。

新型コロナウイルス感染症の影響に伴うメチルフェニデート塩酸塩製剤(コンサータ錠 18mg、同錠 27mg 及び同錠 36mg)の経過措置期間の延長について
(令和2年5月27日付薬生総発 0527 第1号薬生薬審発 0527 第5号、薬生安発 0527 第1号、薬生監麻発 0527 第1号)



今回の変更されたシステムについては日経DIで詳しくまとめられていますので、そちらをご覧ください。
・日経DI「大きく変わるコンサータの流通管理システム

日経DIでは触れられていなかったところでは、今回のシステム変更によって卸の流通管理についても大きな変更があったとの情報を入手したので、そちらを説明したいと思います。

受注元の施設登録の確認を注文の都度行うようになった


以前までのシステムでは卸は新規にコンサータの注文を受けた施設についてのみ、「コンサータ適正流通委員会」に施設登録の有無の照会を行っていたそうです。
それが、新システムでは新規納品施設、継続納品施設にかかわらず受注の都度、施設登録の有無の照会が必要となったようです。
また、受注日と受注量を都度、施設照会時に報告するようになったそうです。

そのため、継続納品については以前であれば他の薬と同じタイミングで納品されていたのですが、照会の時間分納品が遅れてしまうようです。

以前よりは余裕を持って注文するようにしています。
(卸には17:00までの注文であれば翌日朝には納品してもらうよう確約取りました)


なぜ、厳しい流通管理が行われるか

ADHDでもない患者さんをADHDだと診断し、コンサータを交付して、それを処方した医師に戻させて、医師本人が乱用していたという事例がありました。
この事件を起こした医師の適格性の問題もありますが、患者の登録なく処方できたことも問題視されて厳格なルールのもとで流通が管理されることになりました。
2019年2月21日 厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会議事録