2018年7月24日火曜日

湿度の高い夏の時期に注意して保管したい錠剤 糖衣錠

気温や湿度の高い夏の時期に注意して保管したい薬剤があります。
それは『糖衣錠』です。

暑さや、湿度が影響し錠剤がベタベタしてきたり色や形が変わることがあるのです。

先日、患者さん宅へ訪問した際に、赤く変色したメチコバールを発見しました。


なぜ、糖衣錠は温度や湿度に注意しなくてはならないのか?


糖衣錠とは薬の表面を甘い糖分の膜でおおったものです。多くの糖衣錠で膜に「白糖」を配合しています。
苦味のある薬を自然な甘みの白糖で覆い飲みやすくしているのですが、吸湿性が高いという欠点があります。
白糖は湿度 85%以上で急激に吸湿(重量増加)することが知られています。

台所の砂糖が固まるのを経験されたことがあるかと思いますが、あれは、砂糖が湿気を吸いやすいからなのです。湿気を吸うと表面が溶けます。それが乾燥すると固まってしまいます。

気温が高いと空気中に水蒸気として保てる水の絶対量が多くなるため、気温の高い夏場は特に注意が必要となります。


夏場の一包化は要注意


分包紙に使うグラシン紙やポリセロファンでは防湿は完璧ではありませんので、夏場に糖衣錠を一包化はする際には、患者さんに薬の保管管理ついて丁寧な説明が必要となります。
密封容器や缶など、密閉できる容器に乾燥剤(シリカゲルなど)を入れ、しっかりふたをして、光の当たらない涼しい場所に保管しましょう。

薬は車内に放置しないようにしましょう。夏場の車内は高温になります。

可能であれば一包化は避けてPTPで渡せるのがよいのです。

また、自動分包機ケース内に糖衣錠が保管されている時は、夜間の調剤室の温度や湿度にも注意しましょう。夏場はエアコンを付けて帰るなどの対応が必要でしょう。


白糖を含む糖衣錠にはどんなものがありますか?


アリナミンのように商品名に「糖衣錠」とついていればわかりやすいのですが、それだけではありません。
以下に、添付文書の添加物の項に「白糖」の記載がある錠剤をリストアップしました(50音順)。

英数字
25mgアリナミンF糖衣錠
50mgアリナミンF糖衣錠
5mgアリナミンF糖衣錠
5mgコントール錠
10mgコントール錠
ATP腸溶錠20mg「NP」
C-チステン錠250mg
C-チステン錠500mg
アジャストAコーワ錠40mg
アストフィリン配合錠
アストマリ錠15mg
アストミン錠10mg
アスパラ配合錠
アゼプチン錠0.5mg
アゼプチン錠1mg
アゼラスチン塩酸塩錠0.5mg「TCK」
アゼラスチン塩酸塩錠1mg「TCK」
アゼラスチン塩酸塩錠0.5mg「タイヨー」
アゼラスチン塩酸塩錠1mg「タイヨー」
アゼラスチン塩酸塩錠0.5mg「トーワ」
アゼラスチン塩酸塩錠1mg「トーワ」
アタラックス錠10mg
アタラックス錠25mg
アダプチノール錠5mg
アップノン錠40mg
アドビオール錠5mg
アナフラニール錠10mg
アナフラニール錠25mg
アフロクアロン錠20mg「サワイ」
アフロクアロン錠20mg「トーワ」
アプレゾリン錠10mg
アプレゾリン錠25mg
アプレゾリン錠50mg
アリチア配合錠
アレギサール錠5mg
アレギサール錠10mg
アロストーワ錠20mg
アロチノロール塩酸塩錠5mg「DSP」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」
アロチノロール塩酸塩錠5mg「JG」
アロチノロール塩酸塩錠5mg「サワイ」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「サワイ」
アロチノロール塩酸塩錠5mg「テバ」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「テバ」
アロチノロール塩酸塩錠5mg「トーワ」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「トーワ」
アロチノロール塩酸塩錠5mg「日医工」
アロチノロール塩酸塩錠10mg「日医工」
アロフト錠20mg
アロマシン錠25mg
アンジュ21錠
アンジュ28錠
アンプリット錠10mg
アンプリット錠25mg
イブプロフェン錠100mg「タイヨー」
イブプロフェン錠200mg「タイヨー」
イブプロフェン錠100mg「タツミ」
イブプロフェン錠200mg「タツミ」
イミドール糖衣錠(10)
イミドール糖衣錠(25)
ウロカルン錠225mg
エキセメスタン錠25mg「NK」
エキセメスタン錠25mg「マイラン」
エチゾラム錠0.25mg「JG」
エチゾラム錠0.5mg「JG」
エチゾラム錠1mg「JG」
エチゾラム錠0.25mg「NP」
エチゾラム錠0.5mg「NP」
エチゾラム錠1mg「NP」
エペリゾン塩酸塩錠50mg「KN」
エペリゾン塩酸塩錠50mg「TCK」
エペリゾン塩酸塩錠50mg「トーワ」
エペリゾン塩酸塩錠50mg「日医工」
エペリゾン塩酸塩錠50mg「日新」
エミレース錠3mg
エミレース錠10mg
エンドキサン錠50mg
オクソラレン錠10mg
オフタルムK配合錠
オルル錠50
カチーフN錠5mg
カチーフN錠10mg
カプトプリル錠12.5mg「日医工」
カプトプリル錠25mg「日医工」
カプトリル錠12.5mg
カプトリル錠25mg
カムシア配合錠LD「武田テバ」
カムシア配合錠HD「武田テバ」
カリクレイン錠10単位
カリジノゲナーゼ錠25単位「NP」
カリジノゲナーゼ錠50単位「NP」
カリジノゲナーゼ錠25単位「日医工」
カリジノゲナーゼ錠50単位「日医工」
カルデミン錠0.25μg
ガイレス錠10mg
ガスコン錠40mg
ガスコン錠80mg
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガンマオリザノール錠50mg「ツルハラ」
ガンマオリザノール錠50mg「トーワ」
キャベジンUコーワ錠25mg
クラシエ八味地黄丸料エキス錠
クラリスロマイシン錠50mg小児用「マイラン」
クラロイシン錠50小児用
クレマスチン錠1mg「日医工」
クロチアゼパム錠5mg「トーワ」
クロチアゼパム錠10mg「トーワ」
クロフェクトン錠10mg
クロフェクトン錠25mg
クロフェクトン錠50mg
クロルジアゼポキシド錠5mg「ツルハラ」
クロルジアゼポキシド錠10mg「ツルハラ」
クロルプロマジン塩酸塩錠25mg「ツルハラ」
クロロマイセチン錠50
クロロマイセチン錠250
グリチロン配合錠
コスパノン錠40mg
コスパノン錠80mg
コムタン錠100mg
コントミン糖衣錠12.5mg
コントミン糖衣錠25mg
コントミン糖衣錠50mg
コントミン糖衣錠100mg
コンドロイチンZ錠
コートリル錠10mg

サアミオン錠5mg
シナール配合錠
シュランダー錠25mg
シンラック錠2.5
シンラック錠7.5
ジアノイナミン錠10mg
ジセタミン錠25
ジピリダモール錠12.5mg「JG」
ジピリダモール錠12.5mg「ツルハラ」
ジピリダモール錠25mg「JG」
ジピリダモール錠25mg「ツルハラ」
ジピリダモール錠25mg「トーワ」
ジピリダモール錠25mg「日医工」
ジピリダモール錠25mg「日新」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「CH」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「JG」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「TCK」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「TYK」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「トーワ」
ジフェニドール塩酸塩錠25mg「日医工」
ジメモルファンリン酸塩錠10mg「TCK」
ジョサマイシン錠50mg
ジョサマイシン錠200mg
スタレボ配合錠L50
スタレボ配合錠L100
スピロピタン錠0.25mg
スピロピタン錠1mg
スローケー錠600mg
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「CH」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「CH」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「TCK」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「TCK」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「YD」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「YD」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「トーワ」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「トーワ」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「ファイザー」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「日医工」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「日医工」
セレスタミン配合錠
センナリド錠12mg
センノサイド錠12mg
センノシド錠12mg「JD」
センノシド錠12mg「TCK」
センノシド錠12mg「YD」
センノシド錠12mg「クニヒロ」
センノシド錠12mg「サワイ」
センノシド錠12mg「セイコー」
センノシド錠12mg「ツルハラ」
センノシド錠12mg「トーワ」
センノシド錠12mg「ファイザー」
センノシド錠12mg「ホリイ」
ゼオチン錠100mg
ソルダナ錠12mg
ゾテピン錠25mg「アメル」
ゾテピン錠50mg「アメル」
ゾテピン錠100mg「アメル」
ゾテピン錠25mg「ヨシトミ」
ゾテピン錠50mg「ヨシトミ」
ゾテピン錠100mg「ヨシトミ」

タカベンス錠25mg
タチオン錠50mg
タチオン錠100mg
ダイピン錠1mg
ダイフェン配合錠
チオラ錠100
チスタニン糖衣錠100mg
チスタメット錠200mg
チスタメット錠400mg
チャルドール錠2.5mg
チョコラA錠1万単位
ツロブテロール塩酸塩錠1mg「オーハラ」
テオドール錠100mg
テオドール錠200mg
テナキシル錠1mg
テナキシル錠2mg
テルブタリン硫酸塩錠2mg「TCK」
デタントール錠0.5mg
デタントール錠1mg
デノタスチュアブル配合錠
デパケンR錠100mg
デパケンR錠200mg
デパス錠0.25mg
デパス錠0.5mg
デパス錠1mg
トコフェロール酢酸エステル錠50mg「トーワ」
トコフェロール酢酸エステル錠50mg「ファイザー」
トフラニール錠10mg
トフラニール錠25mg
トリキュラー錠21
トリキュラー錠28
トリラホン錠2mg
トリラホン錠4mg
トリラホン錠8mg
ナトリックス錠1
ナトリックス錠2
ニカルジピン塩酸塩錠10mg「TCK」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「TCK」
ニカルジピン塩酸塩錠10mg「サワイ」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「サワイ」
ニカルジピン塩酸塩錠10mg「トーワ」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「トーワ」
ニカルジピン塩酸塩錠10mg「日医工」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「日医工」
ニカルジピン塩酸塩錠10mg「日新」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「日新」
ニカルジピン塩酸塩錠20mg「TCK」
ニスタジール錠10
ニスタジール錠20
ニチファーゲン配合錠
ニューレプチル錠5mg
ニューレプチル錠10mg
ニューレプチル錠25mg
ネオマレルミンTR錠6mg
ノイキノン錠5mg
ノイキノン錠10mg
ノイキノン糖衣錠10mg
ノイビタ錠「25」
ノイメチコール錠500μg
ノリトレン錠10mg
ノリトレン錠25mg
ハイゼット錠25mg
ハイゼット錠50mg
ハロステン錠1mg
ハロステン錠2mg
ハロペリドール錠0.75mg「JG」
ハロペリドール錠1.5mg「JG」
ハロペリドール錠1mg「JG」
ハロペリドール錠3mg「JG」
バクタ配合錠
バクトラミン配合錠
バップフォー錠10
バップフォー錠20
バランス錠5mg
バランス錠10mg
バルネチール錠50
バルネチール錠100
バルネチール錠200
バルネチール錠50
バルネチール錠100
バルネチール錠200
バルプロ酸Na徐放B錠100mg「トーワ」
バルプロ酸Na徐放B錠200mg「トーワ」
バルプロ酸Na錠100mg「フジナガ」
バルプロ酸Na錠200mg「フジナガ」
バルプロ酸ナトリウムSR錠100mg「アメル」
バルプロ酸ナトリウムSR錠200mg「アメル」
バレリン錠100mg
バレリン錠200mg
パルタンM錠0.125mg
パーキン糖衣錠(10)
パーキン糖衣錠(50)
ヒドロキシジンパモ酸塩錠25mg「日新」
ヒベルナ糖衣錠5mg
ヒベルナ糖衣錠25mg
ヒルナミン錠(5mg)
ヒルナミン錠(25mg)
ヒルナミン錠(50mg)
ビオフェルミン錠剤
ビタファントF錠25
ビタミンK1錠5
ビタミンK1錠5mg「ツルハラ」
ビーマス配合錠
ピドキサール錠10mg
ピドキサール錠20mg
ピドキサール錠30mg
ピリドキサール錠10mg「イセイ」
ピリドキサール錠30mg「イセイ」
ピレチア錠(5mg)
ピレチア錠(25mg)
ピーゼットシー糖衣錠2mg
ピーゼットシー糖衣錠4mg
ピーゼットシー糖衣錠8mg
ファモチジン錠10mg「JG」
ファモチジン錠20mg「JG」
ファモチジン錠10mg「TCK」
ファモチジン錠20mg「TCK」
ファモチジン錠10mg「アメル」
ファモチジン錠20mg「アメル」
ファモチジン錠10mg「トーワ」
ファモチジン錠20mg「トーワ」
ファモチジン錠10mg「日新」
ファモチジン錠20mg「日新」
ファモチジン錠10mg「杏林」
ファモチジン錠20mg「杏林」
ファモチジン錠10「サワイ」
ファモチジン錠20「サワイ」
ファースルー錠2.5mg
フスコデ配合錠
フスタゾール糖衣錠10mg
フスタゾール錠小児用2.5mg
フラジール内服錠250mg
フルスルチアミン錠25mg「トーワ」
フルメジン糖衣錠(0.25)
フルメジン糖衣錠(0.5)
フルメジン糖衣錠(1)
フロベン錠40
フロモックス錠75mg
フロモックス錠100mg
ブシラミン錠100mg「トーワ」
ブシラミン錠50mg「トーワ」
ブシラミン錠50mg「日医工」
ブシラミン錠100mg「日医工」
ブスコパン錠10mg
ブチルスコポラミン臭化物錠10mg「YD」
ブチルスコポラミン臭化物錠10mg「ツルハラ」
ブチルスコポラミン臭化物錠10mg「日新」
ブルフェン錠100
ブルフェン錠200
プラノバール配合錠
プルゼニド錠12mg
プレマリン錠0.625mg
プロチアデン錠25
プロトポルト錠20mg
プロベラ錠2.5mg
プロ・バンサイン錠15mg
ヘモナーゼ配合錠
ベストン糖衣錠(25mg)
ベラチン錠1mg
ベラパミル塩酸塩錠40mg「JG」
ベラパミル塩酸塩錠40mg「タイヨー」
ベラパミル塩酸塩錠40mg「ツルハラ」
ベンコール配合錠
ベンザリン錠2
ベンザリン錠5
ベンザリン錠10
ベンフォチアミン錠25mg「トーワ」
ペミロラストK錠5mg「TCK」
ペミロラストK錠10mg「TCK」
ペミロラストK錠5mg「マイラン」
ペミロラストK錠10mg「マイラン」
ペルサンチン錠100mg
ペルサンチン錠12.5mg
ペルサンチン錠25mg
ペントキシベリンクエン酸塩錠15mg「ツルハラ」
ホクナリン錠1mg
ホモクロルシクリジン塩酸塩錠10mg「ツルハラ」
ホルミトール錠40mg
ホーリット錠20mg
ホーリット錠40mg
ボノピオンパック
マイテラーゼ錠10mg
ミオリラーク錠50mg
ミグリステン錠20
ミルマグ錠350mg
メコバラミン錠500μg「NP」
メコバラミン錠500μg「SW」
メコバラミン錠500「トーワ」
メコバラミン錠500(ツルハラ)
メスチノン錠60mg
メダゼパム錠2(ツルハラ)
メダゼパム錠5(ツルハラ)
メチコバイド錠500μg
メチコバール錠250μg
メチコバール錠500μg
メドロール錠2mg
メドロール錠4mg
メペンゾラート臭化物錠7.5mg「ツルハラ」
メルカゾール錠5mg
ユベ-E錠100mg
ユベラ錠50mg
ヨウリダモール錠25
ヨウレチン錠「50」
ヨウレチン錠「100」
ヨーデルS糖衣錠-80
ラスプジン錠0.5mg
ラスプジン錠1mg
ラパリムス錠1mg
ラベキュアパック400
ラベキュアパック800
ラベファインパック
ラベルフィーユ21錠
ラベルフィーユ28錠
ランサップ400
ランサップ800
ランデールチオン錠100mg
ランピオンパック
リスモダンR錠150mg
リボビックス錠10mg
リボビックス錠20mg
リボビックス錠30mg
リマチル錠50mg
リマチル錠100mg
リラダン錠10mg
リンデロン錠0.5mg
リン酸ピリドキサール錠30
レスタミンコーワ錠10mg
レスミット錠2
レスミット錠5
レチコラン錠250μg
レチコラン錠500μg
レナデックス錠4mg
レナルチン腸溶錠100mg
レマルク錠100
レマルク錠50
ロコルナール錠50mg
ロコルナール錠100mg
ロシゾピロン錠25mg
ロシゾピロン錠50mg
ロシゾピロン錠100mg
ワソラン錠40mg
ワソラン錠40mg





2018年7月19日木曜日

セロトニン5HT3受容体拮抗薬が相次いで販売中止


抗がん剤による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬である以下のセロトニン5HT3受容体拮抗薬が販売中止となるようです。

・ゾフラン注/錠/ザイディス/小児用シロップ(経過措置2019年3月末)
https://drs-net.novartis.co.jp/siteassets/common/pdf/discontinued_list/an_zfr.pdf

・セロトーン錠10mg/静注液10mg(経過措置2019年3月末)
https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/notice/sr1704.pdf

・シンセロン錠 8mg(経過措置2020年3月末予定)
http://www.yakult.co.jp/ph/news/files/?type=news&id=149196894459.pdf

いずれも、諸般の事情とのことです。新しい世代の制吐薬が登場してきたことによる需要減によるところが大きいと推察されます。

それでは
販売中止となる薬剤の特徴と歴史を振り返ってみましょう。

ゾフラン

ゾフランの成分名はオンダンセトロン。グラクソ・スミスクライン社によって開発されました。
時は1970 年代、固形癌に対し極めて有効な抗癌剤シスプラチンが導入され始めた頃、シスプラチンによる強い催吐作用が副作用として問題視されていました。シスプラチンなどのプラチナ系抗がん剤投与後に生ずる悪心・嘔吐には、抗がん剤により惹起されたセロトニンが一因となり、5-HT3 受容体が関与していることが明らかとなっていました。そこで製薬メーカー各社がセロトニンの基本骨格であるインドール基を有する化合物を中心に、5-HT3 受容体に対し拮抗作用を有する化合物の合成・探索を行いました。その結果、グラクソ・スミスクライン社においてはオンダンセトロンの制吐効果確認につながりました。
日本では1994年に注射と錠剤が承認され、 小児領域における剤形選択の幅を広げるために、シロップ剤が開発され、1999 年 6 月に承認を取得。 さらに、高齢患者や嚥下障害を有する癌患者にも服用が容易になるように、舌の上で瞬時に溶解し、水なしでも服用できる口腔内速溶錠(ザイディス)が1999 年 12 月に登場しました。
水も飲むのも辛いくらい吐き気がつよく、すぐ服用できるザイディス錠はそこそこ重宝されていました。
また、小児適応を持つできる5HT3受容体拮抗薬の経口剤がゾフラン小児用シロップ剤のみであったことからグラニセトロン注射薬に小児適応が追加されるまでは活躍していたと記憶してます。

セロトーン

セロトーン錠は成分名すアザセトロン塩酸塩です。三菱ウェルファーマ株式会社(現 田辺三菱製薬株式会社)が開発した国産の5-HT3 受容体拮抗薬です。三菱はメトクロプラミドが弱いながらも 5-HT3 受容体拮抗作用を有していることに着目し、その活性の増強を目的として、metoclopramide のようなベンズアミド誘導体に比べてより安定な活性コンフォメーションをとると考えられる 2,3-dihydro- benzoxazine-8- carboxamide を基本骨格に、アミノエチル側鎖を組み入れた環状アミンを有する構造をデザインしました。そしてこの基本骨格に、環状アミンとして 1-azabicyclo[2.2.2]oct-3-yl 基を導入することにより、抗ドパミン作用を有することなく、強い 5-HT3受容体拮抗作用を示すことを見出し、アザセトロン塩酸塩が 1987 年に創製されました。
セロトニンのインドール基ではなく、メトクロプラミドのベンズアミドに着目する発想が素敵ですね。この頃の国内の製薬メーカーはとてもユニークな創薬をしていました。
その後開発が進み、1994 年 1 月にセロトーン注の、1999 年 6 月にセロトーン錠 10mg の製造承認を取得しています。
ベンズアミド系の水溶性 5-HT3受容体拮抗薬というユニークな薬なのですが、他に目立った特徴もなく、メトクロプラミドでいいんじゃね?というような感じです。

シンセロン

シンセロン錠は成分名インジセトロン塩酸塩です。1993 年より開発が開始され、2004 年 1 月に臨床試験において有用性が認められ、に日清キョーリン製薬(株)(現:杏林製薬(株))が「シンセロン®錠 8mg」として製造販売承認を取得し、同年 9 月に(株)ヤクルト本社より販売を開始しました。ヤクルトはプラチナ系抗がん剤を扱っている手前、自分のところの薬の副作用は自分でなんとかしたいという思いがあったとかなかったとか。ただ、出てくるのが遅すぎた感は否めませんでした。


抗がん薬による悪心・嘔吐に使用する5-HT3受容体拮抗薬

第1世代

  • グラニセトロン(カイトリル)
  • ラモセトロン(ナゼア)


第2世代

  • パロノセトロン(アロキシ)


有効性の面では第2世代のパロノセトロンが目立ちます。
パロノセトロンとデキサメタゾンの併用群とグラニセトロンとデキサメタゾンの併用群の制吐効果を検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験において,パロノセトロンとデキサメタゾンの併用群が有意に急性嘔吐の予防だけでなく遅発性嘔吐の予防にも有効であることが報告されています(遅発期嘔吐完全制御割合:グラニセトロン群44.5% vs. パロノセトロン群56.8%)
PMID:19135415

しかし、パロノセトロンは注射しかなく経口剤のあるグラニセトロンやラモセトロンはそれなりに使用されています。
グラニセトロンには後発品ですがゼリー剤もあり剤形のバリエーションが広いです。また、グラニセトロンには他の5-HT3受容体拮抗薬にはない放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐) の適応があり、化学放射線療法実施時には考慮したい薬剤です。また、小児がん治療における悪心・嘔吐には使用経験の豊富なグラニセトロン注射薬が頻用されています。
ラモセトロンはOD錠があるのがいいですね。

【補足】
NCCN ガイドラインではシスプラチンとAC 療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し、抗精神病薬のオランザピンが、パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果を受けて、オランザピン(10 mg 経口投与,1~4 日目)をパロノセトロンとデキサメタゾンとの3 剤併用で用いるオプションが示されています。
PMID:22024310

2018年7月11日水曜日

災害でレセコンが破損した場合の診療報酬請求はどうするの?

この度の平成30年7月豪雨災害のような大災害にあってしまい、レセコンが破損した場合、診療報酬請求はどうするのでしょうか。

災害救助法が適用されるような大きな災害の場合、早い段階で厚生労働省から災害時の診療報酬請求についての対応について通知が出されます。まずは、それを待ちましょう。

今回も被災3日後には厚労省から都道府県へ発報されています。そして県から三師会および保険者へ指示が降りていました。

平成30年7月豪雨被災に伴う保険診療関係等及び診療報酬の取扱いについて、薬局に関連する内容をまとめました。


レセコン破損の場合の概算請求

→平成 30 年6月診療等分については概算による請求を行うことができる

災害救助法適用地域におけるレセプト提出期限は7月14日

→事前に支払基金、国保に届け出

薬局が浸水し仮設建物で調剤を行う場合

→仮設建物は被災店舗との場所的近接性が求められる

保険情報記載なしの処方箋の取り扱い

→ 保険薬局において加入の保険及び(社保)事業所名、(国保)住所を確認するとともに、調剤録に記載。

医療機関記載なしの処方箋の取り扱い

→処方せんの交付を受けた場所を患者に確認。
避難所などで発行されたものは保険調剤として取り扱えない。

処方箋なしの調剤の求めがあった場合

→ 事後的に処方せんが発行されることが大前提。さらに客観的に診療が無理であることと主治医意と連絡が取れていることが条件

避難所・救護所で発行された処方箋による調剤

→ 当該調剤に係る報酬は救護所の設置主体である県市町に請求すること。

避難所への訪問薬剤管理指導

→ 医師の指示に基づき実施した場合は算定できる。ただし、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対しては算定できない。

在庫逼迫による分割調剤について

→ 処方医へ迅速に疑義照会を行うことが難しい場合には、 保険薬局の判断で分割調剤を行い、事後に報告することは差し支えない。


以下、通知文全文です。
平成30年台風7号及び前線等に伴う大雨による被災に伴う保険診療関係等及び 診療報酬の取扱いについて(平成30年7月9日厚生労働省保険局医療課事務連絡)


1.診療報酬の請求等の取扱いについて

(1)平成 30 年6月診療分に係る診療報酬等の請求について
平成 30 年6月診療分に係る診療報酬等の請求については、今回の平成 30年台風7号等大雨による被災により診療録等を滅失若しくは棄損等した場合の対応として、下記①又は②の場合において下記により概算請求を行うことができるものとすること。
① 診療録等の滅失等の場合の概算による請求
今回の大雨により診療録及びレセプトコンピュータ等を滅失、浸水、汚損又は棄損した保険医療機関、保険薬局又は訪問看護ステーション(以下「保険医療機関等」という。)については、平成 30 年6月診療等分については概算による請求を行うことができるものであること。なお、この場合にあって、同年7月診療等以降分の請求方法については追って連絡する予定であること。
② 通常の手続による請求を行う方法

上記①よる場合以外については、下記(2)により、診療報酬等の請求を行うものとすること。

(2) 概算請求を行う場合の取扱いについて
① 概算による請求を選択する保険医療機関等については、やむを得ない事情がある場合を除き、平成 30 年7月 14 日までに概算による請求を選択する旨、各審査支払機関(国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)及び社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に届け出ること。
② 診療報酬等の算出方法
原則として平成 30 年4月診療等分から平成 30 年5月診療等分までの診療報酬等支払実績により(当該保険医療機関等について特別な事情がある場合には、別途保険医療機関等と調整をする。)、下記アからイにより算出し、それを合計して支払を行うこととなるため、各保険医療機関等においては、別紙の様式により、当該保険医療機関等の平成 30 年6月の入院、外来別の診療実日数(※1)を合わせて届け出るものとすること。なお、保険薬局及び訪問看護ステーションについては、外来分として取り扱うものとする。



③ 上記(1)①に該当する保険医療機関等であって、上記(1)②に規定する地域以外の区域に所在するものについては、罹災証明書又は罹災届出証明書を併せて各審査支払機関に提出すること。
④ この方法の対象となる請求の範囲については、公費負担医療に係るものについても含まれること。
⑤ この方法による請求を選択した保険医療機関等については、この方法による概算額をもって平成 30 年6月診療分の診療報酬等支払額を確定するものであること。

(3) 通常の方法による請求を行う場合の取扱いについて
請求書の提出期限について
平成 30 年6月診療分(7月提出分)に係る診療報酬請求書等の提出期限については、災害救助法の適用地域に所在する保険医療機関等に限り、平成 30 年7月 14 日とすること。
また、提出期限に遅れたものについては、翌月以降に提出するものとすること。

(参考)一部負担金等とは、一部負担金、訪問看護療養費に係る自己負担額などをいう。

2.保険医療機関等の建物が浸水等した場合の取扱い

保険医療機関である医療機関又は保険薬局である薬局の建物が浸水等し、これに代替する仮設の建物等(以下「仮設医療機関等」という。)において診療又は調剤等を行う場合、当該仮設医療機関等と浸水等した保険医療機関等との間に、場所的近接性及び診療体制等から保険医療機関等としての継続性が認められる場合については、当該診療等を保険診療又は保険調剤として取り扱って差し支えないこと。

3.保険調剤の取扱い

(1)被災地の保険薬局において、次に掲げる処方せん(通常の処方せん様式によらない、医師の指示を記した文書等を含む)を受け付けた場合においては、それぞれに掲げる事項を確認した上で、保険調剤として取り扱って差し支えないこと。
① 保険者番号、被保険者証・被保険者手帳の記号・番号の記載がない場合
被災により、被保険者証、健康手帳等を保険医療機関に提示できなかった場合であること。この場合、保険薬局において、加入の保険及び被用者保険の被保険者等にあっては事業所名、国民健康保険の被保険者及び後期高齢者医療制度の被保険者にあっては住所を確認するとともに、調剤録に記載しておくこと。
② 保険医療機関の記載がない場合
処方せんの交付を受けた場所を患者に確認すること。なお、処方せんの交付を受けた場所が、救護所、避難所救護センターその他保険医療機関以外の場所であることが明らかな場合は、保険調剤として取り扱えないものであること。((3)参照)

(2)患者が処方せんを持参せずに調剤を求めてきた場合については、事後的に処方せんが発行されることを条件として、以下の要件のいずれにも該当す
る場合には、保険調剤として取り扱って差し支えない。
ア 交通の遮断、近隣の医療機関の診療状況等客観的にやむをえない理由により、医師の診療を受けることができないものと認められること。
イ 主治医(主治医と連絡が取れない場合には他の医師)との電話やメモ等により医師からの処方内容が確認できること。また、医療機関との連絡が取れないときには、服薬中の薬剤を滅失等した被災者であって、処方内容が安定した慢性疾患に係るものであることが、薬歴、お薬手帳、包装等により明らかな場合には、認めることとするが、事後的に医師に処方内容を確認するものとすること。

(3)災害救助法に基づく医療の一環として、救護所、避難所救護センター等で処方せんの交付を受けたと認められる場合には、当該調剤に係る報酬は救護所の設置主体である県市町に請求するものであること。ただし、災害救助法が適用されている期間内において処方せんが交付され、調剤されたものであること。

4.定数超過入院について

(1)「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法について」(平成 18 年3月 23 日保医発第 0323003号)の第1の3において、保険医療機関が、医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合の取扱いに係り、「災害等やむを得ない事情」の場合は、当該入院した月に限り減額の対象としないとされているところである。
今般、被災地における保険医療機関の状況等を踏まえ、平成 30 年台風第 7号等大雨による被災者を受け入れたことにより超過入院となった保険医療機関にあっては、この規定にかかわらず、当面の間、同通知第1の2の減額措置は適用しないものとすること。

(2)(1)の場合においては、「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」(平成 30 年厚生労働省告示第 68 号)の第4項第一号に掲げる DPC 対象の保険医療機関が医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合の取扱いによらず、当面の間、従前の通り診断群分類点数表に基づく算定を行うものとすること。

5.施設基準の取扱いについて

(1)今般の平成 30 年台風第 7 号等大雨に伴い、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等し入院基本料の施設基準を満たすことができなくなる保険医療機関及び被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足し入院基本料の施設基準を満たすことができなくなる保険医療機関については、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成 30 年3月5日保医発 0305 第2号。以下「基本診療料の施設基準等通知」という。)の第3の1(1)の規定にかかわらず、当面、月平均夜勤時間数については、1割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出を行わなくてもよいものとすること。

(2)また、平成 30 年台風第 7 号等大雨に伴い、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等した保険医療機関及び被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足した保険医療機関については、基本診療料の施設基準等通知の第3の1(3)及び(4)の規定にかかわらず、1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者(以下「看護要員」という。)の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率については、当面、1割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出を行わなくてもよいものとすること。

(3)上記と同様の場合、DPC対象病院について、「DPC制度への参加等の手続きについて」(平成 30 年3月 26 日保医発 0326 第7号)の第1の4(2)②に規定する「DPC対象病院への参加基準を満たさなくなった場合」としての届出を行わなくてもよいものとすること。

(4) (1)から(3)の届出を行わなくてもよいこととされた保険医療機関においては、被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等し
たこと又は被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足したことを記録し、保管しておくこと。

(5) 被災地域以外の保険医療機関についても、(1)から(4)までを適用するものとすること。

6.訪問看護の取扱いについて

(1)訪問看護基本療養費(以下「基本療養費」という。)については、「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成 30 年3月5日保発 0305 第3号。以下「訪問看護療養費の算定方法の留意事項通知」という。)において、訪問看護指示書(以下「指示書」という。)に記載された有効期間内(6 か月を限度とする。)に行った指定訪問看護(以下「訪問看護」という。)について算定する取扱いとされているところであるが、次の①から③のいずれにも該当する場合には、当該有効期間を超えた場合であっても基本療養費を算定できるものとする。
① 平成 30 年7月5日以前に主治医の指示書の交付を受けている利用者であること。
② 医療機関等が平成 30 年台風7号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在する場合であって、被災のため主治医と連絡がとれず、平成 30年7月6日以降指示書の交付を受けることが困難なこと。
③ 訪問看護ステーションの看護師等が利用者の状態からみて訪問看護が必要と判断し訪問看護を実施したこと。なお、患者が主治医と連絡が取れる目途がない場合には、速やかに新たな主治医のもとで適切な治療を続けられるような環境整備を行うよう配慮すること。

(2)訪問看護管理療養費(以下「管理療養費」という。)については、訪問看護療養費の算定方法の留意事項通知において利用者に係る訪問看護計画書及び訪問看護報告書(以下「計画書等」という。)を主治医に提出するなど計画的な管理を継続して行った場合に算定する取扱いとされているところであるが、保険医療機関等が平成 30 年台風 7 号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在する場合であって、被災のため主治医と連絡がとれず、やむを得ず計画書等を主治医に提出することができない場合であっても、管理療養費の算定ができるものとすること。

(3)健康保険法上、居宅において訪問看護を行った場合に、訪問看護療養費を算定する取扱いとされているところ。被保険者が平成 30 年台風 7 号等大雨に係る災害救助法の適用市町村に所在していた場合であって、被災のため避難所や避難先の家庭等で生活している場合においても、訪問看護を行った場合にはこれを算定出来るものとすること。

(4)訪問看護ステーションは、前記(1)から(3)により訪問看護を実施した場合は、その旨を訪問看護記録書に記録しておくこと。

(5)なお、介護保険法に基づく訪問看護についても、上記と同等の取扱いとすること。

7.診療報酬の取扱いについて

Ⅰ.被災地(災害救助法の適用対象市町村をいう。以下同じ。)
問1 
日本赤十字社の救護班、DMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT(日本医師会による災害医療チーム)などボランティアにより避難所や救護所等で行われている診療について、保険診療として取り扱うことは可能か。また、それら診療について一部負担金を患者から徴取することは可能か。

(答)
 都道府県知事の要請に基づき、日本赤十字社の救護班やDMAT、JMATなど、ボランティアが避難所等で行った医療に係る経費については、
① 薬剤、治療材料等の実費
② 救助のための輸送費や日当・旅費等の実費
などを災害救助法の補助対象としており、これを保険診療として取り扱うことはできない。したがって保険診療としての一部負担金を患者に求めることはできない。

問2 
被災地の保険医療機関の医師等が、各避難所等を自発的に巡回し、診療を行った場合、保険診療として取り扱うのか。
(答)
 保険診療として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問3 
被災地の保険医療機関の医師等が各避難所等を自発的に巡回し診療を行っている際に、訪れた避難所等において偶然、普段外来にて診療している患者の診察、処方等を行った場合は、保険診療として取り扱うのか。
(答)
 保険診療として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問4 
避難所や救護所等において診察を受けて発行された処方せんによる調剤は、どのような取扱いになるか。
(答)
保険調剤として取り扱うことはできない。
(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問5 保険診療による処方せんとはどのように区別したらよいか。
(答)
災害により避難所や救護所等において発行された処方せんについては、当該処方せんに「 災 」と記されている場合もあるが、災害救助法の適用が明らかな場合は保険診療としては取り扱われないので、処方せんの交付を受けた場所を患者に確認するなど留意されたい。

問6 被災地の保険医療機関の医師等が、避難所に居住する疾病、傷病のために通院による療養が困難な患者に対して、当該患者が避難所にある程度継続して居住している場合に、定期的な診療が必要と判断され、患者の同意を得て継続的に避難所を訪問して診察を行った場合に、訪問診療料(歯科診療にあっては、歯科訪問診療料)は算定できるか。
(答)
算定できる。
なお、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対して訪問診療料(歯科訪問診療料)は算定できない。

問7 
問6において、同じ避難所等に居住する複数人に同一日に訪問診療を行う場合、「同一建物居住者」の取扱いとするか、「同一建物居住者以外」の取扱いとするか。同様に同じ避難所等に居住する複数人に同一日に同じ訪問看護ステーションから訪問看護を行う場合はどうか。
(答)
いずれも、同一建物居住者の取扱いとする。
なお、医科の場合にあっては、避難所等において、同一世帯の複数の患者に診察をした場合は、「同一建物居住者」の取扱いではなく、1人目は「同一建物居住者以外の場合」を算定し、2人目以降の患者については、初診料又は再診料若しくは外来診療料及び特掲診療料のみを算定すること。また、歯科の場合にあっては、同一日に診療を行う人数により、歯科訪問診療1(1 人のみの場合)、歯科訪問診療2(2 人以上 9 人以下の場合)又は歯科訪問診療3(10 人以上の場合)のいずれかにより算定する。

問8 
在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料は「単一建物居住患者の人数」により区分がなされているが、被災前から、当該管理料(平成28 年3月以前の特定施設入居時等医学総合管理料を含む)の対象となる医学管理を行っている患者が避難所に避難し、当該患者に当該医学管理を継続して行う場合、当該管理料をどのように算定することができるか。
(答)
当面、避難所においても、被災前の居住場所に応じた区分に従って、当該管理料を算定することができる。但し、避難場所が分散し、被災前の居住場所と比べ、「単一建物居住患者の人数」が減少した場合には、減少後の人数に基づいて算定できる。

問9 
避難所等に居住する患者であって、定期的に外来における診療を受けている者からの求めに応じて、当該外来による診療を行っている被災地の保険医療機関の医師等が避難所等に往診を行った場合、往診料は算定できるか。
(答)
患者が避難所等にある程度継続して居住している場合には、避難所に居住している患者であって、定期的に外来による診療を受けている者からの求めがあり、当該外来による診療を行っている被災地の保険医療機関の医師等が避難所等に赴き診療を行った場合には、往診料を算定できる。ただし、2人目以降については、往診料は算定できず、再診料の算定となる。(通常の往診料と同じ取扱い)

問10 
被災地の保険医療機関が、災害等やむを得ない事情により、医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合などは、どの入院基本料、特定入院料を算定するのか。
(答)
 当面の間、以下の取扱いとする。
<原則>
実際に入院した病棟(病室)の入院基本料・特定入院料を算定する。
<会議室等病棟以外に入院の場合>
速やかに入院すべき病棟へ入院させることを原則とするが、必要とされる診療が行われている場合に限り、当該医療機関が届出を行っている入院基本料のうち、当該患者が入院すべき病棟の入院基本料を算定する。この場合、当該患者の状態に応じてどのような診療や看護が行われているか確認できるよう、具体的に診療録、看護記録等に記録する。なお、単なる避難所としての利用の場合は算定できない(災害救助法の適用となる医療については、県市町に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

<医療法上、本来入院できない病棟に入院(精神病棟に精神疾患ではない患者が入院した場合など)又は診療報酬上の施設基準の要件を満たさない患者が入院(回復期リハビリテーション病棟に施設基準の要件を満たさない患者が入院した場合など)した場合>
入院基本料を算定する病棟の場合
入院した病棟の入院基本料を算定する(精神病棟に入院の場合は精神病棟入院基本料を算定。)
ただし、結核病棟については、結核病棟入院基本料の注3の規定に係らず、入院基本料を算定する。
特定入院料を算定する病棟の場合
医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置により、算定する入院基本料を判断すること(一般病床の回復期リハビリテーション病棟に入院の場合は 13 対1又は 15 対1の看護配置を求めていることから、地域一般入院基本料を算定。)

問11 
被災地の保険医療機関において、被災地の他の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該他の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に、平均在院日数はどのように算定するのか。また、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を超えた場合、特別入院基本料を算定するのか。
(答)
医療法上の許可病床数を超過して入院させた場合を含め、当該他の医療機関から転院させた患者を含めて平均在院日数を算定する。ただし、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を超えた場合であっても、当面の間、従前の入院基本料を算定できるものとし、特別入院基本料の算定は行わないものとする。

問12 
被災地の保険医療機関において災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合に、特定入院料等に規定する施設基準の要件についてどのように考えればよいか。
(答)
 被災地の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合には、当面の間、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすか否か判断する。

問13 
被災地の保険医療機関において、被災地の他の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該他の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に入院の日はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、他の保険医療機関が当該保険医療機関と特別の関係にあるか否かにかかわらず、当該保険医療機関に入院した日を入院の日とする。

問14 
被災地の保険医療機関において、通常外来診察を行っている患者に訪問診療を行った場合に、訪問診療料(歯科診療にあっては、歯科訪問診療料)は算定できるか。
(答)
居宅で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による療養が困難なものに対しては訪問診療料(歯科訪問診療料)を算定できるが、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断されるものに対しては、訪問診療料(歯科訪問診療料)の算定はできない。(通常の訪問診療料等の規定のとおり)

問15 
問6、7及び14に関し、保険薬剤師が避難所又は居宅を訪問し、薬学的管理及び指導を行った場合、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できるか。
(答)
医師の指示に基づき実施した場合は算定できる。ただし、疾病、傷病から通院による療養が可能と判断される患者に対しては算定できない。
なお、同じ避難所等に居住する複数人に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う場合は、「単一建物診療患者」の人数に応じた在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定するが、同一世帯の複数の患者が避難所等に同居している場合には、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する。

問16 
被災地以外の都道府県で登録した保険医が、被災地の保険医療機関で診療を行った場合、保険請求可能か。
(答)
被災地以外の都道府県で登録した保険医が被災地の保険医療機関で行った場合には、被災地において、当該保険医が保険診療に従事する被災地の保険医療機関から診療報酬の請求が行われることになる。

問17 
被災地の保険薬局において、現地での医薬品の供給不足により、調剤に必要な医薬品の在庫が逼迫している場合等やむを得ない場合には、分割調剤により対応することは可能か。この場合、保険薬局の判断で分割調剤を行うことは可能か。
(答)
被災地での医薬品の流通状況等に応じて、分割指示のない処方せんであっても、処方医へ迅速に疑義照会を行うことが難しい場合には、保険薬局の判断で分割調剤を行い、事後に報告することは差し支えない。

問18 
被災地の保険医療機関において透析設備が、今般の大雨により使用不可能となっている場合に、大雨以前から当該保険医療機関に入院し当該保険医療機関において透析を行っている患者が、真にやむを得ない事情により、透析を目的として他医療機関を受診した場合に、入院基本料、特定入院料はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院を受け入れた場合であって、真にやむを得ない事情があった場合に限り、透析を目的として他医療機関受診を行った日については、入院基本料及び特定入院料の控除は行わないこととする。

問19
新たに有床義歯を製作する場合について、区分番号 M018 に掲げる有床義歯の留意事項通知(13)の「ニ その他特別な場合」に、今般の平成 30年台風7号等大雨による被災に伴い有床義歯を滅失又は破損した場合も該当するのか。
(答)
該当する。なお、この場合において、有床義歯を再製作するに当たっては、診療録及び診療報酬明細書「摘要」欄に平成30年台風7号等大雨による被災に伴う6カ月未満の有床義歯の再製作である旨を記載すること。

問20 
平成 30 年台風7号等大雨に伴い、被災地の保険医療機関において、「DPC導入の影響評価に係る調査」への適切な参加及び「データ提出加算」に係るデータ提出が困難な場合には、どのように対応すればよいか。
(答)
4~6月診療分のDPC事務局へのデータの提出期限は 7 月22日であるが、被災地の保険医療機関等において当該期限までにデータの提出が困難な場合は、7月20日までにDPC調査事務局まで連絡されたい。

問21 
被災地の保険医療機関が、災害等やむを得ない事情により患者を入院させたことにより、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合について、入院料に規定する施設基準の規定についてどのように考えればよいか。
(答)
被災前にこれらの施設基準を満たしていた保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により患者を入院させたことにより、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度(特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料を除く)、在宅復帰率、医療区分2又は3の患者割合を満たさなくなった場合については、当面の間、直ちに施設基準の変更の届出を行う必要はない。なお、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料の治療室に、やむを得ず本来当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する。

問22 
入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出を行っている被災地の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、入院時食事療養又は入院時生活療養の食事の療養たる提供を適時に、かつ適温で行うことが困難となった場合に、入院時食事療養費等はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、従前の入院時食事療養費又は入院時生活療養費を算定できるものとする。ただし、適時かつ適温による食事の提供が困難な場合であっても、できる限り適時かつ適温による食事の提供に努めること。

Ⅱ.被災地以外
問23 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から、医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合などに、どの入院基本料、特定入院料を算定するのか。
(答)
 当面の間、以下の取扱いとする。
<原則>
実際に入院した病棟(病室)の入院基本料・特定入院料を算定する。
<医療法上、本来入院できない病棟に入院(精神病棟に精神疾患ではない患者が入院した場合など)又は診療報酬上の施設基準の要件を満たさない患者が入院(回復期リハビリテーション病棟に施設基準の要件を満たさない患者が入院した場合など)した場合>
入院基本料を算定する病棟の場合
入院した病棟の入院基本料を算定する(精神病棟に入院の場合は精神病棟入院基本料を算定。)。
ただし、結核病棟については、結核病棟入院基本料の注3の規定に係らず、入院基本料を算定する。
特定入院料を算定する病棟の場合
医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置により、算定する入院基本料を判断すること(一般病床の回復期リハビリテーション病棟に入院の場合は 13 対1又は 15 対1の看護配置を求めていることから、地域一般入院基本料を算定。)

問24 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合に、平均在院日数はどのように算定するのか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から被災の日以降に医療法上の許可病床数を超過するなどして転院の受け入れを行った場合、当面の間、当該患者を除いて平均在院日数を算定する。

問25 
被災地以外の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合に、特定入院料等に規定する施設基準の要件についてどのように考えればよいか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、災害等やむを得ない事情により、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が
入院(例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合など)した場合には、当面の間、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすか否か判断する。

問26 被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合に入院の日はどのように取り扱うのか。
(答)
当面の間、被災地の保険医療機関が当該被災地以外の保険医療機関と特別の関係にあるか否かにかかわらず、当該被災地以外の保険医療機関に入院した日を入院の日とする。

問27 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の介護施設、避難所等から入所者等の受入を行った場合、入院基本料、特定入院料等は算定できるか。
(答)
医学的判断に基づき入院が必要と判断された場合には算定できる。なお、単なる避難所としての利用の場合は算定できない(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求する。なお、当該費用の請求方法については、県市町村に確認されたい。)

問28 
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院の受け入れを行った場合に、当該受け入れを行った被災地以外の保険医療機関の透析設備の不足等真にやむを得ない事情により、当該患者が透析を目的として他医療機関を受診した場合に、入院基本料、特定入院料はどのように取り扱うのか。
(答)
患者に必要な医療を提供可能な保険医療機関に転院することを原則とする。ただし、被災地の保険医療機関に大雨前から継続して入院している慢性透析患者の転院を受け入れた場合であって、真にやむを得ない事情があった場合に限り、当面の間、透析を目的として他医療機関受診を行った日については、入院基本料及び特定入院料の控除は行わないこととする。

問29 被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行ったことにより、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合について、どう考えればよいか。
(答)
被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合にあっては、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2又は3の患者割合について、当面の間、被災地から受け入れた転院患者を除いて算出することができる。ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料の治療室に、被災地の保険医療機関から転院の受け入れにより、やむを得ず当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する。


2018年7月9日月曜日

災害時に医療関係者がチェックしたい分野別災害対応マニュアルをまとめてみました

関係各所より作成・発信されている災害マニュアル等、大切な事項が掲載された資料を紹介します。医療関係者、一般の方々問わず多くの方にこれらのことを知っていただき,ご支援いただくようお願いします。

平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等及び対応について(厚生労働省)

「平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等及び対応」に関する情報を掲載しています。

「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~(震災がつなぐ全国ネットワーク )



【公衆衛生】

「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」について(厚生労働省)

近隣の施設が避難所になっている薬剤師や担当校が避難所になっている学校薬剤師は必読。

感染症(インフルエンザ、ノロウイルス)の予防について(厚生労働省)


熱中症予防のために(厚生労働省)


災害時のお口(くち)のお手入れについて(厚生労働省)


エコノミークラス症候群の予防のために(厚生労働省)


食中毒予防のために(厚生労働省)


災害時の健康・栄養について(国立健康・栄養研究所)

被災者がご自身の健康を守るためのポイントをまとめたリーフレットがあります

災害時の口腔ケア(日本口腔ケア学会)


大規模自然災害の被災地における感染制御マネージメントの手引き(日本環境感染学会)


避難所向けの感染予防のための8ヶ条(東北感染症危機管理ネットワーク)

避難所における風邪やインフルエンザ、嘔吐下痢症などの感染症の予防のためのポイントをまとめました

がれき撤去における感染予防のポイント, -傷の化膿や破傷風について-(東北感染症危機管理ネットワーク)

被災地域で壊された建物を撤去したり,下水などがあふれていた場所で, 汚泥の撤去作業を行う場合は、丈夫な手袋、長靴、安全靴などを身につけて素肌を露出しない服装(長袖、長ズボン)で行いましょう。

避難所におけるトイレ清掃のポイント(東北感染症危機管理ネットワーク)

避難所の衛生管理において重要なトイレ清掃のポイントを作成しました。

【アレルギー】

災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット&ポスター(日本小児アレルギー学会)

災害時には避難所などで手元において、このパンフレットをご活用いただければ幸いです。

【がん】

がん患者さんのための災害に関する情報 > 大規模災害に対する備え(がん情報サービス)

がん治療・在宅医療・緩和ケアを受けている患者さんとご家族へ-普段からできることと災害時の対応-

【糖尿病】

災害時ハンドブック―災害を無事に乗り切るために―(日本糖尿病協会)

糖尿病患者さんが被災したときに役立つ情報や知識をまとめました。

インスリンが必要な糖尿病患者さんのための災害時サポートマニュアル(日本糖尿病協会)

インスリンが必要な糖尿病患者さんが、災害からの2週間程度を乗り越えるための必要最低限のポイントをまとめたものです。

糖尿病予防及び管理のための栄養と運動(日本糖尿病協会)

簡便な栄養管理と運動管理を利用し、限られた状況下での糖尿病予防および管理に努めましょう。

避難生活Q&A(日本糖尿病協会)

被災地における糖尿病治療薬について気をつけることなど

被災地での栄養管理(日本糖尿病協会)

災害避難中および避難解除後の栄養管理について紹介

被災地での運動(日本糖尿病協会)

血糖コントロールを保つためには、少しでも運動をすることがとても大切

インスリン製剤一覧(日本糖尿病協会)

インスリン製剤を写真付で紹介した一覧表です。ご自分が使用している製剤の名前がわからない時などに役立ちます。

災害時の糖尿病看護マニュアル(日本糖尿病教育・看護学会)

糖尿病患者への災害時支援のポイントや糖尿病治療薬の指導等を紹介

【循環器】

被災地の高血圧患者さん向けQ&Aについて(日本高血圧学会)

被災地の高血圧患者さんからの多いご質問にお答えします。

災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン(日本高血圧学会)


「被災者に対する心臓病予防啓発ポスター」(日本心臓病学会、日本循環器学会)

「被災地の皆さま」「エコノミークラス症候群に注意してください」「ストレスによるたこつぼ心筋症に注意してください」


【眼科】

避難所での緑内障の患者様へ(日本眼科学会)


医療用点眼剤写真一覧(2018年度改訂版)

この点眼剤写真一覧は、東日本大震災の被災地診療に役立てられた、日本緑内障学会作成の『あなたの目薬はこの中にありますか?』を参考に作成されたものです。一般的に患者さんご自身が使用する点眼剤が掲載されています。

視覚障害をお持ちの方に関する災害対策情報(日本ロービジョン学会)

3種類のリーフレットをダウンロードできます。「災害が起きたときのこと、考えていますか?」「被災してしまったら」「避難所内の見えない・見えにくい人 ご支援ください」


【高齢者】

一般救護者用 災害時高齢者医療マニュアル(日本老年医学会)


高齢者災害時医療ガイドライン」第2版(日本老年医学会)


被災した認知症の人と家族の支援マニュアル<介護用>(日本認知症学会)


被災した認知症の人と家族の支援マニュアル<医療用>(日本認知症学会)


【妊婦・授乳婦】

妊産婦を守る情報共有マニュアル@避難所(一般・避難所運営者向け)(厚生労働省)


災害時妊産婦情報共有マニュアル(保健/医療関係者向け)(厚生労働省)


災害時に赤ちゃんを育てているお母さんに届けたい情報(日本ラクテーション・コンサルタント協会)


災害時の母乳育児相談-よく聞かれる質問(日本ラクテーション・コンサルタント協会) 


地震や水害にあった母乳育児中のお母さんへ(日本ラクテーション・コンサルタント協会) 



【小児】

乳幼児の事故防止と災害対策(東京都福祉保健局)


災害時の乳幼児栄養に関する指針(日本周産期・新生児医学会)


災害時の乳児栄養 特に粉ミルク配布時の注意点について(日本周産期・新生児医学会)


被災地の避難所で生活をする赤ちゃんのためのQ&A医療スタッフ向け


被災地の避難所で生活をする赤ちゃんのためのQ&A


こどもの救急(日本小児科学会)

夜間や休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断の目安を提供しています。

子どもの心の対応マニュアル(日本小児科学会、日本小児精神医学研究会、日本小児心身医学会)


被災した子どもさんの保護者の方へ、赤ちゃんがいらっしゃる方・赤ちゃんを預かる保育士の方へ、学校の先生へ、被災した子どもさんのご近所の方へ(日本小児精神医学研究会)


乳幼児をもつ家族をささえるために(神戸大学)


【ストーマ装着者】

ストーマ装具の無償提供について(ストーマ用品セーフティーネット連絡会)

被災されたストーマ保有者には「緊急時のストーマ用品供給」として災害発生から約1か月間においてストーマ装具が無料提供されます。

災害対策リーフレット


2018年7月3日火曜日

ポリトーゼカプセル・顆粒 販売中止と代替品



消化酵素製剤のポリトーゼカプセルとポリトーゼ顆粒が販売中止となるようです。

https://www.takedamed.com/content/medicine/newsdoc/180702politose.pdf

販売中止理由は「諸般の事情」のようです。

<経過措置期間>
2018 年 11 月~2019 年 3 月(予定)


ポリトーゼは武田薬品が独自に開発した耐酸性蛋白分解酵素ヒロダーゼを含む、でんぷん・脂肪・蛋白質の各種消化酵素を配合した総合消化酵素剤です。1967年に発売し、改良を重ね現配合処方製剤が誕生したのは1974年のことです。
暴飲暴食をしたり、にんにく、唐辛子など刺激の強い食品や脂肪の多い食品の食べすぎ、適量を超えたアルコールや炭酸飲料などによって、胃酸の分泌が乱れ、消化酵素を分泌するすい臓の働きも低下し、消化不良が起きたときなどに処方され、45年近く日本人の胃を守ってくれていました。

ポリトーゼは耐酸性消化酵素を配合した胃溶性顆粒と、膵臓消化酵素である濃厚パンクレアチンを腸溶性皮膜でコーティングした腸溶性顆粒に分けられています。胃溶性顆粒は胃内で作用し、腸溶性顆粒は胃内で分解されることなく腸内で作用するので、胃から腸までの消化管の広い領域で消化作用をあらわします。


ポリトーゼの代替品


消化酵素製剤の一覧表


ポリトーゼと同一成分の配合剤はありません。
消化酵素製剤であればどれを変わりに選んだとしても大差はないように考えられます。
あえて違いをいうなれば、繊維素を分解する酵素をポリトーゼは20mgと比較的多く配合しているので、その点に着目してみましょう。
そうすると、繊維素分解酵素を多く含む「フェンラーゼ」「ベリチーム」「タフマック」が代替候補に挙げられます。

ちなみに
第2回NDBオープンデータ(平成27年4月~平成28年3月診療分)によると、外来でよく処方されている健胃消化剤のトップ20は以下のとおりです。
生薬配合剤も含まれていますが「ベリチーム」がよく使われているようです。

ベリチーム配合顆粒
エクセラーゼ配合カプセル
タフマックE配合カプセル
リパクレオンカプセル150mg
エクセラーゼ配合錠
S・M配合散
つくしA・M配合散
リパクレオン顆粒300mg分包
マックターゼ配合錠
ピーマーゲン配合散
アリーゼS配合錠
エクセラーゼ配合顆粒
FK配合散
タフマックE配合顆粒
フェンラーゼ配合カプセル
KM散
M・M配合散
オーネスSP配合カプセル
ポリトーゼカプセル
オーネスST配合錠




ランサップ 400・800、ランピオンパック販売中止と代替品


ヘリコバクター・ピロリ除菌薬の
「ランサップ 400・800」「ランピオンパック」が販売中止となるようです。

https://www.takedamed.com/content/medicine/newsdoc/180702LANLPN.pdf

<経過措置期間>
2018 年 11 月~2019 年 3 月(予定)

販売中止理由は「諸般の事情」とされています。


ヘリコバクター・ピロリ除菌治療には、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの2つの抗菌薬と胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプインヒビター(PPI)の3つの薬剤が用いられます。また、一次除菌療法による除菌治療が不成功の場合には二次除菌療法として、PPIとアモキシシリン水和物及びメトロニダゾールという組み合わせの3剤併用療法が行われます。

3種類の薬剤を併用するにあたりどうしても飲み忘れや、服薬が面倒になったりしてきます。それでは、除菌がうまくいかず、そればかりか耐性菌の出現等の問題につながるおそれがあります。そこで服薬利便性の向上を目指し、ヘリコバクター・ピロリ感染症に対する除菌療法がより正確に実施されるよう、1 日服用分の薬剤を 1 シートにまとめた組み合わせ製剤であるランサップやランピオンが登場しました。ランサップが2002年、ランピオンが2010年のことです。

ランサップの形状
ランサップはタケプロンカプセル 30 の 1 カプセル、アモリンカプセル 250 の 3 カプセル及びクラリス錠 200 の 1 錠又は 2 錠を組み合わせたものを 1 組とし、1 日服用分(1 日 2 回、朝、夕服用)の薬剤を 1 シートにまとめています。

ランピオンパックの形状
ランピオンパックはタケプロンカプセル 30の 1カプセル、アモリンカプセル 250の 3カプセル及びフラジール内服錠250mgの1錠を組み合わせたものを1組とし、1日服用分(1日2回、朝、夕服用)の薬剤を1シートにまとめています。



ランサップ、ランピオンの代替品


それぞれ、ボノサップとボノピオンが代替品として勧められます。
ランサップやランピオンにまとめられている胃酸の分泌を抑える薬剤であるタケプロンがタケキャブになったものがボノサップとボノピオンです。
タケキャブの酸分泌抑制効果はタケプロンより強力で、除菌効果も大きく凌駕する結果が出ています。

また、
タケプロンがパリエット(ラベプラゾールナトリウム錠)になったラベキュアやラベファインも代替候補です。
第2回NDBオープンデータ(平成27年4月~平成28年3月診療分)によると、ラベキュア400が外来院外処方で一番処方されているピロリ菌パック製剤です。

関連:
ボノサップパック400と800のちがいとランサップ
http://www.ygken.com/2016/06/400800.html


ピロリ菌やばい
Posted with Amakuri at 2018.7.3
堀江貴文
ゴマブックス株式会社

2018年6月27日水曜日

スピロペント顆粒0.002%経過措置は2019年3月31日まで


スピロペント顆粒0.002%の経過措置期限は2019年 3月31日です。
https://medical.teijin-pharma.co.jp/news/2018/fcn28e000000c2np-att/fcn28e000000c2px.pdf

2019年 4月1日以降は薬価削除され、保険請求できなくなります。

スピロペントはβ2受容体への選択性・持続性に優れたβ刺激剤で、気管支喘息や腹圧性尿失禁の治療に使用されます。
剤形には錠剤と顆粒剤があり、販売終了するのは顆粒剤のみです。

小児喘息治療に用量が調節しやすいように顆粒剤が開発されました。
小児喘息にテオドールと一緒に処方されていた印象があります。

しかし喘息治療が吸入剤による治療がメインになってきており、スピロペント顆粒の登場機会も減ってきました。最近では喘息の薬というよりは腹圧性尿失禁治療薬のイメージのほうが強いです。
処方されるのが成人がほとんどなので、顆粒剤の需要はなくなってきたのかもしれません。


スピロペント顆粒の代替品


代替品はスピロペント錠10µgです。

スピロペント錠10µgは粉砕が可能です。
(27℃80%RH遮光下開栓ガラス瓶にて12ヶ月安定データあり)
簡易懸濁もできます(8Fr通過)。

β2刺激薬の顆粒やシロップ剤には以下があります。

  • ベネトリン シロップ
  • ブリカニールシロップ
  • メプチンシロップ
  • メプチンドライシロップ
  • ホクナリンドライシロップ小児用
  • ベロテックシロップ


2018年6月26日火曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング2018年6月


2018年6月15日に後発品の薬価収載がありました。

各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。

「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、商品によって違ってきます。
(基本的には発売月の翌月1日から)

切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省の
「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.html



2018年7月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


ラミクタール錠小児用2mg
ラミクタール錠小児用5mg
ラミクタール錠25mg
ラミクタール錠100mg
レミッチOD錠2.5μg
レミッチカプセル2.5μg
ノピコールカプセル2.5μg
エイゾプト懸濁性点眼液1%
トラバタンズ点眼液0.004%
コソプト配合点眼液
タンボコール錠50mg
タンボコール錠100mg
アンカロン注150
アイミクス配合錠LD
アイミクス配合錠HD
ホスレノール顆粒分包250mg
ホスレノール顆粒分包500mg
ボノテオ錠1mg
リカルボン錠1mg
ボノテオ錠50mg
リカルボン錠50mg
クラビット点滴静注500mg/20mL
クラビット点滴静注バッグ500mg/100mL
イトリゾール内用液1%
プロハンス静注5mL
プロハンス静注15mL
プロハンス静注20mL
プロハンス静注10mL
プロハンス静注シリンジ13mL
プロハンス静注シリンジ17mL
フェントステープ1mg
フェントステープ2mg
フェントステープ4mg
フェントステープ6mg
フェントステープ8mg


2018年10月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


ホスレノールOD錠250mg
ホスレノールOD錠500mg
タミフルカプセル75
タミフルドライシロップ3%


プロミド錠 販売中止と代替品

プロミド錠が販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ プロミド錠200㎎(科研製薬)

2019 年 3 月末薬価基準削除予定。

プロミド錠はプログルミドを成分とする消化性潰瘍治療剤です。
1978 年 1 月に「胃潰瘍」の効能を取得して発売されました。 1988 年 8 月には「急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期」の適応が追加されています。
約40年に渡り日本人の胃を守ってきたおくすりです。

プロミド錠の成分であるプログルミドは1967 年イタリアのRotta社がdicarboxylic acid を基本骨格とする誘導体の中から、毒性が少なく、しかも、強い抗ガストリン作用を有する消化性潰瘍治療薬として見出したものです。

プロミド錠の作用機序は、胃酸分泌細胞(壁細胞)でのガストリン受容体を遮断する抗ガストリン作用により、胃液分泌を抑制すると共に N-アセチルグルコサミンキナーゼ、UDP-ガラクトシルトランスフェラーゼ活性上昇にもとづく粘膜・粘液構成成分のムコ多糖・糖蛋白の合成を促進するというものでした。攻撃因子を抑えて防御因子を増強する一石二鳥な薬でした。


プロミド錠の代替品


ガストリン受容体を遮断する薬剤は他にはありませんが、
ガストリンの分泌を抑えて抗ガストリン作用を示すものにストロカイン(オキセサゼイン)やガストロゼピン(ピレンゼピン)があります。

また、セルベックスも代替候補となります。
セルベックスとプロミドの胃潰瘍に対する多施設二重盲検比較試験が行われています。
内視鏡検査により胃潰瘍と診断された患者に
セルベックス150mg/日8週間内服した場合と
プロミド1600mg/日8週間内服した場合と比べて
自覚症状改善度,内視鏡的潰瘍治癒率に差があるか調べたものです。
結果は8週間目の自覚症状及び内視鏡治癒率に有意差は認められませんでした。
芦沢真六 他, Progress in Medicine 3巻, 1169-91,1983


アンピシリン・スルバクタム注射用製剤 同種同効品

先発品のユナシン-S含めアンピシリン・スルバクタムが欠品又は出荷調整となっているようです。(2018年6月)


一部のユナシン-S後発医薬品において、原薬の品質管理上の問題により原薬が一時的に供給できなくなったため安定供給に支障をきたしたことが発端です。





他の後発品メーカーや先発品メーカーは、既存納入先への安定供給を優先するために代替要望については断っています。
本剤の供給が不足する間、同種同効品への切り替えを検討するほかないようです。

日本呼吸器学会のホームページに同種同効品一覧が掲載されていますのでご紹介します。

呼吸器学会掲載の一覧は少し見づらいところがありましたので、少しこちらで手直ししたものを以下にお示しします。ご参考ください。




2018年4月13日金曜日

平成30年度診療報酬改定 薬剤服用歴管理指導料

継続的な薬学的指導を推進するため、薬剤服用歴管理指導料の記録内容を変更し、適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局の区分が新設されました。
お薬手帳を持参した患者の割合が低いと算定できる点数がかなり低くなります。

また、薬歴への記載事項も少し変更されています。

【薬剤服用歴管理指導料】
1 原則6月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 41点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 53点
3 特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合 41点

注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、手帳を持参していない患者又は区分番号00の1に掲げる調剤基本料1以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方箋を持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、本文の規定にかかわらず、処方箋受付1回につき、53点を算定する。
イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ 処方された薬剤について、直接患者又はその家族等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ 患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者又はその家族等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
ホ 薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。

注2 3については、保険薬剤師が老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホームを訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ 処方された薬剤について、患者等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ 患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
ホ 必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。

注3 麻薬を調剤した場合であって、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときは、22点を所定点数に加算する。

注4 薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は、重複投薬・相互作用等防止加算とし
て、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
 イ 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
 ロ 残薬調整に係るものの場合 30点

注5 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指導加算として、10点を所定点数に加算する。

注6 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算として、12点を所定点数に加算する。

注7 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除き、算定しない。

注8 薬剤服用歴管理指導料の3に係る業務に要した交通費は、患家の負担とする。

注9 別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、注1又は注2に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1及び注2の規定にかかわらず、薬剤服用歴管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、13点を算定する。この場合において、注3から注6までに規定する加算は算定できない







診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)平成30年3月5日保医発0305第1号

薬剤服用歴管理指導料

(1) 薬剤服用歴管理指導料「1」及び「2」は、保険薬剤師が、患者に対して、当該患者の薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳等により、薬剤服用歴及び服薬中の医薬品等について確認するとともに、次に掲げる指導等の全てを行った場合に算定する。
ただし、手帳を持参していない患者又は「区分番号 00」の調剤基本料1以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方箋を持参した患者に対して次に掲げる指導等の全てを行った場合は、「注1」のただし書の点数を算定する。
  患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認した上で、次に掲げる事項その他の事項を文書又はこれに準ずるもの(以下「薬剤情報提供文書」という。)により情報提供し、薬剤の服用に関し、基本的な説明を患者又はその家族等に行うこと。
(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
(ロ) 用法、用量、効能、効果
(ハ) 副作用及び相互作用
(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項
(ホ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
(ヘ) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
  患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、その要点を薬剤服用歴の記録に記載するとともに、これに基づき、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと。薬剤服用歴の記録への記載は、指導後速やかに完了させるとともに、同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存・管理すること。
 ウ 手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項等を患者の手帳に経時的に記載すること。
 エ 残薬の状況については、患者ごとに作成した薬剤服用歴の記録に基づき、患者又はその家族等から確認し、残薬が確認された場合はその理由も把握すること。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう努めること。
 オ 薬剤情報提供文書により、調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報について患者に提供すること。
(2) 薬剤服用歴管理指導料は、同一患者について第1回目の処方箋受付時から算定できる。
(3) 薬剤服用歴の記録には、次の事項等を記載し、最終記入日から起算して3年間保存する。
 ア 患者の基礎情報(氏名、生年月日、性別、被保険者証の記号番号、住所、必要に応じて緊急連絡先)
  処方及び調剤内容(処方した保険医療機関名、処方医氏名、処方日、処方内容、調剤日、処方内容に関する照会の内容等)
 ウ 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
 エ 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
 オ 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
 カ 服薬状況(残薬の状況を含む。)
 キ 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
  服薬指導の要点
  手帳活用の有無(手帳を活用しなかった場合はその理由と患者への指導の有無)
  今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点
  指導した保険薬剤師の氏名
(4) (3)のウからキまでの事項については処方箋の受付後、薬を取りそろえる前に、保険薬剤師が患者等に確認すること。
(5) (1)のアの薬剤情報提供文書により行う薬剤に関する情報提供は、調剤を行った全ての薬剤の情報が一覧できるようなものとする。ただし、調剤した薬剤をやむを得ず複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とすることができる。なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
(6) 薬剤情報提供文書における「これに準ずるもの」とは、視覚障害者に対する点字、ボイスレコーダー等への録音その他のものをいう。
(7) 効能、効果、副作用及び相互作用に関する記載は、患者等が理解しやすい表現によるものとする。また、提供する情報の内容については正確を期すこととし、文書において薬剤の効能・効果等について誤解を招く表現を用いることや、調剤した薬剤と無関係の事項を記載しないこと。
(8) 情報提供に当たって、抗悪性腫瘍剤や複数の異なる薬効を有する薬剤等であって特に配慮が必要と考えられるものについては、情報提供の前に処方箋発行医に確認する等慎重に対応すること。
(9) 服薬指導は、処方箋の受付の都度、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化(特に重大な副作用が発現するおそれがある医薬品については、当該副作用に係る自覚症状の有無及び当該症状の状況)を確認し、新たに収集した患者の情報を踏まえた上で行うものであり、その都度過去の薬剤服用歴の記録を参照した上で、必要に応じて確認・指導内容を見直す。また、確認した内容及び行った指導の要点を、薬剤服用歴の記録に記載する。なお、副作用に係る自覚症状の有無の確認に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とする。
(10) 服薬指導に当たっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考とすること。また、服薬指導を円滑に実施するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行っていることが望ましい。
(11) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウまでに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
  患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
  患者の主な既往歴等疾患に関する記録
手帳の当該欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。なお、手帳に初めて記載する保険薬局の場合には、保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を記載すること。
(12) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。
(13) (1)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
(14) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
(15) 患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。
(16) 電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について(平成 27 年 11 月 27 日薬生総発第 1127 第4号)の「第三 運営事業者等が留意すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。その際、保険薬局においては、同通知の「第二 提供薬局等が留意すべき事項」を満たす必要がある。
(17) 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供に当たっては、患者に対して個人情報の取扱い等の必要事項を説明した上で、患者の意向を踏まえて提供する媒体を判断すること。
(18) 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供する場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるようにするなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施できるよう対応すること。
(19) (1)のエの残薬の状況の確認に当たり、患者又はその家族等から確認できなかった場合には、次回の来局時には確認できるよう指導し、その旨を薬剤服用歴の記録に記載する。
(20) (1)のオの「後発医薬品に関する情報」とは、次に掲げる事項とし、薬剤情報提供文書により提供するとともに、必要な説明を行うこと。また、後発医薬品の情報に関しては、可能であれば一般的名称も併せて記載することが望ましい。なお、ここでいう後発医薬品とは、「「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について(平成 30 年3月5日保医発 0305 第8号)の別紙1に掲げられたものに加え、別紙2に掲げられたものも含むものであること。
 ア 該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無
 イ 該当する後発医薬品のうち、自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品の名称及びその価格(当該薬局において備蓄しておらず、かつ、支給もできない場合はその旨)
(21) 一般名処方が行われた医薬品については、原則として後発医薬品を調剤することとするが、患者に対し後発医薬品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。
(22) 薬剤服用歴管理指導料「3」は、保険薬剤師が患者が入所している特別養護老人ホームを訪問し、当該患者等(当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員を含む。)に対して必要な指導等を行った場合に算定する。
(23) 薬剤服用歴管理指導料「3」についても、「区分番号 10」の薬剤服用歴管理指導料の(1)から(19)まで及び(21)を満たすこと。ただし、(4)の業務については、必要に応じて実施すること。
(24) 薬剤服用歴管理指導料「3」に関して、「注8」に規定する交通費は実費とする。
(25) 「区分番号 00」の調剤基本料の「注9」の分割調剤における2回目以降の調剤を行う場合には、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医へ情報提供するとともに、処方医に対して情報提供した内容を薬剤服用歴の記録に記載する。
(26) 「区分番号 15」の在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合に限り算定でき、それ以外の場合には算定できない。
(27) 麻薬管理指導加算
ア 「注3」の麻薬管理指導加算は、当該患者又はその家族等に対して、電話等により定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や副作用の有無の確認を行い、必要な薬学的管理指導を行った場合に算定する。
イ 指導の要点は、薬剤服用歴の記録に記載する。
(28) 重複投薬・相互作用等防止加算
 ア 「注4」の重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。 ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。なお、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
 イ 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
① 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
② 併用薬、飲食物等との相互作用
③ そのほか薬学的観点から必要と認める事項
 ウ 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
 エ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載する。
 オ 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
(29) 特定薬剤管理指導加算
 ア 「注5」の特定薬剤管理指導加算は、薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え、当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。
なお、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン(日本薬剤師会)等を参照し、特に安全管理が必要な医薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない。
 イ 特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。
なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している。
 ウ 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、その全てについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方箋の受付1回につき1回に限り算定するものであること。
 エ 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点について、薬剤服用歴の記録に記載すること。なお、従来と同一の処方内容にもかかわらず当該加算を継続して算定する場合には、特に指導が必要な内容を重点的に行い、その内容を薬剤服用歴の記録に記載すること。
(30) 乳幼児服薬指導加算
 ア 「注6」の乳幼児服薬指導加算は、乳幼児に係る処方箋の受付の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
 イ 乳幼児服薬指導加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。
 ウ アにおける確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載する。
(31) 薬剤服用歴管理指導料の特例
ア 「注9」の薬剤服用歴管理指導料の特例を算定する場合の取扱いは、(1)から(26)までに準ずるものとする。なお、保険薬剤師が、患者が入所している特別養護老人ホームを訪問して行う場合は、(22)から(24)までに準ずる。
イ 薬剤服用歴管理指導料の特例を算定する場合は、麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算は算定できない。



疑義解釈その1 厚生労働省保険局医療課事務連絡 平成30年3月30日


問 12 薬剤服用歴管理指導料の特例について、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当した場合であっても、直近3月間における割合が 50%を上回った場合には、その時点で「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないとされているが、日単位ではなく月単位で判断することでよいか。

(答)貴見のとおり。3月で算出した割合が 50%を上回った翌月から、通常の薬剤服用歴管理指導料を算定すること。

問 13 調剤報酬明細書において、薬剤服用歴管理指導料について手帳の持参の有無等により分けて記載することとなったが、患者に交付する明細書についても同様に分けて記載すべきか。

(答)貴見のとおり。6月以内に再度処方箋を持参した患者か否か、6月以内に再度処方箋を持参した患者に対しては、手帳持参の有無が患者に分かるように記載すること。例えば、6月以内に再度処方箋を持参した患者の場合は薬剤服用歴管理指導料の記載に加えて「手帳あり」又は「手帳なし」を、6月以内に再度処方箋を持参した患者以外の患者の場合は同指導料の記載に加えて「6月外」を追記することなどが考えられる。

2018年4月9日月曜日

トランサミン経口の同効品


トランサミンの成分であるトラネキサム酸は、プラスミン(線維素溶解酵素)によるフィブリン溶解を阻害する作用が特に強いことが知られていました。
第一製薬株式会社(現:第一三共株式会社)はその作用に着目し開発を進め、1965年にトラネキサム酸カプセルを発売しました。

プラスミンは血管の内でフィブリンの分解により血栓を生じにくくし血流を維持しています。また組織では炎症を引き起こす起炎物質であるキニンなどの遊離を促進するなど、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変等にも関与しています。
そのため、トランサミンは、このプラスミンの働きを阻止することにより臨床的に抗出血・抗アレルギー・抗炎症と幅広い効果と適応を示します。

トランサミンの国内で承認された適応は以下のとおりです。

効能又は効果/用法及び用量
○全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
(白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)
○局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
○下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状
湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
○下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状
扁桃炎、咽喉頭炎
○口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター


トランサミン(経口)の適応と同じようなものをもつ薬をまとめてみました。
※トランサミンが品薄みたいですね。代替品の参考になるかな。

●全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
  (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)

●局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
  (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)


抗出血、いわゆる止血剤としての効果です。
経口剤で線溶系を阻害するものはありませんので、『線溶亢進が関与する』ような出血に使える薬剤はありません。

経口の止血剤といえばアドナ錠(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物)がありますが、こちらは『毛細血管抵抗性の減弱』による出血に適応を持っています。ただ、アドナ錠の止血に関する文献が殆ど見つかりません。あっても1970年台ころのもので見ることができません。鼻血を止める程度には使えるのではないでしょうか。ただし、過度な効果の期待はしないほうが良いでしょう。

http://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/20_3.285.2009.pdf


●下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状
湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹


抗アレルギー作用を持つ薬剤としては、抗ヒスタミン薬やステロイドの内服もしくはある種の漢方製剤が該当します。
【蕁麻疹に適応を持つ内服薬】

  • dl−メチルエフェドリン製剤
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩製剤
  • ポララミン
  • アタラックス−P
  • アタラックス
  • アゼプチン
  • ピレチア
  • エバステル
  • レミカット
  • セルテクト
  • タベジール
  • ザジテン
  • アレロック
  • ジルテック
  • デザレックス
  • ビラノア
  • アレグラ
  • アレジオン
  • タリオン
  • ルパフィン
  • ザイザル
  • クラリチン
  • コートン
  • デカドロン
  • レダコート
  • コートリル
  • プレドニン
  • セレスタミン
  • リンデロン
  • メドロール
  • 葛根湯
  • 桂枝茯苓丸
  • 十味敗毒湯
  • 消風散
  • 大黄牡丹皮湯
  • 茵ちん蒿湯


【薬疹に適応を持つ内服薬】

  • ポララミン
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩製剤
  • ペリアクチン
  • ヒベルナ
  • ピレチア
  • ホモクロミン
  • コートン
  • デカドロン
  • レダコート
  • コートリル
  • プレドニン
  • セレスタミン
  • リンデロン
  • メドロール


【中毒疹に適応を持つ内服薬】

  • アリメジン
  • ヒベルナ
  • ピレチア
  • ホモクロミン
  • コートン
  • デカドロン
  • レダコート
  • コートリル
  • プレドニン
  • リンデロン
  • メドロール



●下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状
扁桃炎、咽喉頭炎


かぜなどの喉の腫れや痛みにトランサミンが処方されることがあります。
喉の炎症を起こしている原因がカゼによるウイルスではなく溶連菌などの細菌によるものであれば、抗生物質が適応になります。
ただのカゼであれば、抗生物質は効果がありませんので漢方製剤の抗炎症作用に僅かな期待を寄せることになります。

【扁桃炎に適応を持つ内服薬】

  • アジスロマイシン
  • アモキシシリン
  • アンピシリン
  • エリスロマイシン
  • オフロキサシン
  • クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物
  • クラリスロマイシン
  • クリンダマイシン塩酸塩
  • クロラムフェニコール
  • シタフロキサシン水和物
  • シプロフロキサシン塩酸塩
  • ジョサマイシンプロピオン酸エステル
  • スピラマイシン酢酸エステル
  • スルタミシリントシル酸塩
  • セファクロル
  • セファレキシン
  • セフォチアム ヘキセチル塩酸塩
  • セフカペン ピボキシル塩酸塩
  • セフジトレン ピボキシル
  • セフテラム ピボキシル
  • セフポドキシム プロキセチル
  • セフロキサジン
  • セフロキシム アキセチル
  • テトラサイクリン塩酸塩
  • デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩
  • ドキシサイクリン塩酸塩
  • トスフロキサシントシル酸塩
  • ノルフロキサシン
  • バカンピシリン塩酸塩
  • ファロペネムナトリウム
  • プルリフロキサシン
  • ベンジルペニシリンベンザチン水和物
  • ミノサイクリン塩酸塩
  • メシル酸ガレノキサシン水和物
  • モキシフロキサシン塩酸塩
  • リンコマイシン塩酸塩水和物
  • レボフロキサシン
  • ロキシスロマイシン
  • 桔梗湯
  • 荊芥連翹湯
  • 小柴胡湯加桔梗石膏



●口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター


【口内炎に適応を持つ内服薬】

  • ニチファーゲン
  • グリチロン
  • ネオファーゲンC
  • コートン
  • デカドロン
  • レダコート
  • コートリル
  • プレドニン
  • リンデロン
  • メドロール
  • アクロマイシン
  • ニコチン酸アミド
  • ナイクリン
  • ピドキサール
  • フラビタン
  • アデロキザール
  • ビフロキシン
  • ミノマイシン
  • 黄連湯
  • 半夏瀉心湯
  • 平胃散
  • 茵ちん蒿湯


●おまけ トラネキサム酸を含むOTC


トラネキサム酸は単味はありませんが一般用医薬品にも配合されています。
喉の腫れや痛みの緩和を目的にかぜ薬や鎮痛薬や咳止めに含まれています。
また、ほほの両側に広がるしみ「肝斑(かんぱん)」の治療薬として有名なトランシーノにも含まれています。

商品名 薬効
カイゲン感冒カプセルDX かぜ薬(内用)  
カイゲンLTカプセル かぜ薬(内用)  
コルゲンコーワIB錠TX かぜ薬(内用)  
コルゲンコーワIB錠TXα かぜ薬(内用)  
新ユアEXゴールド かぜ薬(内用)  
新ルルAゴールドDX かぜ薬(内用)  
新ルルAゴールドDX細粒 かぜ薬(内用)  
ストナアイビージェルS かぜ薬(内用)  
パラローンかぜEXゴールド かぜ薬(内用)  
ビタクール錠ハイプラス かぜ薬(内用)  
ベンザエースA かぜ薬(内用)  
ベンザエースA錠 かぜ薬(内用)  
ベンザブロックS かぜ薬(内用)  
ベンザブロックS錠 かぜ薬(内用)  
ベンザブロックSプラス かぜ薬(内用)  
ベンザブロックSプラス錠 かぜ薬(内用)  
ペラックコールドTD錠 かぜ薬(内用)  
ルキノンエースα かぜ薬(内用)  
ルルアタックEX かぜ薬(内用)  
ルルアタックEX顆粒 かぜ薬(内用)  
ルルアタックIBエース かぜ薬(内用)  
トランシーノⅡ ビタミンC主薬製剤  
イントウェル 解熱鎮痛薬  
イヴウェル解熱鎮痛錠 解熱鎮痛薬  
コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα 解熱鎮痛薬  
ルッケル解熱鎮痛錠 解熱鎮痛薬  
アスゲンT錠 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
オラキュア錠 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
オロファニックTX錠 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
トラフル錠 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
ハレナース 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
ペラックT錠 口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)  
ノスポール咳止め液Z 鎮咳去痰薬  
ベンザブロックせき止め液 鎮咳去痰薬  
ベンザブロックせき止め液1回量のみ切りタイプ 鎮咳去痰薬  
ベンザブロックせき止め錠 鎮咳去痰薬  
ベンザ鼻炎薬α〈1日2回タイプ〉 鼻炎用内服薬  



【第3類医薬品】ペラックT錠 36錠
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