2018年6月26日火曜日

プロミド錠 販売中止と代替品

プロミド錠が販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ プロミド錠200㎎(科研製薬)

2019 年 3 月末薬価基準削除予定。

プロミド錠はプログルミドを成分とする消化性潰瘍治療剤です。
1978 年 1 月に「胃潰瘍」の効能を取得して発売されました。 1988 年 8 月には「急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期」の適応が追加されています。
約40年に渡り日本人の胃を守ってきたおくすりです。

プロミド錠の成分であるプログルミドは1967 年イタリアのRotta社がdicarboxylic acid を基本骨格とする誘導体の中から、毒性が少なく、しかも、強い抗ガストリン作用を有する消化性潰瘍治療薬として見出したものです。

プロミド錠の作用機序は、胃酸分泌細胞(壁細胞)でのガストリン受容体を遮断する抗ガストリン作用により、胃液分泌を抑制すると共に N-アセチルグルコサミンキナーゼ、UDP-ガラクトシルトランスフェラーゼ活性上昇にもとづく粘膜・粘液構成成分のムコ多糖・糖蛋白の合成を促進するというものでした。攻撃因子を抑えて防御因子を増強する一石二鳥な薬でした。


プロミド錠の代替品


ガストリン受容体を遮断する薬剤は他にはありませんが、
ガストリンの分泌を抑えて抗ガストリン作用を示すものにストロカイン(オキセサゼイン)やガストロゼピン(ピレンゼピン)があります。

また、セルベックスも代替候補となります。
セルベックスとプロミドの胃潰瘍に対する多施設二重盲検比較試験が行われています。
内視鏡検査により胃潰瘍と診断された患者に
セルベックス150mg/日8週間内服した場合と
プロミド1600mg/日8週間内服した場合と比べて
自覚症状改善度,内視鏡的潰瘍治癒率に差があるか調べたものです。
結果は8週間目の自覚症状及び内視鏡治癒率に有意差は認められませんでした。
芦沢真六 他, Progress in Medicine 3巻, 1169-91,1983