2023年3月2日木曜日

ブロバリン原末 販売中止と代替品

ブロバリン原末が販売中止となるようです。
https://med.nippon-shinyaku.co.jp/file/download.php?file_id=4845

経過措置期間満了日
2023年3月31日
(ブロモバレリル尿素が統一名収載のため2023年4月以降は統一名[1121001X1018]で請求可能です)

ブロバリン原末の成分であるブロモバレリル尿素は1907年Soam により創製され、翌年、Knoll 社(ドイツ)からBromual の商品名で発売されました。日本ではBromual をドイツから輸入していましたが、第一次世界大戦でドイツと敵国の関係になると輸入が途絶えました。そのため吉草酸をもとにブロムバレリル尿素を作る手法を日本新薬が考案したことで国産化に成功しました。1915年9月から販売されて2023年の販売中止まで約100年、日本人の眠りを支えてきました。

ブロモバレリル尿素は日本の文豪たちに愛されてきました。太宰治が自殺に使用した薬として有名ですが、これは同成分のカルモチン(武田製作所:現 武田薬品)で、ブロバリンではありません。

ブロモバレリル尿素は導眠効果が弱く服毒自殺には不向きな薬です。太宰が何度も自殺に失敗しています。さらには一般薬の成分として使われているくらい安全性は高いものです。勘違いしないでいただきたいのですが、「安全」というのは、死ねないという意味の安全であり依存性の危険性や過量服薬しても死ねずに中途半端に後遺症だけ残るリスクは十分にあります。


薬の『味の素』ブロバリン

ブロモバレリル尿素を解熱剤や咳止めと併用すると効果が増強することが見出されたので、日本新薬は「薬の『味の素』」を宣伝文句にブロバリンを売り込みました。

現在、ブロモバレリル尿素が解熱剤や咳止め薬の成分として多くの一般用医薬品にも配合されているのは昭和時代の名残です。

睡眠薬としては令和の時代にブロバリンをすすんで使うことはなくなりました。より安全でより有効な薬が多く開発されているからです。世界を見ると先進国でブロモバレリル尿素を医薬品として認可し続けているのは先進国でも日本くらいです。


ブロバリンの代替品

代替品は、残念ながら存在しません。それは、より安全でより有効な薬があるにも関わらず敢えてブロバリンを使用されている場合の代わりはない、ということです。

ブロバリンはイソミタール(アモバルビタール)との混合処方(通称:イソブロ)が有名です。

なぜこの処方がされるのでしょうか。古いドクターのこだわりや、昔からのファンだからなど色々理由があるとは思います。

不眠症治療薬
スボレキサント

催眠鎮静剤
ゾルピデム

抗不安薬
ロラゼパム


ブロバリン以外のブロモバレリル尿素製剤も相次いで販売中止です。

・ブロムワレリル尿素「JG」(日本ジェネリック)
・ブロモバレリル尿素原末「マルイシ」(丸石製薬)

2023年時点では、ブロムワレリル尿素「ホエイ」(製造販売元:マイランEPD合同会社)を残すのみです。


2023年2月28日火曜日

プラセンタを含む製剤一覧 メルスモン ラエンネック

メルスモン注射剤 出荷停止に関するお詫び (メルスモン製薬:2023.02)
https://melsmon.co.jp/content/img/top/20220215_bunsyo1.pdf

「ラエンネック」限定出荷に関するご連絡(日本生物製剤:2023.02)
http://jbp.placenta.co.jp/files/2017/09/20230216.pdf

2023年プラセンタ製剤の供給が滞っています。



プラセンタ(placenta)は、哺乳類の胎盤のことです。

胎盤は母体の子宮内腔に形成され、母体と胎児の臍帯を連絡する器官です。
胎児への酸素や生育に必要な栄養素を供給する等の機能のほかに、造血、タンパク質合成、ホルモン分泌なども行うとされます。プラセンタは、中国では16世紀に「紫河車(シカシャ)」の名で「本草綱目」に記録されるなど、生薬として古くから知られています。日本では、1956年に医療用医薬品として更年期障害等の適応で注射剤が承認されています。現在は、医薬品のほか、化粧品、健康食品等の多くの製品が販売されています。

プラセンタの原材料については、ヒト由来の胎盤とウシ、ヒツジ、ブタ由来の胎盤の使用が認められています。ヒト由来の胎盤「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に区分されています。ウシ、ヒツジ、ブタ由来の胎盤は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」に区分されています。つまり、ヒト由来のプラセンタは「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」であるため食品には使えません。健康食品の素材としては、ブタ、ヒツジ、ウマのプラセンタから成分を抽出したエキスおよびそれを凍結粉末化したエキス純末が使用されています。


プラセンタの健康効果が質の高い研究で示された事は皆無

プラセンタの成分としては、各種アミノ酸、ペプタイド、ミネラル、ビタミン、酵素類、糖類などから成る生理活性物質が分析され、さらに未知の成分も含まれるといわれています。
また、標榜されている効用は多岐にわたり、末梢血行促進作用、細胞賦活作用、活性酸素除去作用、抗炎症作用、抗疲労効果、発育促進、造血機能の活性化などが使用されています。しかし、これら効用に関する情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらずその効果は期待し難いものです。
最近では、美容目的でプラセンタを点滴したり塗ったりする方がいます。しかし、プラセンタの健康効果が質の高い研究で示された事は皆無で、効果は期待し難いです。プラセンタの美容効果は示されていないどころか、「プラセンタの成分がメラニン(シミのもと)を増やす」との可能性が報告されています。「高いお金を出したのに逆効果でシミを促進」という結果になりかねません。
副作用として感染症やアレルギーなどのリスクもあります。斑状強皮症や薬剤性好酸球性肺炎、自己免疫性肺胞蛋白症という病気を発症した方もいます。

「がんに効く」と未承認サプリを販売した容疑で逮捕された医師が「プラセンタで美肌」というエセ医学を日本で広めた過去があります。

嘘でお金儲けをする医師も多いので、宣伝文句を鵜呑みにせずに「本当に適切な科学的根拠はあるのか?」を確認する習慣をつけましょう。


プラセンタ製剤の注射薬を使用したことがある方の献血について

2006 年 10 月から、過去にプラセンタの注射薬を使用したことがある方からの献血はできません。プラセンタを一度でも打った方は、献血ができなくなります。感染症のリスクがある方の血液は輸血に使えないからです

ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/08/h0824-3.html

Q. プラセンタ製剤を注射した人が献血できないのはなぜですか?

A.これまでヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射薬の使用により、vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)の感染事例は報告されていません。しかし、ヒト由来の臓器から製造されており、念のための措置として献血をご遠慮いただいています。
また、現段階での対象は注射薬のみとなり、健康食品(サプリメント・ドリンク剤)、化粧品、内服薬等は含みません。

日本赤十字社大阪府赤十字血液センター ホームページより一部抜粋
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/osaka/donation/m2_01_02_placenta.html


プラセンタを含む製剤一覧

●医療用医薬品

ヒト胎盤由来製剤であり、医療用医薬品として承認を受けている注射薬は以下の 2 製品のみです(2023年時点)

メルスモン(メルスモン製薬)
[成分・含量]
2mL 中:胎盤絨毛分解物の水溶性物質 100mg
[効能効果]
更年期障害、乳汁分泌不全

ラエンネック(日本生物製剤)
[成分・含量]
2mL 中:胎盤酵素分解物の水溶性物質 112mg
[効能効果]
慢性肝疾患における肝機能の改善

●一般用医薬品[第 2 類医薬品]

ビタエックス 30内服液(大木製薬、森田薬品工業)
[成分・含量]
1 瓶(30mL)中:プラセンタエキス(E)10,000mg、イカリソウ流エキス0.6mL(原生薬として 600mg)、ニンジン流エキス 0.6mL(原生薬として 600mg)、ピリドキシン塩酸塩 15mg
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病中病後・胃腸障害・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給

プラセントップ液(スノーデン)
[成分・含量]
瓶(30mL)中:絨毛組織加水分解物 600.0mg(プラセンタエキスとして2,000mg)、チアミン硝化物 5.0mg、ピリドキシン塩酸塩5.0mg、ニコチン酸アミド 20.0mg、無水カフェイン 50.0mg
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給

新ゴールドビタX錠(森田薬品工業)
[成分・含量]
6 錠中:胎盤加水分解物(G)400mg、胎盤乾燥微粉末100mg、チアミンジスルフィド 10mg、リボフラビン 6mg、ピリドキシン塩酸塩6mg、ビタミンE 散60mg(トコフェロール酢酸エステルとして30mg)、反鼻末 50mg、胆汁末50mg、ロクジョウ末15mg、地黄軟エキス 100mg(原生薬として 200mg)、トウキエキスS100mg(原生薬として 400mg)、オウギエキス 100mg(原生薬として2,000mg)
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給

新ビタエックス錠剤(森田薬品工業)
新ビタエックス糖衣錠(森田薬品工業)

[成分・含量]
12 錠中(糖衣錠は9 錠中):胎盤加水分解物0.54mL、胎盤乾燥微粉末750mg、チアミンジスルフィド18mg
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病中病後・胃腸障害・栄養障害・発熱性消耗性疾患・産前産後などの場合の栄養補給、偏食児・幼小児の発育期などの栄養補給

プラセントップ錠(スノーデン)
[成分・含量]
6 錠中:絨毛組織加水分解物600.0mg(プラセンタエキスとして2,000mg)、チアミン硝化物 6.0mg、ピリドキシン塩酸塩6.0mg、シアノコバラミン60μg
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給

ビタエックス顆粒(森田薬品工業)
[成分・含量]
4.5g 中:胎盤加水分解物 0.70mL、胎盤乾燥微粉末 1,000mg、チアミン硝化物 15mg
[効能効果]
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病中病後・胃腸障害・栄養障害・発熱性消耗性疾患・産前産後などの場合の栄養補給

パルモアー(三宝製薬)
[成分・含量]
100g 中:プラセンターリキッド 5g、ジパルミチン酸ピリドキシン 1g
[効能効果]
進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎、湿疹、粃糠疹、日光皮膚炎、口唇炎、にきび、酒さ、皮膚の栄養及び保護、肌あれ、ひび、あかぎれ、口唇乾燥症、口唇き裂、その他皮膚乾燥及び角化症

●プラセンタ含有健康補助食品

JBP プラセンタゼリーピュア(日本生物製剤)
1 包(15g)中:プラセンタエキス純末 1,000mg ゼリー 15g×20 包/箱

JBP ポーサイン 100(日本生物製剤)
1 カプセル中:プラセンタエキス 350mg カプセル 100 カプセル

プラセンタボンリッチ(クラシエ薬品)
10mL 中:プラセンタエキス純末 400mg 液 10mL×30 本

プラセン人参(クラシエ薬品)
10mL 中:プラセンタエキス純末 300mg 液 10mL×30 本


2023年2月21日火曜日

アモキサン自主回収 出荷停止 2023年2月


アモキサンカプセル、アモキサン細粒からニトロソアミン化合物が検出されたことを踏まえ、 2023 年 2 月下旬から自主回収(クラスII)されることになりました。また、回収と合わせ、アモキサンカプセル、アモキサン細粒の出荷が停止されることになるようです。

ニトロソアミン類は、ヒトが長期間にわたって許容範囲を超えて摂取した場合、発がん性のリスクを高める可能性があるといわれています。


U.S Food & Drugs Association Information about Nitrosamine Impurities in Medications
https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/information-about-nitrosamine-impurities-medications


このことから、医薬品におけるニトロソアミンの混入について、海外では製薬会社に対してリスク評価が求められています。日本においても、2021 年 10 月付で厚生労働省より「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」が発出されています。

アモキサンの有効成分であるアモキサピンに由来するニトロソアミン(N-ニトロソアモキサピン)が、メーカーの設定した基準を超えて検出されたため自主回収されることになりました。


今回の自主回収は既に2022年8月に予告されていました。アモキサンの急激な投与中止による「離脱症状」が発生する恐れがあることから「離脱症状」のリスクをできうる限り減らすため、自主回収の着手まで猶予を持たせていました。


N-ニトロアモキサピンの安全性

N-ニトロアモキサピンは、ニトロソアミン類に分類される化合物です。

ニトロソアミン類は水、肉や乳製品や野菜を焼き加工した食品などにも含まれています。日常生活においてもある程度のニトロソアミン類を摂取しています。ニトロソアミン類は、人々が長期間にわたって許容範囲を超えて摂取した場合、発がん性のリスクを高める可能性があるとされています。日本およびアメリカ、ヨーロッパの規制当局が示しているガイドライン(ICH-M7(R1))では、医薬品等に含まれるニトロソアミン類などの量は、発がん性リスクを許容できる(10 万分の 1 以下) 摂取量を超えないことが推奨されています。

N-ニトロソアモキサピンの動物における発がん性の有無は不明です。

N-ニトロソアモキサピンが発がん性を有すると仮定した場合の発がんリスクの程度について、アモキサン 75mgまたは 300mgを一生涯 70 年間毎日服用したときの理論上の発がんリスクは、75mg 投与ではおよそ 20 万人に 1 人が生涯(70 年間)でその曝露により過剰にがんを発症する程度のリスクに相当します。300mg 投与ではおよそ 5 万人に 1 人が生涯(70 年間)でその曝露により過剰にがんを発症する程度のリスクに相当します。


アモキサンは1981年に国内における販売を開始しました。約 40 年が最長の投与期間であり、これまでに得られている安全性情報も鑑みると、現時点において重篤な健康被害のおそれはないと考えられます。


令和 4 年度 第 17 回薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28762.html

令和 4 年度 第 17 回薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)議事録
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29807.html

令和 4 年 11 月 9 日付 N-ニトロソアモキサピンが検出されたアモキサピン製剤の使用による健康影響評価の結果等について 事務連絡
https://www.pmda.go.jp/files/000248844.pdf


アモキサンのプロファイル

アモキサンの有効成分アモキサピンは、ジベンズオキサゼピン誘導体の 1 つであって、側鎖にピペラジニル基をもつ三環系抗うつ薬に分類されます。ジベンゾキサゼピンクラスに属する第1世代抗精神病薬のロキサピンの活性代謝物として発見されました。ロキサピンもアモキサピンもセロトニン・ドパミンアンタゴニスト作用が強く、抗精神病薬と抗うつ薬の性格を合わせもちます。構造をよくみると非定型抗精神病薬のクロザピンに酷似しています。


アモキサンは、1963 年、スイスの J. Schmutz により合成され、アメリカン・サイアナミッド社のレダリー研究所において開発された抗コリン作用の少ない強力な抗うつ剤といわれています。日本においては、米国レダリー研究所の実験データをもとに、1970 年より前臨床試験が開始されました。1981年アモキサンの名前で販売が開始されます。その後、ワイス、ファイザーと製造販売メーカーは変わりますが、カプセルに刻印された「LL」のマークが「Lederle Labo.(レダリー研究所)の面影を残しています。


海外ではアモキサピンの評価はそれほど高くはありません。これはアモキサピンがD2阻害作用をもっており、海外での常用量(200mg~600mg)では錐体外路症状が発現しやすくなるためです。日本における古典的抗精神病薬としての位置づけでしかありません。

一方、日本では低用量使用が主体のためD2阻害作用よりも5-HT2A阻害作用が強く現れ、SNRIとしてのトランスポーター阻害作用との相乗効果で強力な賦活作用を発揮します。


アモキサンの代わりにどうするか

アモキサン(アモキサピン)の薬理的作用は
ノルアドレナリン、セロトニンの取り込みを阻害する作用、
そしてドーパミンD2受容体阻害作用と5-HT2A遮断作用を持ちます。

⇒メインのノルアドレナリン、セロトニンの取り込みを阻害する作用を
SNRIに担わせて
ドパミン遮断作用を少量の抗精神病薬で調整するという考えが
理論的には成り立ちます。


SNRI=デュロキセチンに、
以下のいずれかを加える。

・エビリファイ

・オランザピン

・ラツーダ


症状により患者個別に違うと思うので手探りでいくしかないと思います。


2023年2月1日水曜日

ノベルジン顆粒5%のあれこれ(味、経管投与、安定性)

ノベルジンは酢酸亜鉛を成分とするウィルソン病および低亜鉛血症の治療剤です。
もともと、錠剤が発売されていましたが、錠剤は低年齢の小児で服用が困難であること、また投与量の細やかな調整が不可能という問題が存在していました。これらの医療ニーズを鑑み、顆粒剤が開発されました。


ノベルジン顆粒5%の発売日

ノベルジン顆粒5%の発売日は2023年2月1日です。


ノベルジン顆粒5%の味と臭い

甘味料としてスクラロースが添加されているので甘みを感じられます。
また、バナナフレーバーの香料が原薬の酢酸臭をマスクしています。


ノベルジン顆粒5%はフィルムコーティングされている

ノベルジン顆粒5%の有効成分である酢酸亜鉛は、その物性として収れん性を有しています。
服薬時の収れん性を軽減する目的でコーティング顆粒とされています。
そのため、水に溶かしたり、顆粒を潰して粉末にすると渋みを感じることがあります。
小児に処方されることが多い薬ですので、他の粉薬やドライシロップ製剤とは別包にするほうが良いでしょう。



ノベルジン顆粒の粒径

直径約0.5mmの球状顆粒です。


ノベルジン顆粒の経管投与

顆粒のままでは懸濁状態はあまり良くはないようですが、5Fr、6Frまでのチューブであれば通過が可能であったとのデータがあります。3Fr、4Frのチューブでは目詰まりを起こすので注意が必要です。顆粒を乳鉢で潰して粉末化すれば3Frでも問題無く通過したとの報告もあるようです。なお、チューブへの薬剤吸着性はなかったそうです。

<ノベルジン顆粒の経管投与における通過性試験及び吸着性試験>

  • 1.6gのノベルジン顆粒5%を注入器に入れ、55℃の温湯を20mL吸い取る。
  • 5分静置後、注入器を手で15往復横転して懸濁の状況を観察。
  • 懸濁不良の場合には再度5分静置後、同様に15往復横転する。
  • この時点でも懸濁しない場合は、
  • 薬剤を乳鉢で粉砕して粉末化したものを注入器に入れ、上記の作業を初めから行う。
  • 注入器をチューブに取り付け、流速約2~3mL/秒で懸濁液を全て押し込む。
  • 適量の水(約20mL)を注入器で注入し、薬剤が残存していなければ通過と判定。
  • 薬剤が接触するチューブ表面積の大きい経鼻胃管6Fr及び胃瘻管14Fr、シャフト長4.5cmについては、チューブ通過前後の薬液濃度を薬剤の定量法(UV法)に準じて測定する。


ノベルジン顆粒の分包後の安定性

ノベルジン顆粒をセロファン+ポリエチレンで分包した場合の安定性試験の結果をご紹介します。

結果は以下のとおりです。
温度25℃、湿度60%RHで3ヵ月保存。結果は規格内。
温度30℃、湿度75%RHで3ヵ月保存。結果は規格内。

なお、添付文書の【取扱い上の注意】の項に、「ボトル包装品を分包した場合は、高温多湿を避けて保存すること」と記載があります。

2022年12月12日月曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2022年12月収載後発品関連

 2022年12月9日に後発品の薬価収載がありました。


各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。


「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、品目によって違ってきます。
(基本的には発売月の翌月1日から)


切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省ホームページの「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2022/04/tp20220401-01.html


2023年1月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

レクサプロ錠10mg

レクサプロ錠20mg

サムスカOD錠15mg

ネキシウムカプセル10mg

ネキシウムカプセル20mg

ボンビバ静注1mgシリンジ

キュビシン静注用350mg

ルリコン軟膏1%

ルリコンクリーム1%

ルリコン液1%




2022年5月23日月曜日

ネリプロクト坐剤・ネリプロクト軟膏 販売中止と代替品(経過措置:2023年3月31日)

ネリプロクト坐剤・ネリプロクト軟膏が販売中止となるようです。

https://www.ltl-pharma.com/common/pdf/220523_neriproct.pdf


2023年1月末出荷停止予定。
経過措置期間は2023年3月31日まで(予定)


ネリプロクト坐剤・軟膏は、副腎皮質ホルモンである「ジフルコルトロン吉草酸エステル」と局所麻酔作用が迅速な「リドカイン」の2成分を含有する痔疾用配合剤です。

ジフルコルトロン吉草酸エステルとリドカインとの配合により、速やかな鎮痛効果と消炎による炎症痛の軽減を示し、痔核に伴う急性症状(疼痛・腫脹・出血)にも優れた効果を示す薬剤として使用されていました。

日本では日本シエーリング社によって開発され、1993年に承認されました。

そして、2022年販売を終了するに至りました。


痔核の薬物療法

薬物療法は腫れ、脱出、痛み、出血などの症状を和らげる効果はあるのですが、慢性の痔核自体を完治させることはできません。痔核の治療に用いる外用薬には坐薬と軟膏があります。

坐薬は肛門の歯状線よりも口側の病変に、

軟膏は歯状線よりも肛門側の病変に有用と考えられています。

ステロイドを含む薬は腫れ、痛み、出血の強い急性炎症の時期に効果が期待できます。

しかし、まれにステロイド性皮膚炎や肛門周囲白癬症を生じることがあるので長期にわたる連用は避けたほうがよいです。トリベノシドを含有するものは炎症性浮腫の緩和、局所麻酔薬が配合されているものは痛みの緩和、大腸菌死菌浮遊液は創傷治癒に、ビスマス系のものは出血症状の緩和に有効です。


ネリプロクトの代替品

ネリプロクトには後発品があります。

【坐剤】

  • ネリコルト
  • ネリザ
  • ネイサート

【軟膏】

  • ネリザ


ネリプロクトは、抗炎症作用に加え、局所麻酔作用をもつ薬剤です。同様の作用が期待できる薬には 抗炎症作用にヒドロコルチゾン、局所麻酔作用にジブカインを配合した『プロクトセディル』があります。
また、抗炎症作用にトリベノシド、局所麻酔作用にリドカインを配合した『ボラザG』があります。





グルコバイ 販売中止と代替品

グルコバイ錠・グルコバイOD錠が販売中止となるようです。

2022年秋頃から出荷が終了されるようです。
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2022-05/GUL_PNS_202205230.pdf

経過措置期間満了(予定):2023年3月末


販売中止の理由は需要の低下です。

なお、グルコバイの販売中止に伴い、バイエル薬品からのブドウ糖の提供も終了となります。


グルコバイ(アカルボース)

グルコバイ錠・グルコバイOD錠(アカルボース)は、1973年にドイツ・バイエル社が放線菌の一種であるActinoplanes属のアミノ糖生産菌の培養液中から分離・精製したα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼの阻害剤です。

アカルボースは腸管内において炭水化物の消化・吸収に関与するα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼ(スクラーゼ、マルターゼ等)の活性を阻害することにより食後の血糖上昇を抑制します。

日本において1977年に開発が開始されました。インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を対象とした臨床試験で血糖コントロールにおける有用性が確認され、1993年に承認を取得、同年12月にベイスン錠が発売されました。その後、水なしでも服用可能な口腔内崩壊錠が2010年1月に承認され、同年5月に発売されました。


グルコバイの代替品

グルコバイには後発品が各社から販売されています。

  • アカルボース錠
  • アカルボースOD錠


また、他のαーグルコシダーゼ阻害薬のベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)も代替候補になります。


αーグルコシダーゼ阻害薬の特徴

アカルボースにはαグルコシダーゼのほかにアミラーゼの阻害作用もあります。そのため、多糖類が分解されず、残って大腸に行く場合があり、他の2剤に比べて便秘が多く、ガスの発生が多くなる傾向にあります。

ボグリボースはアカルボースよりも腹部症状の少ない用量設定になっています。使用しやすいのですが、その分効果も穏やかです。

ミグリトールは薬剤自体かなり吸収されます。この特性により小腸の初めのほうで薬が多く、下部では薬量が少なくなります。そのため、食後早期のブドウ糖吸収を強く抑制できます。結果として食後1時間の血糖上昇を強く抑えることができます。

2022年2月24日木曜日

2022年度診療報酬改定 外来服薬支援料 調剤料の一包化加算は廃止

2022年度診療報酬改定では「外来服薬支援料」に新たな区分が追加されます。多種類の薬剤が投与されている患者又は自ら被包から取り出して服用することが困難な患者に対して、医師の了解を得た上で、薬剤師が内服薬の一包化及び必要な服薬指導を行い、患者の服薬管理を支援した場合の評価です。

簡単に言うと、『調剤料の一包化加算』が廃止され、「外来服薬支援料2」に移設されました。現行の一包化加算と同じ点数です。

その他の改定点としては、「外来服薬支援料1」の算定要件の『保険医への確認』が『保険医への了解』となった点です。なお、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、「外来服薬支援料1」を算定できませんが、「外来服薬支援料2」については算定可能です。

 
[調剤点数表]
14の2 外来服薬支援料
1外来服薬支援料1  185点
2外来服薬支援料2 
 イ  42日分以下の場合 
   投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数
 ロ  43日分以上の場合 240点

注1 1については、自己による服薬管理が困難な患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。ただし、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

注2 1については、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。

注3 2については、多種類の薬剤を投与されている患者又は自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化及び必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。


2022年2月23日水曜日

2022年度診療報酬改定 小児特定加算

2022年度診療報酬改定では、医療的ケア児に対する薬学的管理の評価として、「小児特定加算」が新設されました。服薬管理指導料やかかりつけ薬剤師指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料および在宅患者緊急時等共同指導料に対する加算です。

薬局で医療的ケア児の患者に対し状態に合わせた必要な薬学的管理と指導をを行い、その内容を手帳に記載した場合に算定できます。服薬管理指導料やかかりつけ薬剤師指導料には350点、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料および在宅患者緊急時等共同指導料では450点の加算です。
なお、乳幼児服薬指導加算の併算定はできません。

算定対象となる患者は、児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者です。児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児とは「人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児」、すなわち『医療的ケア児』のことです。
具体的には、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常に必要な児童のことをいいます。

この医療的ケアに係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服薬指導を行い、指導の内容等を手帳に記載した場合に算定できます。

医療的ケア児の調剤を行う上で配慮すべきこととしては、「粉砕や脱カプセルなどの規格単位に満たない薬用量の調節」、「散剤の配合変化等による別包包装」や「ハイリスク薬の粉砕・脱カプセルによる曝露やコンタミへの対策」などがあげられます。暴露やコンタミ対策では、安全キャビネットや専用の分包機が必要となりコストもかかります。このように調剤を行う上での薬学的管理に考慮が必要な事項が多く内容が複雑であることを踏まえた評価となっています。

2021.10.22中医協総会(薬局)「調剤(その2)」


2022年2月22日火曜日

2022年度診療報酬改定 服薬情報提供料 入院前持参薬整理の評価が新設

2022年度診療報酬改定において、医療機関からの求めに応じて、薬局において入院予定の患者の持参薬の整理を行うとともに、当該患者の服用薬に関する情報等を一元的に把握し、医療機関に文書により提供した場合の評価として「服薬情報等提供料3」が新設されます。

「服薬情報等提供料3」は、入院時の残薬整理とともに、患者の服薬状況を医療機関に伝えた場合の評価として3カ月に1回、50点を算定できます。

「服薬情報等提供料3」の算定要件は、患者の同意が必須で、入院前の患者に係る保険医療機関の求めがあった場合に、服用薬の情報等について一元的に把握し、入院医療機関へ文書で情報提供した場合です。また必要に応じて患者の持参薬の整理を行います。さらに、これらの内容等について薬歴へ記録することが求められています。

また、「服薬情報提供料」の要件として、敷地内薬局などの特別調剤基本料を算定する薬局から敷地内の医療機関への情報提供は算定できないことが追加されました。

 
[調剤点数表]
15の5 服薬情報等提供料 

1 服薬情報等提供料1 30点
2 服薬情報等提供料2 20点
3 服薬情報等提供料3 50点

注1 1については、保険医療機関の求めがあった場合において、患者の同意を得上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に月1回に限り算定する。
これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

注2 2については、患者若しくはその家族等の求めがあった場合又は保険薬剤師がその必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者、その家族等又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に算定する。
なお、保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。
これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

注3 3については、入院前の患者に係る保険医療機関の求めがあった場合において、当該患者の同意を得た上で、当該患者の服用薬の情報等について一元的に把握し、必要に応じて当該患者が保険薬局に持参した服用薬の整理を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に3月に1回に限り算定する。
これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

注4 区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料、
区分番13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料又は
区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、
算定しない。

注5 区分番号00に掲げる調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、
算定できない。


[施設基準:告示第**号]
十二の二
服薬情報等提供料の注5に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関

当該保険薬局が二の二の(1)に該当する場合に係る保険医療機関であること。


2022年2月21日月曜日

2022年度診療報酬改定 調剤後薬剤管理指導加算【服薬管理指導料】

 2022年度診療報酬改定においてインスリンなどを投与する糖尿病患者を対象にした「調剤後薬剤管理指導加算」は現行30点が60点となりました。

調剤後薬剤管理指導加算は現行では薬剤服用歴管理指導料の加算でしたが、2022年度改定では、服薬管理指導料の加算となりました。算定要件の変更はありません。

調剤後薬剤管理指導加算とは
地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局が調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合の評価とされています。インスリンやSU薬による重症低血糖を防ぐことを目的にしています。


[調剤点数表]
10の3 服薬管理指導料
(調剤後薬剤管理指導加算)
注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。


[留意事項 保医発**第*号]
区分 10の3 服薬管理指導料


2022年度診療報酬改定 外来オンライン服薬指導【服薬管理指導料】

2022年度診療報酬改定では、オンライン服薬指導に係る医薬品医療機器等法のルールの見直しを踏まえ、外来患者及び在宅患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導等について、要件と評価が見直されました。

外来患者に対するオンライン服薬指導については、服薬管理指導料に位置付けられ算定要件も緩和されました。具体的には、オンライン診療料を算定していない患者でも算定できるようになるほか、対面の10%以下とする1カ月当たりの算定制限も撤廃されます。
これまでの薬剤服用歴管理指導料におけるオンライン服薬指導との変更点を以下にまとめました。


[調剤点数表]
10の3 服薬管理指導料
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
 イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 45点
 ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 59点

注3 4については、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、4のイの患者であって手帳を提示しないものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、4のロにより算定する。

2022年度診療報酬改定 服薬管理指導料

 2022年度診療報酬改定では、薬剤服用歴管理指導料から服薬指導業務などに係る業務の評価を切り離した「服薬管理指導料」が新設されました。

現行の薬歴管理指導料で定める区分は同じで、点数が2点増されます。対面、オンライン共に3カ月以内の再来局患者に対する実施が45点、それ以外が59点算定できます。また、かかりつけ薬剤師指導料を算定する患者に対し、かかりつけ薬剤師以外の十分な経験等を持つ薬剤師が対応した場合は、特例として59点を算定できるようになります。

服薬管理指導料の算定要件は、これまで薬歴管理指導料で評価していたものと大きな変更はありませんが、薬歴に関する評価は「調剤管理料」へ切り離されたため、要件から『薬歴』に関するものが削除されました。また、服薬指導業務に加え「薬剤師が必要と認める場合に患者の服薬状況を継続的に把握し、必要な指導を実施すること」なども算定要件に盛り込まれました。

さらに、「お薬手帳を持参していないもの」の場合、点数の高い区分2を算定することとされていましたが、『持参』が『提示』に変更され、「お薬手帳を提示しない」も場合が点数が高くなることになります。つまり、「お薬手帳持っていますか?」と聞いて「ハイ」と答えられただけで区分1を算定すること(そんな薬局ありえないと思いますが)ではダメで、患者さんに手帳を提示してもらい中身を確認できてはじめて区分1が算定可能となります。


[調剤点数表]
10の3 服薬管理指導料
1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 45点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 59点
3 特別養護老人ホ-ムに入所している患者に訪問して行った場合 45点
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
 イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合 45点
 ロ イの患者以外の患者に対して行った場合 59点

注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
ただし、1の患者であって手帳を提示しないものに対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、2により算定する。
イ  患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの(以下この表において「薬剤情報提供文書」という。)により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ  服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ  手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ  これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき、必要な指導を行うこと。
ホ  薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
ヘ  処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施すること。
2 3については、保険薬剤師が老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホ-ムを訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
イ  患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ  服薬状況等の情報を踏まえた薬学的知見に基づき、処方された薬剤について、薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ  手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ  これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認に基づき、必要な指導を行うこと。
ホ  必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。
ヘ  処方された薬剤について、保険薬剤師が必要と認める場合は、患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに、必要な指導等を実施すること。
3 4については、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。ただし、4のイの患者であって手帳を提示しないものに対して、情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合は、4のロにより算定する。

4 麻薬を調剤した場合であって、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときは、22点を所定点数に加算する。

5 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指導加算1として、10点を所定点数に加算する。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、当該患者の副作用の発現状況、治療計画等を文書により確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った上で、当該患者の同意を得て、悪性腫瘍の治療に係る薬剤の投薬又は注射に関し、電話等により、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、特定薬剤管理指導加算2として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

7 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算として、12点を所定点数に加算する。

8 児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者に係る調剤に際して必要な情報等を直接当該患者又はその家族等に確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、小児特定加算として、350点を所定点数に加算する。この場合において、注7に規定する加算は算定できない。

9 喘ぜん息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって、吸入薬の投薬が行われているものに対して、当該患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得た上で、文書及び練習用吸入器等を用いて、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、吸入薬指導加算として、3月に1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り60点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

11 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除き、算定しない。

12 服薬管理指導料の3に係る業務に要した交通費は、患家の負担とする。

13 別に厚生労働大臣が定める保険薬局において、注1、注2又は注3に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1、注2及び注3の規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、13点を算定する。この場合において、注4から注10までに規定する加算及び区分番号10の2に掲げる調剤管理料の注3から注5までに規定する加算は算定できない。

14 当該保険薬局における直近の調剤において、区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料又は区分番号13の3に掲げるかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者に対して、やむを得ない事情により、当該患者の同意を得て、当該指導料又は管理料の算定に係る保険薬剤師と、当該保険薬剤師の所属する保険薬局の他の保険薬剤師であって別に厚生労働大臣が定めるものが連携して、注1に掲げる指導等の全てを行った場合には、注1の規定にかかわらず、服薬管理指導料の特例として、処方箋受付1回につき、59点を算定する。