2023年3月2日木曜日

ブロバリン原末 販売中止と代替品

ブロバリン原末が販売中止となるようです。
https://med.nippon-shinyaku.co.jp/file/download.php?file_id=4845

経過措置期間満了日
2023年3月31日
(ブロモバレリル尿素が統一名収載のため2023年4月以降は統一名[1121001X1018]で請求可能です)

ブロバリン原末の成分であるブロモバレリル尿素は1907年Soam により創製され、翌年、Knoll 社(ドイツ)からBromual の商品名で発売されました。日本ではBromual をドイツから輸入していましたが、第一次世界大戦でドイツと敵国の関係になると輸入が途絶えました。そのため吉草酸をもとにブロムバレリル尿素を作る手法を日本新薬が考案したことで国産化に成功しました。1915年9月から販売されて2023年の販売中止まで約100年、日本人の眠りを支えてきました。

ブロモバレリル尿素は日本の文豪たちに愛されてきました。太宰治が自殺に使用した薬として有名ですが、これは同成分のカルモチン(武田製作所:現 武田薬品)で、ブロバリンではありません。

ブロモバレリル尿素は導眠効果が弱く服毒自殺には不向きな薬です。太宰が何度も自殺に失敗しています。さらには一般薬の成分として使われているくらい安全性は高いものです。勘違いしないでいただきたいのですが、「安全」というのは、死ねないという意味の安全であり依存性の危険性や過量服薬しても死ねずに中途半端に後遺症だけ残るリスクは十分にあります。


薬の『味の素』ブロバリン

ブロモバレリル尿素を解熱剤や咳止めと併用すると効果が増強することが見出されたので、日本新薬は「薬の『味の素』」を宣伝文句にブロバリンを売り込みました。

現在、ブロモバレリル尿素が解熱剤や咳止め薬の成分として多くの一般用医薬品にも配合されているのは昭和時代の名残です。

睡眠薬としては令和の時代にブロバリンをすすんで使うことはなくなりました。より安全でより有効な薬が多く開発されているからです。世界を見ると先進国でブロモバレリル尿素を医薬品として認可し続けているのは先進国でも日本くらいです。


ブロバリンの代替品

代替品は、残念ながら存在しません。それは、より安全でより有効な薬があるにも関わらず敢えてブロバリンを使用されている場合の代わりはない、ということです。

ブロバリンはイソミタール(アモバルビタール)との混合処方(通称:イソブロ)が有名です。

なぜこの処方がされるのでしょうか。古いドクターのこだわりや、昔からのファンだからなど色々理由があるとは思います。

不眠症治療薬
スボレキサント

催眠鎮静剤
ゾルピデム

抗不安薬
ロラゼパム


ブロバリン以外のブロモバレリル尿素製剤も相次いで販売中止です。

・ブロムワレリル尿素「JG」(日本ジェネリック
・ブロモバレリル尿素原末「マルイシ」(丸石製薬

2023年時点では、ブロムワレリル尿素「ホエイ」(製造販売元:マイランEPD合同会社)を残すのみです。