2018年1月26日金曜日

平成30年度診療報酬改定 分割調剤と処方箋様式の変更


平成30年度から
分割調剤を行うための医師の指示や分割調剤を行った際の手続きの明確化・合理化を図る観点から、処方箋の様式が変更され分割調剤の具体的な取扱について明確化されました。
処方箋に『分割指示に係る処方箋_分割の_枚目』が追記されています。
そして新たに分割調剤を行うための指示書(分割指示に係る処方箋)の様式が作成されています。

要件を見るに、分割調剤を行う場合は予約をするということなのでしょうか、処方箋を紛失した際の対応なども気にかかります。

[分割調剤に係る留意事項]
(1) 分割指示に係る処方せんを発行する場合、分割の回数は3回までとすること。
(2) 分割指示に係る処方せんを発行した場合は、患者に対し、調剤を受ける度に、記載された回数に応じた処方せん及び別紙を保険薬局に提出するよう指導すること。
(3) 保険薬局の保険薬剤師は、分割指示に係る処方せんの交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
(4) 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況を確認すること。患者が別の保険薬局にて調剤を受けることを申し出ている場合は、当該保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報を予め提供すること。
(5) 受付保険薬局情報において、1枚目の処方せんが処方せんの使用期間内に受け付けられたことが確認できない場合は、当該処方せんは無効とすること。

新 処方箋様式





2018.04.01追記



診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)平成30年厚生労働省告示第43号
調剤基本料(処方箋の受付1回につき)

注7 長期投薬(14日分を超える投薬をいう。)に係る処方箋受付において、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目以降の調剤については、1分割調剤につき5点を算定する。なお、当該調剤においては第2節薬学管理料は算定しない。
注8 後発医薬品に係る処方箋受付において、当該処方箋の発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目の調剤に限り、5点を算定する。なお、当該調剤においては、第2節薬学管理料(区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料を除く。)は算定しない。
注9 医師の分割指示に係る処方箋受付(注7及び注8に該当する場合を除く。)において、1回目の調剤については、当該指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降の調剤については投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方箋を交付した保険医(以下この表において「処方医」という。)に対して情報提供を行った場合に算定する。この場合において、区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算、区分番号01に掲げる調剤料及びその加算並びに第2節に掲げる薬学管理料は、それぞれの所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算定する。


診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
<通則>
保険薬剤師は、医師の分割指示に係る処方箋又は投与日数が長期間にわたる処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要がある場合には、分割調剤を行うこと。
また、分割調剤を行う場合(上記の場合のほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更が不可の場合の署名欄に処方医の署名又は記名・押印がない、又は署名欄に処方医の署名又は記名・押印があるものの「変更不可」欄に「✓」又は「×」が記載されていない先発医薬品がある処方箋(以下「後発医薬品への変更が可能な処方箋」という。)を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により、分割調剤を行う場合を含む。)は、その総量は、当然処方箋に記載された用量を超えてはならず、また、第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。
例えば、
4月3日交付、使用期間4日間、用量 10 日分の処方箋で
4月4日に5日分の調剤を受け、
次に 10 日に調剤を受けに来た場合は
(10+4)-7=7であるから、
残りの5日分を全部交付して差し支えないが、
もし第2回の調剤を4月 13 日に受けに来た場合、
(10+4)-10=4となるので
4日分しか交付できない。

保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方箋に薬剤師法第 26 条に規定する事項及び分割理由等の必要な事項を記入し、調剤録を作成した後、処方箋を患者に返却すること。

<調剤技術料>
区分 00 調剤基本料
(1) 調剤基本料は、患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋の受付1回につき算定する。なお、分割調剤を行う場合は、「注7」、「注8」又は「注9」により算定する。
(中略)
(6) 「注7」又は「注8」に係る分割調剤を行う場合は、調剤基本料は初回のみ算定し、2回目以降については「注7」又は「注8」のとおり算定するが、異なる保険薬局で分割調剤を行う場合は、各保険薬局においてそれぞれ調剤基本料を算定できる。
(7) 「注7」については、長期投薬(14 日分を超える投薬をいう。以下同じ。)に係る処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要があり、分割調剤を行った場合で、1処方箋の2回目以降の調剤を同一の保険薬局において2回目以降行った場合に算定する。
(8) 「注7」に係る分割調剤を行う場合は、処方箋の受付時に、当該処方箋を発行した医療機関等に対し照会を行うとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録に記入すること。
(9) 「注8」については、後発医薬品への変更が可能な処方箋を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により分割調剤を行った場合で、同一の保険薬局において1処方箋の2回目の調剤を行った場合に限り算定する。この場合において、2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品又は変更前の先発医薬品の調剤を行うこととする。なお、その際に、所定の要件を満たせば、「区分番号 10」の薬剤服用歴管理指導料を算定できる。
(10) 「注8」に係る分割調剤を行った場合は、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録に記入すること。また、2回目の調剤の際に、患者の意向により変更前の先発医薬品の調剤を行った場合も、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、先発医薬品に再変更した理由等の必要な事項を調剤録に記入すること。
(11) 1処方箋について、「注7」に係る分割調剤の2回目以降の調剤と「注8」に係る分割調剤の2回目の調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、いずれか一方の分割調剤に係る点数のみを算定する。
(12) 「注9」については、医師の分割指示に係る処方箋(「注7」又は「注8」に該当する場合を除く。)に基づき、患者の同意の下、分割調剤を行った場合に算定する。
(13) 「注9」に係る分割調剤を行う場合において、調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料については、当該分割調剤を行う保険薬局が当該処方箋において分割調剤を実施しない場合に算定する点数をそれぞれ合算し、分割回数で除した点数を当該調剤時に算定する。当該点数は、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。
(14) 「注9」に係る分割調剤を行う場合には、保険薬局の保険薬剤師は、以下を実施する。
分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、処方箋受付前に、継続的な薬学的管理及び指導のため、当該処方箋の1回目の調剤から全ての調剤が完了するまで、同一の保険薬局に処方箋を持参するべきである旨を説明する。
患者に対し、次回の自局への処方箋持参の意向の有無及び予定時期を確認するとともに、予定時期に患者が来局しない場合は、必要に応じ、電話等で服薬状況を確認し来局を促す
また、患者から次回は別の保険薬局に処方箋を持参する旨の申し出があった場合は、患者の了解を得た上で、次回の円滑な薬剤交付に資するよう、調剤後遅滞なく、患者が次回処方箋を持参しようとする保険薬局に対し、調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供する。
(15) 1処方箋について、「注7」、「注8」又は「注9」に係る分割調剤のうち、複数の分割調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、「注9」の分割調剤に係る点数により算定する。

調剤料
(1) 内服薬
(中略)
同一薬局で同一処方箋を分割調剤(「区分番号 00」の調剤基本料の「注7」又は「注8」に係る分割調剤に限る。)した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する
(中略)
一包化加算の取扱いは、以下のとおりとすること。
(中略)
⑥ 同一薬局で同一処方箋に係る分割調剤(「区分番号 00」の調剤基本料の「注7」又は「注8」に係る分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。


薬剤服用歴管理指導料
(25) 「区分番号 00」の調剤基本料の「注9」の分割調剤における2回目以降の調剤を行う場合には、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医へ情報提供するとともに、処方医に対して情報提供した内容を薬剤服用歴の記録に記載する。

疑義解釈その1

(調剤)問3
 調剤基本料の「注9」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。

(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方箋について分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。



(調剤)問6
分割指示に係る処方箋について、何回目の分割調剤であるかにかかわらず、別紙を含む全ての処方箋が提出されない場合は、処方箋を受け付けられないという理解でよいか。

(答)貴見のとおり。