2023年3月10日金曜日

レスタス 販売中止と代替品(経過措置:2023年3月31日迄)

 レスタス錠2mgが販売中止となるようです。
https://medical.nihon-generic.co.jp/a.php?id=785

『レスタス錠2mg』は、原薬製造先が行政処分を受け、原薬調達が不可能となり限定出荷となっていました。新たな原薬製造先を確保することができず販売を中止となりました。

経過措置期間は2023年3月31日までです。


レスタス錠の有効成分フルトプラゼパムは鐘紡株式会社(現 クラシエ製薬株式会社)により開発された持続性心身安定剤です。オルガノン(現MSD)が1986年4月に承認を取得しました。2016年10月にMSDから製造販売承認を日本ジェネリックへ移管しました。従来のベンゾジアゼピン系化合物の中でも強い抗不安作用と作用持続性を有しており、神経症、心身症における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害等に対して改善効果を示すと言われていました。
ただ、ベンゾジアゼピン系の中でも存在感は薄い薬です

レスタスの代替品

レスタスはデスアルキルフルラゼパム系ベンゾジアゼピン誘導体という構造上の分類に属します。先行して販売されていたセダプラン[※2012年販売中止](プラゼパム)とダルメート(フルラゼパム)を合わせて2で割ったような構造をしています。フルラゼパムをベースにプラゼパムのプロドラッグ技術のシクロプロパンをくっつけた構造です。

同じくフルラゼパムをプロドラッグ化した薬があります。メイラックス(ロフラゼプ酸)です。ロフラゼプ酸はフルラゼパムをベースにジゼアゼピン環の3位にカルボキシル基がくっついた構造をしています。体内に吸収時に加水分解されることで効果を発揮するプロドラッグ化が施されています。

メイラックスもレスタス同様に24時間を超える半減期をもち、プロドラッグであり副作用も軽減されています。

メイラックスを代替にしても良いのですが、

現在、不安の処方のメインは依存の出ないSSRIです。依存リスクのあるのベンゾジアゼピン系は補助的にしか使われなくなっています。

治療のスタンスによって、代替になる薬は変わってくると思います。