1. 残薬確認時の対応(備考欄)の選択肢追加
これが薬局現場にとって最も実務的なメリットが大きい変更点です。 処方箋の「備考」欄にある「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」について、医師が事前に指示できる選択肢が見直されました。
- 変更内容:
従来の「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」に加え、新たに以下の選択肢が追加(併記)されます。
> 「□ 調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」 - 実務への影響:
医師がこの新しいボックスにチェック(「レ」または「×」)を入れていた場合、薬局で患者に残薬があることを確認した際、疑義照会を行うことなく、薬剤師の判断で数量を減らして調剤することが可能になります。 その後、事後報告(トレーシングレポート等)を行えばよいため、疑義照会にかかる時間や患者の待ち時間を大幅に短縮できます。
※ただし、減量した旨を手帳に記載し、原則翌営業日までに医療機関へ情報提供する必要があります。 これにより、残薬調整の頻度が増え、患者の服薬コンプライアンス向上につながる一方、薬局側は情報提供のルーチンを確立する必要があります。
2. リフィル処方箋の欄の見直し
リフィル処方箋の活用を推進し、患者への認知度を向上させる観点から様式が見直されています。
- 変更内容: リフィルの説明が追記されています。 処方欄の下部にあるリフィル処方箋の指示欄のデザインや配置が調整されています。
> 「リフィル可 □ ( 回)」
という記載欄が、より明確に確認できる配置となっています。患者認知度向上のため、視認性が向上。 - 目的: これまでは見落とされがちだったリフィル指示を、患者・薬剤師双方がより認識しやすくし、制度の普及を図る狙いがあります。長期処方(28日以上)の推進と連動し、計画的な医学管理を評価する要件も見直されます。
- 実務への影響: 薬局では、リフィル処方箋の説明をルーチン化し、患者の再来局を促すことで、服薬指導の継続性を高められます。ただし、リフィル回数の管理と医師へのフィードバックを徹底し、特定疾患処方管理加算の算定を活用しましょう。
まとめ:薬局経営における対策
今回の様式変更は、「医師と薬局の連携」を書類上で完結させる仕組みが強化されたと言えます。
薬剤師の対応: 残薬調整の「情報提供」指示がある処方箋については、積極的な残薬確認と減量調整を行い、その実績を医療機関へフィードバックすることで、信頼関係の構築につなげてください。これが「地域支援体制加算」等の実績作りにも寄与します。 また、リフィルの推進で、調剤基本料の見直し(簡素化)に対応した収益安定化を図りましょう。全体として、薬局のDX推進(電子処方箋活用)も並行して進め、業務効率化を実現してください。
参考:保険医療機関及び保険医療養担当規則
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655183.pdf
