2026年6月施行予定の調剤報酬改定で、最も注目される変更の一つが地域支援体制加算の再編です。
名称が「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に変わり、後発医薬品調剤体制加算が廃止・統合されることで、評価体系が大きく変わります。
目的は「地域での医薬品安定供給の確保」と「地域医療への貢献」の両立をより強く評価することです。
本記事では、中医協の個別改定項目(短冊)に基づき、変更の概要・新加算の区分・要件・経過措置を詳しく解説します。
※点数は2026年1月時点で未公表(告示待ち)のため「(未定)」と表記しています。確定次第更新予定です。
1. 名称変更と再編の全体像
- 新名称:地域支援・医薬品供給対応体制加算
- 主な目的:地域における医薬品の安定供給拠点としての機能を強化しつつ、従来の地域医療貢献を継続評価。
- 最大の変更点:後発医薬品調剤体制加算(1~3)が廃止され、新加算(特に加算1)に後発使用割合の要件が統合されました。
これにより、後発促進の評価は残りつつ、安定供給体制(在庫管理・供給 chain 対応など)が必須条件に。
区分は1~5の5段階に再編され、調剤基本料の種類(基本料1か否か)や地域貢献の実績で差がつく構造です。
2. 新加算の区分・点数・主な要件(表)
| 区分 | 点数(受付1回につき) | 主な要件の概要 |
|---|---|---|
| 加算1 | (未定) | ・医薬品の安定供給確保に必要な体制を有すること ・後発医薬品の使用割合が一定以上(旧後発医薬品調剤体制加算の要素を統合) |
| 加算2 | (未定) | ・加算1の要件を満たす ・調剤基本料1を算定していること ・地域医療への貢献に係る十分な体制と実績を有すること |
| 加算3 | (未定) | ・加算2の要件を満たす ・地域医療への貢献に係る相当の実績(加算2より高い水準)を有すること |
| 加算4 | (未定) | ・加算1の要件を満たす ・調剤基本料1以外(特別調剤基本料B以外)を算定していること ・地域医療への貢献に係る十分な体制と実績(加算2相当)を有すること |
| 加算5 | (未定) | ・加算4の要件を満たす ・地域医療への貢献に係る相当の実績(加算3相当)を有すること |
特記事項
・特別調剤基本料Aを算定する薬局は、所定点数の100分の10(10%)に相当する点数を算定。
・令和9年6月以降は一部で100分の200(200%)算定の可能性も議論されていますが未確定。
3. 体制要件・実績要件の見直し内容
体制要件(主な変更点)
- 令和8年6月以降に開設・増改築する薬局は、調剤室面積16㎡以上を必須とする。
- セルフメディケーション関連機器(血圧計、体組成計など)の設置を要件に追加。
- 薬事未承認の研究用試薬・検査サービスの販売・提供を禁止(要件違反で算定不可)。
実績要件(主な変更点)
- 調剤時の薬剤一元管理による疑義照会や残薬調整の実績を重視。
- かかりつけ薬剤師による服薬指導の実績(服薬管理指導料1のイなど)。
- 「服用薬剤調整支援料」は要件項目から削除(同支援料自体の見直しに伴う)。
後発使用割合は加算1の前提条件となり、旧後発加算3相当の高い割合が基準になる見込みです(具体割合は告示待ち)。
4. 経過措置
- 令和8年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1・2・3の届出を行っている薬局は、
令和9年5月31日までの間、新加算1の後発医薬品使用割合の基準を満たしているものとみなされます。
この猶予期間があるため、急激な算定不可を避けられますが、令和9年6月までに後発使用割合の維持・向上と地域貢献実績の積み上げが重要です。
まとめ:薬局が今から準備すべきこと
今回の再編は「安定供給+後発促進+地域貢献の実績」を一体的に評価する方向性です。
特に都市部・新規開設薬局は調剤室面積や機器設置でハードルが上がる可能性が高いため、早めの確認を。
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