2014年5月17日土曜日

牛乳アレルギーの患者さんにタンナルビンの処方




牛乳アレルギーがある患者さんに以下の処方出されていました。

Rp.タンニン酸アルブミン 3g 1日3回 毎食後 7日分


タンニン酸アルブミンは服用すると口の中では溶けず、主に十二指腸で膵液により分解されてタンニン酸を遊離します。タンニン酸は渋みのもとになるものです。組織のタンパク質と水に溶けない沈殿を作ります。つまり、口の中や胃では作用は現れません。腸に届いて初めて徐々にタンニン酸を遊離して作用を示すのです。現在タンニン酸アルブミンは下痢止めとして小児科や内科で広く使われています。


しかし、牛乳アレルギーのある患者さんがタンニン酸アルブミン(タンナルビンなど)を服用すると、ショックやアナフィラキシー様症状を起こすことがあるので投与しないこととなっています。

タンニン酸アルブミンに含まれるタンパク質は牛乳に含まれるカゼインです。タンニン酸アルブミンは乳製品そのものです。牛乳アレルギーを有する患者さんには十分注意が必要な薬剤です。



今回は、患者さんがお医者さんにアレルギーについて告げていなかったそうです。
疑義照会で、タンニン酸アルブミンと同じ収斂薬のアドソルビンを提案。処方変更となりました。
(教科書的には次硝酸ビスマスなのでしょうが、在庫がないので)


タンニン酸アルブミンが処方されている場合は、過去に食品、特に乳製品に対するアレルギーやアナフィラキシーショックがあったかどうかを聞き取ることが重要です。

患者さんは、牛乳や乳製品によるアレルギー、アナフィラキシー様症状の経験がある場合は、診察時に医師や薬剤師にそのことを必ず告げましょう。