2022年1月28日金曜日

2022年度診療報酬改定 「調剤料」と「薬剤服用歴管理指導料」がなくなる。

 2022年診療報酬改定で、調剤報酬から「薬剤料」と「薬剤服用歴管理指導料」がなくなります。

2022年度調剤報酬


調剤報酬では【調剤技術料】【薬学管理料】【薬剤料】【材料費】の4つで構成されています。このうち、【調剤技術料】は「調剤基本料」と「調剤料」に分けられます。【薬学管理料】は「薬剤服用歴管理指導料」と「その他の管理料」に分けることができます(2022年1月時点)


2022年の診療報酬改定では、対物業務及び対人業務を適切に評価する観点から、薬局・薬剤師業務の評価体系について見直しが行われ、これまで「調剤料」として評価されていた薬剤調製や取り揃え監査業務などの対物業務が「調剤料」から『薬剤調製料』として新たに評価されることになりました。

そして、「調剤料」の中で評価されていた、処方内容の薬学的分析、調剤設計等のいわゆる対人業務と、これまで「薬剤服用歴管理指導料」として評価されていた薬歴の管理等に関係する業務が調剤管理料として評価されることになります。


「薬剤服用歴管理指導料」は『服薬管理指導料』に名前を変え、服薬指導に関する業務の評価を行うことになります。


国が掲げる”薬剤調製などの対物中心の業務を適切かつ効率的に実施することを前提に、薬学的管理などの対人中心の業務への転換を推進するための所要の重点化と適正化を行う”という方針のもと、対物業務は【調剤技術料】で評価し大幅に点数が下げられ、対人業務の【薬学管理料】で評価するという明確なものになりました。調剤技術料で下げたことで出てくる財源は、対人業務に割り振られ【薬学管理料】が手厚い内容になっています。




2022年1月27日木曜日

バイナス錠 販売中止と代替品

バイナス錠が販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ(バイエル薬品)
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2021-11/BNS_PNS_202111080.pdf

経過措置(予定):2023年3月末
中止理由:需要減少のため

バイナス錠はラマトロバンを成分とするアレルギー性鼻炎の適応をもつ唯一のプロスタグランジンD2(PGD2)・トロンボキサンA2(TXA2) 受容体拮抗剤です。

TXA2は、1969年PiperとVaneによりウサギ大動脈を収縮させる物質として発見されたアラキドン酸代謝産物です。そして1975年 Hambergらにより同定、命名されました。
アラキドン酸の代謝経路については、生体内において肥満細胞、好酸球、好塩基球、好中球、血小板などの炎症性細胞が抗原刺激を含む種々の刺激を受けると、細胞膜のリン脂質からホスホリパーゼの作用でアラキドン酸が産生され、さらにアラキドン酸からPG類、ロイコトリエン(LT)類、TX類のような種々の生理活性物質が産生されるといういわゆるアラキドン酸カスケードが知られています。
それらのうちTXA2が血管透過性亢進作用などを示し、アレルギー性鼻炎の病態に関与していることが明らかになりました。

このTXA2を標的に開発された薬剤がバイナス錠です。日本では2000年にバイエル薬品から発売されました。
バイナス錠は鼻閉症状を改善するとして、鼻閉型のアレルギー性鼻炎への使用がガイドラインで推奨されていました。


バイナス錠の代替品

バイナス錠はラマトロバンを成分とするアレルギー性鼻炎の適応をもつ唯一のプロスタグランジンD2(PGD2)・トロンボキサンA2(TXA2) 受容体拮抗剤です。
バイナス錠は鼻アレルギーガイドラインでは鼻閉型のアレルギー性鼻炎への使用が推奨されていました。
同様に、鼻閉型のアレルギー性鼻炎への使用が推奨されているものに第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤の『ディレグラ配合錠』がありますので、こちらが代替候補となります。



鼻アレルギーと気管支喘息の合併率は高く、喘息患者のPGD2曝露に伴う気道狭窄を抑制する目的でバイナス錠が使用されることがあります。

抗PGD2 ・TXA2 薬は喘息症状改善にある程度有用である考えられており、気管支喘息の治療薬としてTXA2合成酵素薬(オザグレル塩酸塩)やTXA2受容体拮抗薬(セラトロダスト)が適応を取得しています。


2022年1月21日金曜日

レベチラセタム ドライシロップ製剤のちがい

 2021年12月にイーケプラの初後発品が薬価収載されました。


イーケプラドライシロップの後発品は9品目が薬価収載されました。(承認時点では「ニプロ」も予定されていましたが、収載見送りとなっています)
レベチラセタムのドライシロップ製剤についてちがいをまとめてみました。

主な違いは以下の3つです。

  • 味、風味
  • 包装
  • 添加物のアスパルテーム含有の有無


味、風味のちがい

どのメーカーの薬も添加物にマンニトールやアスパルテーム、水あめなどの甘味料を使用して甘みを出すようにしています。さらに香料を使って風味付けをおこなっています。

先発品のイーケプラでは目立った風味はありませんが、後発品ではオレンジやグレープフルーツ、りんご、いちごヨーグルトのフレーバーが採用されているものもあります。
オレンジフレーバーを多くのメーカーが採用しています。これは原薬がかなり苦いので、苦味にオレンジ風味が相性がいいからでしょうか。

包装の違い

先発品のイーケプラドライシロップにはバラ100gと500gの2種類の包装が設定されています。後発品ではバラ100gの1種類です。唯一、「トーワ」のみが分包品を用意してくれています。「トーワ」は販売チャンネルが共創未来、東和、三和化学の3社ですが、分包品を扱っているのは共創未来と東和薬品だけのようです。

イーケプラドライシロップの調剤といえば、分包機への付着問題ですね。原因は粉体の静電気の帯電と考えられています。賦形剤の添加で対策するしかないのですが、分包品の存在は助かりますね。

医療薬学,42(1) 40-47 (2016).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/42/1/42_40/_pdf


添加物のちがい

イーケプラドライシロップには甘味料として「アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)」が添加されています。添付文書には『アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有するため、フェニルケトン尿症の症状を増悪させるおそれがある。』の記載があり、患者さんからのアナウンスや聞き取りなど注意が必要です。
後発品には先発と同じくアスパルテームを添加しているものもあれば、別の甘味料を使いスパルテームを配合していないものもあります(「JG」「YD」「日新」「明治」。アスパルテームを添加していない製剤の添付文書には上記の記載はありません。フェニルケトン尿症の方にはアスパルテームを添加していないものを提案できると安心ですね。

※フェニルケトン尿症とアスパルテーム
フェニルケトン尿症の患者さんはフェニルアラニンをチロシンという別のアミノ酸に変える 酵素 の働きが生まれつき弱く、身体にフェニルアラニンが蓄積してしまいます。フェニルアラニンが蓄積すると精神発達に障害をきたします。
アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2種類のアミノ酸が結合してできたL-フェニルアラニン化合物です。甘さは砂糖の約200倍で、さわやかな甘さが特徴です。
フェニルケトン尿症の人はフェニルアラニンを分解できないのでL-フェニルアラニン化合物の摂取量を制限されています。


2022年1月20日木曜日

インヒベース 販売中止と代替品 (経過措置期間:2021年3月31日)

(2022年1月追記)

インヒベースが販売中止となるようです。

販売中止のご案内(中外製薬)
https://chugai-pharm.jp/content/dam/chugai/product/notice/2018/20180709-1.pdf

経過措置:2021年3月31日迄


インヒベースは、シラザプリル水和物を有効成分とするアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬です。シラザプリルは1982年にイギリスRoche社の Hassall らによって合成されました。ACEに対して極めて親和性が高く、長時間にわたってACE阻害作用を示すため、1日1回の経口投与で血圧の良好なコントロールを可能とした持続性ACE阻害剤として、1985 年より日本において臨床試験が開始されました。その結果、1 日 1 回投与で、高血圧症全般に安定した降圧効果を示し、臨床上高い有用性が認められ、1990 年 9 月に承認され、同年11月に発売されました。1990年11月に日本ロシュ株式会社(現:中外製薬)とエーザイの2社より1ブランド2チャネルでの販売を開始し、1995年1月からは、エーザイが単独販売していましたが、2005年に共同販促は解消され、販売中止となる2021年まで中外製薬が単独で販売していました。

名前の由来は、「ACE阻害」を意味する英語「inhibit of ACE」でinhibaceというとてもわかり易いネーミングです。(当時のロッシュにしては安直ですね)


インヒベースの代替品

後発品があります。

・シラザプリル錠0.25mg/0.5mg/1mg「サワイ」

 シラザプリル錠0.25mg / 0.5mg / 1mg「サワイ」 販売中止のご案内 
https://med.sawai.co.jp/file/pr28_1287_1.pdf

・シラザプリル錠0.25mg/0.5mg/1mg「トーワ」

シラザプリル錠0.25mg / 0.5mg / 1mg「トーワ」 販売中止のご案内 

https://med.towayakuhin.co.jp/medical/product/fileloader.php?id=70850&t=4

後発品もなくなりました。
「サワイ」「トーワ」も2021年に販売中止となりました。


インヒベースは降圧効果のあるACE阻害薬です。2022年1月時点で12種類のACE阻害薬が降圧薬として用いられています。ACE阻害薬は構造上の特徴として、チオールタイプ、カルボン酸タイプ、7員環タイプの3つに分類できます。シラザプリルは7員環タイプです。他の7員環タイプのACE阻害薬にはベセナプリルやテモカプリルがあります。いずれも、シラザプリルと同じく活性化体の半減期が長く、1日1回投与です。排泄経路が胆汁・腎からというのが少し異なるところです。












2022年1月19日水曜日

健胃消化薬(医療用医薬品)ちがい早見表 2022年1月

健胃消化薬の考え方

消化器官のはたらきは、食欲を高め、唾液や胃液等の分泌を促進し、消化をよくし、消化された物質をよく吸収し、不要なものなどを排泄させることです。

すなわち、消化器系異常の治療においては、食欲・分泌能・消化・吸収の全体像の把握が対象となり、一症状の改善に限定せず、消化器系全般の機能異常と考え、これらを正常に回復させることが、より合理的と考えられています。

この考えに従うと、消化器官のはたらきを総合的な改善効果をもたらすためには、消化及び吸収に作用する薬物、運動刺激に作用する薬物、分泌刺激に作用する薬物を同時に投与することが有効と考えられます。
これらの薬物を配合したものが健胃消化薬として広く使用されています。健胃消化薬は、制酸剤、消化酵素剤、健胃剤(生薬)の配合が基本となっています。

配合処方される薬剤については、個々の薬剤に一長一短があり、それぞれの特性を生かす為の 研究が重ねられ、より優れたものとして種々の処方が検討されてきました。

医療用の健胃消化薬はその配合により大まかに8つに分類できます。



  1. カンゾウ末配合剤
  2. ジアスターゼ・生薬配合剤
  3. センブリ・重曹
  4. タカヂアスターゼ・生薬配合剤
  5. ビオヂアスターゼ・生薬配合剤
  6. ロートエキス・ゲンチアナ末配合剤
  7. 炭酸水素ナトリウム・ゲンチアナ末配合剤
  8. 炭酸水素ナトリウム・ニガキ


健胃消化薬のちがい

カンゾウ末配合剤

  • つくしA・M 配合散
  • エヌエス配合散(販売中止:2020年3月経過措置満了)
健胃生薬として芳香性健胃薬(ケイヒ末、ウイキョウ末)、苦味性健胃薬(ニガキ末、オウバク末)、芳香辛味性健胃薬(ショウキョウ末)を配合したものに、鎮痙作用を有するカンゾウ末を加えているのが特徴です。そのほか制酸剤と消化酵素のαアミラーゼが健胃作用を補助する目的で配合されています。
つくしA・M配合散はかつてはる消化酵素にリカーゼ(α-アミラーゼ)を採用していましたが、原薬の入手困難により同じα-アミラーゼのジアスメンに変更した過去があります。

ジアスターゼ・生薬配合剤

消化酵素にジアスターゼを採用し、制酸剤(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム,炭酸水
素ナトリウム,沈降炭酸カルシウム)及び生薬(チョウジ末,ウイキョウ末,ケイヒ末,シ
ョウキョウ末,オウレン末,サンショウ末,カンゾウ末)を加えた配合製剤です。
TM配合散とピーマーゲン配合散では、生薬の配合や消化酵素が追加されているという違いがみられます。

センブリ・重曹

  • センブリ・重曹散 シオエ
  • センブリ・重曹散「ヨシダ」
  • センブリ・重曹散「JG」
  • 日粉センブリ・重曹散N
  • 健胃配合錠「YD」
消化酵素が配合されていないタイプの健胃消化薬です。処方はシンプルで、制酸作用のある炭酸水素ナトリウムと生薬のセンブリを配合したものです。センブリ末は、苦味成分により胃機能を活発にして食欲を増進させる作用があります。
健胃消化薬で唯一の錠剤タイプである健胃配合錠「YD」は昭和42年に承認をうけたベテラン薬剤です。

タカヂアスターゼ・生薬配合剤

  • S・M配合散
S・M 配合散はタカヂアスターゼに制酸剤、健胃剤である生薬を配合したものです。消化酵素剤であるタカヂアスターゼは1889~1891 年頃、高峰譲吉という日本人によって発見・創製されたものです。明治末期に三共商店(現:第一三共株式会社)において生産、発売され製法上の改良を加えながら現在にいたります。タカヂアズターゼの主成分はアミラーゼで、それにプロテアーゼ、セルラーゼ等多くの酵素が含有されているものです。これら諸酵素が消化器管内に取り入れられ、総合して強力な消化力を発揮するものと考えられています。

生薬の配合はジアスターゼ・生薬配合剤と同じで、ジアスターゼ・生薬配合剤の消化酵素を変更した処方と覚えておくとよいでしょう。


ビオヂアスターゼ・生薬配合剤

制酸剤、生薬成分の健胃薬に加え消化酵素剤ビオヂアスターゼを配合した消化器症状改善を目的とした総合胃腸薬です。
YM散は制酸剤4種類に消化酵素剤2種類も配合されていて、サービスランチのような処方です。

ロートエキス・ゲンチアナ末配合剤

  • ベルサン
炭酸水素ナトリウムにロートエキスとゲンチアナ末を配合した製剤。ロートエキスが使われているので緑内障や前立腺肥大のある患者さんは服用できません。

炭酸水素ナトリウム・ゲンチアナ末配合剤

  • ビットサン
  • 重散
  • ビアサン
炭酸水素ナトリウムにゲンチアナ末を配合したものをベースに消化酵素のジアスターゼを配合したものがビットサンや重散。ビアサンは消化酵素ではなく生薬の種類を増やした処方になっています。

炭酸水素ナトリウム・ニガキ

  • 健胃散「スズ」
  • 健栄の健胃散
炭酸水素ナトリウムにニガキ末を配合したシンプルな処方です。ニガキ末は漢方では処方されない家庭薬原料の珍しい生薬です。


2022年1月18日火曜日

アルコールを含まないエアゾール製剤(2022年1月更新)

喘息患者さんで、吸入薬のアルコール臭が気になると訴える患者さんがいらっしゃいます。



エアゾールタイプの吸入薬の多くには、薬剤を溶かす溶媒として無水エタノールが使用されています。


エタノール含有エアゾール製剤は薬剤の肺内到達率が高く、ドライパウダー製剤がうまく吸入できない人でも吸入できますし、吸入補助器が使用できるというメリットが有ります。

しかし、そのメリットも患者さんが吸入してくれなくては発揮されません。


アルコール臭が気になり、吸入時に咳き込むようなことがあれば、薬剤効果が期待できず症状が安定しないようなことも予想されます。

そのような場合には他の製剤に切り替えることも考慮しなくてはなりません。


以下にエタノール含有エアゾール製剤の一覧とエタノールを含まない製剤の一覧を示します。

エタノール含有エアゾール製剤


分類

商品名

添加物
ステロイド オルベスコ50μg
 インヘラー
オルベスコ100μg
 インヘラー
オルベスコ200μg
 インヘラー
無水エタノール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)
ステロイド キュバール50
 エアゾール
キュバール100
 エアゾール
無水エタノール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)
短時間作用型
抗コリン薬
アトロベント
 エロゾル20μg
無水クエン酸
無水エタノール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
短時間作用型
抗コリン薬
テルシガン
 エロゾル
(販売中止)
無水エタノール
無水クエン酸
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
短時間作用性
β2刺激薬
アイロミール
(販売中止)
オレイン酸
無水エタノール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)
短時間作用性
β2刺激薬
ベロテック
 エロゾル100
無水エタノール
無水クエン酸
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
短時間作用性
β2刺激薬
メプチン
 エアー10μg
無水エタノール
オレイン酸
1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)
短時間作用性
β2刺激薬
メプチンキッド
 エアー5μg
無水エタノール
オレイン酸
1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)
長時間作用性
β2刺激薬

ステロイド
フルティフォーム50
 エアゾール
フルティフォーム125
 エアゾール
クロモグリク酸ナトリウム
無水エタノール
1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン
ニトログリセリン ミオコール
 スプレー0.3mg
エタノール
テトラフルオロエタン
ハッカ油



エタノールを含まないエアゾール製剤

分類 商品名 添加物
ステロイド フルタイド50μg
 エアゾール
フルタイド100μg
 エアゾール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
抗アレルギー剤 インタール
 エアロゾル
ポビドン
マクロゴール
1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)
短時間作用性
β2刺激薬
サルタノール
 インヘラー100μg 
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
長時間作用性
β2刺激薬

ステロイド
アドエア50
 エアゾール
アドエア125
 エアゾール
アドエア250
 エアゾール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
長時間作用性
抗コリン薬
+
長時間作用性
β2刺激薬
ビベスピ
 エアロスフィア28吸入
多孔性粒子(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン及び塩化カルシウム水和物から成る)
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
長時間作用性
抗コリン薬
+
長時間作用性
β2刺激薬
+
ステロイド
ビレーズトリ
 エアロスフィア56吸入
多孔性粒子(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン及び塩化カルシウム水和物から成る)
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
人工唾液 サリベート
 エアゾール
カルメロースナトリウム
D-ソルビトール
安息香酸ナトリウム
ソルビン酸
水酸化ナトリウム
二酸化炭素(噴射剤)


エタノール含有エアゾール製剤で考慮すること


  • アルコールが1滴も飲めない人にはエタノール含有エアゾール製剤は第二選択となります。
  • ジスルフィラム作用をもつ、嫌酒薬やセフェム系抗菌薬使用中のひとにはエタノール含有エアゾール製剤は第二選択となります。
  • 気道過敏性の特に高い喘息患者においてはエタノール吸入による気道刺激での咳嗽や喘息症状の発生に注意します。
  • アルコール臭に敏感な患者さんには第二選択となります。

すべての添加物を把握することは難しいですが、薬剤に含まれる具体的な添加物の成分を患者さんに伝えて、アレルギー歴の有無を確認することは、薬剤アレルギーの発現を回避する上で有効な手段です。

【参考】
公益財団法人 日本医療機能評価機構「薬局ヒヤリハット事例収集・分析事業」2019年No.6
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2019_06.pdf




コナン錠 販売中止と代替品

 コナン錠が販売中止となるようです。

https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5376_P20275.pdf


経過措置期間(予定)
2022年3月末


コナン錠は,米国ワーナー・ランバート社(現:ファイザー社)が開発したキナプリル塩酸塩を主成分とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)です。ACE阻害剤のファースト・インクラスであるカプトプリルとは異なりSH基(チオール基)を有していないカルボン酸タイプのACE阻害剤です。コナン錠はプロドラッグという特徴を持っています。

経口投与後速やかに吸収、加水分解され活性代謝物のキナプリラートとなり血管壁などの標的臓器で強力かつ持続的なACE阻害作用を示す。さらに組織移行性を高めるため3-isoquinolyl 基をもっています。臨床的には1日1回投与で24時間にわたり、安定した降圧効果を示し、高血圧に対して高い有用性が確認され、1995年6月に日本で承認を取得し同年9月に販売を開始しました。

販売開始から26年あまりで、販売中止となりました。


コナン錠は某アニメの名探偵と同じ名前なので、名前のインパクトは大きいです。
実際の名称の由来は
CONVERT + ANGIOTENSIN + ANGIO 
のアルファベットの最初の部分をつなぎ合わせた造語です。


コナン錠の代替品


後発品(ジェネリック)はありません。

コナン錠(キナプリル)は降圧効果のあるACE阻害薬です。2022年1月時点で12種類のACE阻害薬が降圧薬として用いられています。ACE阻害薬は構造上の特徴として、チオールタイプ、カルボン酸タイプ、7員環タイプの3つに分類できます。キナプリルはカルボン酸タイプです。類似の構造を持つものは、性質も似てくるので、カルボン酸タイプから替わりを選択するのがよいでしょう。

最近の企業の風潮として長期収載品を減らしていく流れがあります。この観点で考えたとき、適応が1つのものよりは、複数あるもののほうが市場からの撤退が起きにくいと考えられます。
エナラプリル、リシノプリルは高血圧症のほかに慢性心不全の適応をもっています。イミダプリルは糖尿病性腎症の適応をもっています。



2021年10月4日月曜日

レビトラ 販売中止と代替品

 ED治療薬のレビトラ錠が販売中止となるようです。

レビトラ®錠 5mg/10mg/20mg 販売中止のお知らせ(バイエル薬品)
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2021-10/LEV_PNS_202110040.pdf

販売中止時期:2022年1月~3月

経過措置期間:未定

販売中止理由:海外製造工場での生産及び入荷の目処が立たず安定供給が難しいため


レビトラ錠(成分名:バルデナフィル)は、ドイツ・バイエル社で開発されたホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬です。勃起不全(ED)に対する治療はPDE5阻害剤が第一選択薬とされ、レビトラ錠はバイアグラやシアリスと並び日常診療に汎用されています。

レビトラ錠の開発の経緯は、1~11型のアイソザイムが存在することが知られていたPDEのうち、陰茎海綿体に多く存在するPDE5に対してより強い阻害作用を有し、かつ選択性が高い、すなわち、その他のPDEアイソザイムに対する阻害作用が弱いPDE5阻害剤の開発が有効性及び安全性の面より望まれていたことに端を発します。ドイツ・バイエル社が、上述を目的に種々の化合物の検索を行った結果、PDE5阻害作用がより強くかつ選択的なバルデナフィルを見出し、レビトラ錠をED治療薬として開発するに至ったのでした。


PDE5阻害薬のED治療薬にはバイアグラやシアリスがありますが、中でもレビトラは、作用発現が速やかで効果が確実であり、食事の影響を受けにくいことが特徴とされています。

さらに、「糖尿病を有する勃起不全患者を対象とした本剤10mgおよび20mgのプラセボとの臨床比較試験」、「脊髄損傷を有する勃起不全患者を対象とした本剤の可変用量による一般臨床試験」の国内臨床試験が実施され、国外で実施された同様の2試験の成績も併せて、糖尿病などの生活習慣病の患者、脊髄損傷患者、骨盤内手術後の患者など難治性のED患者への20mg投与の有効性と安全性が確認されているのも特徴です。


レビトラ錠の代替品

レビトラ錠には後発品(ジェネリック)が存在します。
沢井製薬と東和薬品が製造販売しているものです


レビトラ錠には5mg錠の規格がありますが、後発品にはありません。
そのかわり、10mg錠に割線がついています。

参考:各種ED治療薬の特徴比較

2021年7月26日月曜日

糖尿病用注射剤の開封後の使用期限をまとめました

(2021.07.更新)

被災地における未使用のインスリン製剤の保管について


未使用のインスリン製剤は基本的に冷蔵庫での保存をお願いしていますが、冷蔵庫にて保管できない場合には、使用中のインスリンと同様、室温にて下記の点に注意して保管し使用してください。

  1. 凍結を避けてください。また、暖房器具や直射日光による高温を避け遮光して保存してください。
  2. 室温で保管をはじめてから4週間は大きな変化が認められませんので、どの製剤も少なくとも4週間は、ご使用いただけます。なお、4週間を超える安定性については、製剤により異なります。
  3. 使用される際には、破損や浮遊物など異常がないか念のためご確認ください。異常が認められた場合にはご使用をお控えください。



平成23年4月 東北地方太平洋沖地震にて被災された患者の皆様へ
http://dm-rg.net/news/2011ima/about_unuse_insulin.pdf

インスリン製剤 使用開始後の保管温度と使用可能日数

使用開始後、インスリン製剤を室温(1~30℃)に置き始めてからは、以下の表の期間を参考にご使用ください。

インスリン製剤は遮光保存です。キャップをするか外箱等に入れて保管してください。


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ヒューマログ注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログミックス25注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログミックス50注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

28日間

ヒューマログN注

カート・ミリオペン

30℃以下の室温

18日間

ヒューマリンR注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマリンN注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマリン3/7注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ヒューマログ注

100単位/mL

2~8℃

28日間

ノボラピッド注

ペンフィル・
フレックスタッチ・
フレックスペン・
イノレット・
100単位/mL

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド30ミックス注

ペンフィル・
フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド50ミックス注

フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

ノボラピッド70ミックス注

フレックスペン

30℃以下の室温

4週間

トレシーバ注

ペンフィル・
フレックスタッチ

30℃以下の室温

8週間

レベミル注

ペンフィル・
フレックスペン・
イノレット

30℃以下の室温

6週間

ノボリンR注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

ノボリン30R注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

ノボリンN注

フレックスペン

30℃以下の室温

6週間

イノレット30R注


30℃以下の室温

6週間

ノボリンR注

100単位/mL

30℃以下の室温

6週間

ライゾデグ配合注

フレックスタッチ

30℃以下の室温

4週間

ランタスXR注

ソロスター

25±2℃

6週間

ランタス注

ソロスター・
カート・
100単位/mL

25±2℃

4週間

アピドラ注

ソロスター・
カート・
100単位/mL

25±2℃

4週間

インスリングラルギンBS注
「リリー」

ミリオペン・
カート

30℃以下の室温

28日間

インスリングラルギンBS注
「FFP」

キット

30℃以下の室温

4週間

フィアスプ注

ペンフィル・
フレックスタッチ・
100単位/mL

30℃以下の室温

4週間

ルムジェブ注

カート・
ミリオペン・
ミリオペンHD・
100単位/mL

30℃以下の室温

28日間

インスリン リスプロ BS 注
HU「サノフィ」

ソロスター・
100単位/mL・
カート

30℃以下の室温

28日間

インスリン アスパルト BS注
NR「サノフィ」

ソロスター・
100単位/mL・
カート

30℃以下の室温

28日間




GLP-1受容体作動薬 使用開始後の保管温度と使用可能日数


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ビクトーザ

皮下注18mg

30℃以下の室温

30日間

ビデュリオン

皮下注用2mgペン・
皮下注用2mg

30℃以下の室温

4週間

バイエッタ

皮下注5μgペン300・
10μgペン300

25℃以下

30日間

リキスミア

皮下注300μg

25℃以下

30日間

トルリシティ

皮下注0.75mgアテオス

30℃以下の室温

14日

オゼンピック

皮下注2mg

室温〔冷蔵庫(2~8℃)も含む〕

8週間

GLP-1受容体作動薬とインスリン配合剤 使用開始後の保管温度と使用可能日数


製品名

剤形

使用後の保管温度

使用可能日数

ゾルトファイ配合注

フレックスタッチ

25℃以下
30℃以下の室温

4週間
3週間

ソリクア配合注

ソロスター

25℃±2

31 日間


インスリン製剤およびGLP-1受容体作動薬の各製剤の、使用開始後の保管温度と使用可能日数は、添付文書に表記されています。上記はそれらをまとめたものです。詳細は、添付文書及びインタビューフォーム、または製造各社問い合わせ窓口にてご確認ください。


参考:
日本イーライリリー「 平成30年7月豪雨の被害に伴う弊社糖尿病領域製品の保管について」
ノボノルディスクファーマ「 使用開始後の保管温度と使用可能日数」




サノフィ・アベンティス株式会社
医薬品関連 くすり相談室
0120-109-905(フリーダイヤル)9:00-17:00 (祝日・会社休日を除く)
糖尿病関連医療機器の操作方法 オプチコール24
0120-497-010(フリーダイヤル) 24時間365日 

日本イーライリリー株式会社
医薬情報問合せ窓口リリーアンサーズ
医療関係者向け0120-360-605 (当面24時間受付)
患者様向け0120-245-970(当面24時間受付) 

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ノボケア相談室
月曜日から金曜日(祝日・会社休日を除く)9:00~18:00 0120-180-363
早朝・夜間及び土日・祝日・会社休日(時間外受付センター) 0120-359-516

2021年6月21日月曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2021年6月収載後発品関連

2021年6月18日に後発品の薬価収載がありました。

各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。


「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、品目によって違ってきます。

(基本的には発売月の翌月1日から)


切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省ホームページの

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」

5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。

https://www.mhlw.go.jp/topics/2021/04/tp20210401-01.html


2021年7月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

ルネスタ錠1mg

ルネスタ錠2mg

ルネスタ錠3mg

サインバルタカプセル20mg

サインバルタカプセル30mg

アイファガン点眼液0.1%

アレジオン点眼液0.05%

アレジオンLX点眼液0.1%

ザクラス配合錠LD

ザクラス配合錠HD

アドシルカ錠20mg

ベシケア錠2.5mg

ベシケア錠5mg

ベシケアOD錠2.5mg

ベシケアOD錠5mg

アリムタ注射用500mg

アリムタ注射用100mg


2021年10月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


アロキシ静注0.75mg

アロキシ点滴静注バッグ0.75mg



2021年6月18日金曜日

アレジオン点眼と後発品の添加物比べてみた

 2021年6月18日、6月の後発医薬品薬価基準追補収載がなされました。初後発品は9成分でした。そのうち、参天製薬の抗アレルギー点眼剤「アレジオン点眼」とその後発品について添加物の違いなどをまとめてみました。


アレジオン点眼の後発品(エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%)は12社12品目が収載されました。オーソライドジェネリック(AG)を噂されていた、エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「SEC」は収載を見送っています。


後発品の薬価は159.8円です。(先発:339.2円)



コンタクトレンズを装着したまま点眼可能か


アレジオン点眼液は発売当初、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物を添加していました。そのため、添付文書には「コンタクトレンズ装用時の使用は避ける」旨の記載がありました。その後、製品の改良がなされ、ベンザルコニウム塩化物を添加していない現在の製品が誕生しました。そのため、現在のアレジオン点眼液の添付文書には「コンタクトレンズ装用時の使用は避ける」の記載はありません。


では、この度収載された後発品はどうでしょうか、すべての製品の添付文書を確認したところ、コンタクトレンズの使用に関する注意の記載はありませんでした。



添加物のちがい


エピナスチン点眼液の先発品と後発品で添加物にちがいはあるのでしょうか。

先発のアレジオン点眼液の添加物はリン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、ホウ酸、塩化ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤です。「GO」、「SN」、「TS」、「杏林」、「センジュ」、「トーワ」、「ニットー」、「ニプロ」、「わかもと」のこれら9品目が先発品と全て同じ添加物でした。


「サワイ」と「日新」はリン酸二水素ナトリウム水和物が無水物のリン酸二水素ナトリウムに変更されていました。

「日点」は他に等張化剤を添加しているようです。



容器のちがい


各社、容器にはそれぞれ個性が出ています。ただ、キャップの色は先発と同じような黄土色で統一されています。

容器の形状によってフタの開けやすさ、さしやすさ、が異ってきますが、感覚には個人差があるため優劣はつけられません。いくつか見本を取り寄せて実際のものを触ってみるしかないようです。




2021年3月24日水曜日

ナシビン点鼻・点眼液 0.05% 販売中止と代替品

 ナシビン点鼻・点眼液 0.05%が販売中止となるようです。

販売中止のご案内 (佐藤製薬)
https://medinfo-sato.com/update/pdf/200630_nasivin.pdf


経過措置期間
2021年3月31日まで


ナシビン点鼻・点眼液 0.05%は、1961年にドイツのエー・メルク社で開発されたイミダゾリン誘導体である塩酸オキシメタゾリンの 0.05%水溶液です。局所の強い血管収縮作用並びに粘膜の腫脹消退作用があります。鼻粘膜ならびに粘膜の充血抑制作用の機序は特異的に交感神経α受容体を直接刺激することにより生ずる末梢血管収縮作用に基づいています。


ナシビン点鼻・点眼液 0.05%の代替品


ナシビンと同様の局所性血管収縮剤が代替候補になります。

「コールタイジン点鼻液」「トラマゾリン点鼻液0.118%「AFP」 」「プリビナ液0.05%」があります。コールタイジンはステロイドが配合されているのが特徴です。そのため、6歳以上からしか使用できません。


これら医療用の局所性血管収縮剤は点鼻容器に移し替えたものを点鼻します。この「点鼻」は、初めての人には難しく、コツを掴むまでたくさん出すぎたり、鼻の後ろから喉に降りてきたり、扱いにくいです。

その点、一般用医薬品では霧状に噴霧できる点鼻できるスプレータイプのものが選べます。

ナシビンは2011年にスイッチOTCとして『ナシビンMスプレー』を販売しています。


フランセチン・T・パウダー 販売中止と代替品

フランセチン・T・パウダーが販売中止となるようです。

『フランセチン・T・パウダー』製造・販売中止のご案内 PDFファイル
『フランセチン・T・パウダー』経過措置移行品目のご案内 PDFファイル

経過措置期間:2021年3月31日迄


フランセチン・T・パウダーは広汎な抗菌スペクトルを有する抗生物質フラジオマイシンと壊死組織融解作用を有する蛋白分解酵素トリプシンを配合した外用散布剤です。

フラジオマイシンとトリプシンを併用すると病巣の清浄化作用ならびに蛋白分解酵素のenzymatic debridement作用により抗生物質の病巣内移行性が亢進し、治癒機転が著しく促進されると考えられています。ここから両者配合の外用剤は化膿性潰瘍、壊死、膿瘍、びらん、などの傷口の消毒に使える薬と考えられていました。

粉が容器の中に入っていて、容器を押して粉を患部に散布するという、特徴的な剤形の薬剤でした。しかし、粉という剤形は傷口の乾燥化を早めるという、古い考え方に基づいた設計であるので、「傷口はなるべく乾かさない」という現代の考え方にはそぐわないものになってきたため販売を中止することになったのでしょう。


フランセチン・T・パウダーの代替品

同一の成分、同一の効能・効果を有する代替品はありません。

フラジオマイシン感性菌によるびらん・潰瘍の二次感染の効能・効果を有する外用薬には「バラマイシン軟膏」や「ソフラチュール貼付剤」があります。

しかし、アミノグリコシド系は感作されやすいという欠点をもっています。特にフラジオマイシンは接触源として有名です。

表在性の感染はほとんどがブドウ球菌ですので、アミノグリコシド系の外用剤を選択しなくてもよいでしょう。そうすると、スファジアジン銀(ゲーベン®クリーム)、ポビドンヨード・シュガー(ユーパスタコーワ軟膏)、カデキソマー・ヨウ素(カデックス®軟膏)を選択することか勧められます。

浅い傷などであれば、ナジフロキサシン(アクアチムクリーム)やフシジン酸ナトリウム(フシジンレオ軟膏)を用いることができます。