2020年3月12日木曜日

2020年度診療報酬改定 バイオ後続品導入初期加算【在宅自己注射指導管理料】

国は医療費削減の方策として、後発品の使用指針を掲げています。
80%を目標にしていましたが、目標間近で頭打ちに近くなってきていました。
そこで、バイオ医薬品の後発品、バイオ後続品の普及にも力を入れるようです。

2020年度診療報酬改定において、
在宅自己注射指導管理料について、バイオ後続品に関する情報を患者に提供した上で、患者の同意を得て、バイオ後続品を導入した場合の評価として バイオ後続品導入初期加算が新設されます。医科診療報酬の在宅自己注射指導管理料の加算です。

バイオ後続品の普及、認知度を高めていくために
「バイオ後続品を知らない患者にバイオ後続品を推奨する際の情報提供」
「バイオ後続品に切り替える場合の患者への説明や症状の観察」
を行ったことを評価するもので最初に処方した月から3カ月を限度に月1回150点を加算できます。
ただし、オンライン診療で在宅自己注射管理指導料を算定する場合にはバイオ後続品導入初期加算は算定できません。

09 令和2年度診療報酬改定の概要(個別的事項)|厚生労働省

バイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一である別のバイオ後続品に変更した場合、例えば『インスリン グラルギン BS 注キット「FFP」』から『インスリン グラルギン BS 注カート「リリー」』へ切り替えるような場合が想定できますが、このような場合は再度算定はできないようです。 

疑義解釈資料の送付について(その1)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年3月31日
問 97 区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料のバイオ後続品導入初期加算について、バイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一である別のバイオ後続品に変更した場合、再度算定可能か。 

(答)算定不可。 


在宅自己注射可能なバイオ後続品(2020年4月時点)

在宅自己注射指導管理料に規定する注射薬、すなわち保険診療上、在宅自己注射可能な注射薬は「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(平成 18 年厚生労働省告示第 107 号)」や「特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)別表9」に示されています。

現時点で在宅自己注射指導管理料の対象となるバイオ医薬品の注射薬が存在するのは、インスリン製剤、ヒト成長ホルモン剤、顆粒球コロニー形成刺激因子製剤、エタネルセプト製剤、テリパラチド製剤です。
バイオ先行品とバイオ後続品の代表例を以下にお示しします。

薬効分類
一般的名称
○バイオ先行品
◆バイオ後続品

インスリン製剤
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
○ランタス注 100 単位/mL
○ランタス注カート
○ランタス注ソロスター
○ランタスXR 注ソロスター
◆インスリン グラルギン BS 注キット「FFP」
◆インスリン グラルギン BS 注カート「リリー」
◆インスリン グラルギン同 BS 注ミリオペン「リリー」 リリー

ヒト成長ホルモン剤
ソマトロピン(遺伝子組換え)
○ジェノトロピンTC注用12mg
○ジェノトロピンゴークイック注用12mg
◆ソマトロピン BS 皮下注 5mg「サンド」シュアパル
◆ソマトロピン BS 皮下注 10mg「サンド」シュアパル

顆粒球コロニー形成刺激因子製剤
フィルグラスチム(遺伝子組換え)
○グラン注射液 75
○グラン注射液 150
○グラン注射液 M300
○グランシリンジ 75
○グランシリンジ 150
○グランシリンジ M300
◆フィルグラスチムBS 注 75μ g シリンジ「F」
◆フィルグラスチムBS 注 150μ g シリンジ「F」
◆フィルグラスチムBS 注 300μ g シリンジ「F」
◆フィルグラスチムBS 注 75μ g シリンジ「NK」
◆フィルグラスチムBS 注 150μ g シリンジ「NK」
◆フィルグラスチムBS 注 300μ g シリンジ「NK」
◆フィルグラスチムBS 注 75μ g シリンジ「サンド」
◆フィルグラスチムBS 注 150μ g シリンジ「サンド」
◆フィルグラスチムBS 注 300μ g シリンジ「サンド」
◆フィルグラスチムフィルグラスチム BS 注 75μ g シリンジ「テバ」
◆フィルグラスチムBS 注 150μ g シリンジ「テバ」
◆フィルグラスチムBS 注 300μ g シリンジ「テバ」
◆フィルグラスチムフィルグラスチム BS 注 75μ g シリンジ「モチダ」
◆フィルグラスチムBS 注 150μ g シリンジ「モチダ」
◆フィルグラスチムBS 注 300μ g シリンジ「モチダ」
※顆粒球コロニー形成刺激因子製剤については、再生不良性貧血及び先天性好中球減少症の患者に対して用いた場合に限り算定する。

エタネルセプト製剤
エタネルセプト (遺伝子組換え)
○エンブレル皮下注用 10mg
○エンブレル皮下注用 25mg
○エンブレル皮下注 25mg シリンジ 0.5mL
○エンブレル皮下注 50mg シリンジ 1.0mL
○エンブレル皮下注 25mgペン 0.5mL
○エンブレル皮下注 50mg ペン 1.0mL
◆エタネルセプト BS 皮下注用 10mg「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注用 25mg「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注 25mg シリンジ 0.5mL「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mgシリンジ 1.0mL「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注 25mg ペン 0.5mL「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mg ペン 1.0mL「MA」
◆エタネルセプト BS 皮下注 10mg シリンジ 1.0mL「TY」
◆エタネルセプト BS 皮下注 25mg シリンジ 0.5mL「TY」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mg シリンジ1.0mL「TY」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mg ペン 1.0mL「TY」
◆エタネルセプト BS 皮下注 10mg シリンジ 1.0mL「日医工」
◆エタネルセプト BS 皮下注 25mg シリンジ 0.5mL「日医工」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mg シリンジ 1.0mL「日医工」
◆エタネルセプト BS 皮下注 50mg ペン 1.0mL「日医工」

テリパラチド製剤
テリパラチド(遺伝子組換え)
○フォルテオ 皮下注キット600μ g
◆テリパラチド BS 皮下注キット 600µg「モチダ」

[医科点数表]
C101 在宅自己注射指導管理料
1 複雑な場合 1,230点
2 1以外の場合
イ 月27回以下の場合 650点
ロ 月28回以上の場合 750点

注1  別に厚生労働大臣が定める注射薬の自己注射を行っている入院中の患者以外の患者に対して、自己注射に関する指導管理を行った場合に算定する。ただし、同一月に第2章第6部の通則第6号に規定する外来化学療法加算を算定している患者については、当該管理料を算定できない。

(導入初期加算)
注 2  初回の指導を行った日の属する月から起算して3月以内の期間に当該指導管理を行った場合には、導入初期加算として、3月を限度として、580点を所定点数に加算する。
注 3  処方の内容に変更があった場合には、注2の規定にかかわらず、当該指導を行った日の属する月から起算して1月を限度として、1回に限り導入初期加算を算定できる。

(バイオ後続品導入初期加算)
注 4  患者に対し、バイオ後続品に係る説明を行い、バイオ後続品を処方した場合には、バイオ後続品導入初期加算として、当該バイオ後続品の初回の処方日の属する月から起算して3月を限度として、150点を所定点数に加算する。

(オンライン在宅自己注射指導管理料)
注 5  別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、区分番号A003に掲げるオンライン診療料を算定する際に在宅自己注射指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、注1の規定にかかわらず、所定点数に代えて、在宅自己注射指導管理料(情報通信機器を用いた場合)として、月1回に限り100点を算定する。


[留意事項 保医発0305第1号]
C101 在宅自己注射指導管理料
(1) 在宅における排卵誘発を目的とする性腺刺激ホルモン製剤を用いた治療については、在宅自己注射指導管理料は算定できない。ただし、性腺刺激ホルモン製剤に含まれるフォリトロピンベータ製剤(遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤)を「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の治療のために投与した場合、又はフォリトロピンアルファ製剤(遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤)を「視床下部-下垂体機能障害又は多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の治療のために投与した場合に限っては、在宅自己注射指導管理料を算定できる。
(2) インターフェロンベータ製剤については、多発性硬化症に対して用いた場合に限り算定する。
(3) インターフェロンアルファ製剤については、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く。)を目的として単独投与に用いた場合、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(セログループ1の血中HCV RNA量が高い場合を除く。)を目的として単独投与に用いた場合、HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善を目的として単独投与に用いた場合及びHTLV-1関連脊髄症(HAM)に対して用いた場合に限り算定する。
なお、ペグインターフェロンアルファ製剤については算定できない。
(4) グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩配合剤については、慢性肝疾患における肝機能異常の改善に対して用い、在宅自己注射での静脈内投与について十分な経験を有する患者であって、医師により必要な指導を受けた場合に限り算定する。
(5) 顆粒球コロニー形成刺激因子製剤については、再生不良性貧血及び先天性好中球減少症の患者に対して用いた場合に限り算定する。
(6) アドレナリン製剤については、蜂毒、食物及び毒物等に起因するアナフィラキシーの既往のある患者又はアナフィラキシーを発現する危険性の高い患者に対して、定量自動注射器を緊急補助的治療として用いた場合に限り算定する。
(7) 「1」複雑な場合については、間歇注入シリンジポンプを用いて在宅自己注射を行っている患者について、診察を行った上で、ポンプの状態、投与量等について確認・調整等を行った場合に算定する。この場合、プログラムの変更に係る費用は所定点数に含まれる。
(8) 在宅自己注射の導入前に、入院又は2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する。ただし、アドレナリン製剤については、この限りではない。また、指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付すること。なお、第2節第1款の在宅療養指導管理料の通則の留意事項に従い、衛生材料等については、必要かつ十分な量を支給すること。
(9) 「2」については、医師が当該月に在宅で実施するよう指示した注射の総回数に応じて所定点数を算定する。なお、この場合において、例えば月の途中にて予期せぬ入院等があり、やむを得ずあらかじめ指示した回数が在宅で実施されなかった場合であっても、当該指示回数に応じて算定することができる。ただし、予定入院等あらかじめ在宅で実施されないことが明らかな場合は、当該期間中の指示回数から実施回数を除して算定すること。また、「2」は区分番号「B001」の「7」難病外来指導管理料との併算定は可とする。
(10) 「注2」に規定する導入初期加算については、新たに在宅自己注射を導入した患者に対し、3月に限り、月1回に限り算定する。ただし、処方の内容に変更があった場合は、さらに1回に限り算定することができる。
(11) 「注3」に規定する「処方の内容に変更があった場合」とは、処方された特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更があった場合をいう。また、先行バイオ医薬品とバイオ後続品の変更を行った場合及びバイオ後続品から先行バイオ医薬品が同一であるバイオ後続品に変更した場合には算定できない。
なお、過去1年以内に処方されたことがある特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬に変更した場合は、算定できない。
(12) 「注4」にて規定するバイオ後続品導入初期加算については、当該患者に対して、バイオ後続品の有効性や安全性等について説明した上で、バイオ後続品を処方した場合に、当該バイオ後続品の初回の処方日の属する月から起算して、3月に限り、月1回に限り算定する。
「バイオ後続品を処方した場合」とは、バイオ後続品の一般的名称で処方した場合(例えば、「○○○○○○(遺伝子組換え)[●●●●●後続1]」と処方した場合をいう。)又はバイオ後続品の販売名で処方した場合(例えば、「●●●●● BS注射液 含量 会社名」と処方した場合をいう。)をいう。
(13) 「注2」及び「注3」に規定する導入初期加算並びに「注4」に規定するバイオ後続品導入初期加算は、対面診療を行った場合に限り、算定できる。
(14) 在宅自己注射指導管理料を算定している患者の外来受診時(緊急時に受診した場合を除く。)に、当該在宅自己注射指導管理に係る区分番号「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射、区分番号「G001」静脈内注射を行った場合の費用及び当該注射に使用した当該患者が在宅自己注射を行うに当たり医師が投与を行っている特掲診療料の施設基準等の別表第九に掲げる注射薬の費用は算定できない。
なお、緊急時に受診した場合の注射に係る費用を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に緊急時の受診である旨を記載すること。
(15) 在宅自己注射指導管理料を算定している患者については、当該保険医療機関において区分番号「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は区分番号「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)を算定する日に行った区分番号「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射、区分番号「G001」静脈内注射及び区分番号「G004」点滴注射の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は算定できない。
(16) 同一月に第2章第6部の通則6に規定する外来化学療法加算を算定している患者の外来受診時に、当該加算に係る注射薬を用いて当該患者に対して自己注射に関する指導管理を行った場合については、当該管理料を算定できない。
(17) トシリズマブ製剤については、皮下注射により用いた場合に限り算定する。
(18) アバタセプト製剤については、皮下注射により用いた場合に限り算定する。
(19) 2以上の保険医療機関が同一の患者について、異なった疾患に対する当該指導管理を行っている場合には、いずれの保険医療機関においても、当該在宅療養指導管理料を算定できる。
なお、この場合にあっては、相互の保険医療機関において処方されている注射薬等を把握すること。
(20) ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム製剤については、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)の既往のある患者又は急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)を発症する危険性の高い患者に対して、筋肉内注射により用いた場合に限り算定する。
(21) 「注5」に規定する点数は、対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療計画を作成し、当該計画に基づいてオンライン診療による計画的な療養上の医学管理を行うことを評価したものであり、オンライン診療を行った月に、オンライン診療料と併せて、月1回に限り算定する。
(22) 「注5」に規定する点数が算定可能な患者は、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病、肝疾患(経過が慢性なものに限る。)又は慢性ウイルス性肝炎の患者であって、当該管理料を初めて算定した月から3月以上経過しているものに限る。