2026年2月15日日曜日

2026年調剤報酬改定:かかりつけ薬剤師 廃止・新設のポイント

2026年(令和8年度)調剤報酬改定で、かかりつけ薬剤師制度が抜本的に見直されます。導入から10年を経て、従来の「同意書を結べば高い点数がもらえる」形式主義から、具体的な行動(電話フォローや訪問による残薬対策など)を実績として評価する成果重視の体系へシフトします。

これにより、算定薬局の低迷やノルマ問題の解消、患者の主体的な選択促進が狙われています。主な変更点をまとめます。

1. 従来のかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の完全廃止

これまで独立していた以下の点数が廃止されます。

  • かかりつけ薬剤師指導料(現行76点)
  • かかりつけ薬剤師包括管理料(現行291点)

これに代わり、服薬管理指導料の中に「かかりつけ薬剤師が行った場合」の区分(イ)が新設されます。

服薬管理指導料の区分

  • イ:かかりつけ薬剤師が行った場合 → 45点(3月以内の再来局) / 59点(それ以外)
  • ロ:イ以外の場合 → 45点(3月以内の再来局) / 59点(それ以外)

基本点数はかかりつけか否かで差がなくなりましたが、後述の加算で実績が評価される形です。




2. 具体的なかかりつけ機能を実績で評価する新加算の創設

単なる「かかりつけ登録」ではなく、継続的なフォローや訪問などの行動が報われる加算が新設されました。

  • かかりつけ薬剤師フォローアップ加算:50点
    • 算定頻度:3月に1回限り
    • 要件:患者・家族の求めに応じ、前回調剤後~次回持参までの間に電話等で服薬状況・残薬確認・指導を実施した場合
  • かかりつけ薬剤師訪問加算:230点
    • 算定頻度:6月に1回限り
    • 要件:患者・家族の求めに応じ、患家訪問で残薬整理・服用管理指導を行い、結果を保険医療機関に情報提供した場合
    • 注意:交通費は患者負担

これにより、「名乗るだけ」ではなく「実際に機能を発揮したか」が問われるようになります。


3. かかりつけ薬剤師の施設基準(要件)が緩和+新設

なり手拡大のため、薬剤師個人の要件が緩和される一方、薬局全体の体制強化が求められます。

薬剤師個人の要件緩和

  • 勤務時間:週32時間以上 → 週31時間以上
    (育児・介護短時間勤務者:週24時間以上+週4日以上で可)
  • 在籍期間:継続1年以上 → 継続6か月以上
    (産休・育休・介護休業復職者:休業前在籍期間を合算可)

薬局全体の新設要件

  • 常勤薬剤師の平均在籍期間:1年以上
  • 管理薬剤師の在籍期間:継続3年以上
  • 患者プライバシー配慮:独立したカウンター設置など


4. 不在時などの特例(連携対応)の導入

やむを得ない事情で担当のかかりつけ薬剤師が不在の場合でも、薬局内の連携体制が整っていれば算定可能です。

  • 別の保険薬剤師(厚生労働大臣が定める基準を満たす)が指導した場合、特例として服薬管理指導料を算定(59点相当)

これで薬局全体の継続的管理機能が担保されます。

まとめ:形式から機能・実績重視へ

今回の改定は、「同意書さえ取れればOK」だった時代から、電話フォロー・訪問・残薬整理などの具体的なアクションに対して加算で報いる成果主義へ完全に転換したと言えます。

要件緩和でかかりつけ薬剤師の参入障壁は下がりますが、「証拠」となる実績管理(患者同意の記録、フォロー履歴、訪問報告など)が鍵に。薬局としては、

  • 薬剤師研修の強化
  • 電話・訪問フォロー体制の構築
  • データ管理システムの導入

を急ぐべきタイミングです。患者満足度向上と収益安定のチャンスですが、算定実績の証明が求められる厳しい改定でもあります。


(2026年2月時点の答申に基づく内容です。最終確定点数は厚生労働省発表をご確認ください)