2019年10月24日木曜日

薬剤師が知っておいたほうがいい軽減税率

2019年10月から社会保障と税の一体改革の下、消費税率引上げ(8%→10%)に伴い、所得の低い方々に配慮する観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に消費税の「軽減税率制度」が実施されました。特定の品⽬に対して軽減税率(8%)が適⽤されます。

薬局では、薬だけはなく日用品や飲食料品など幅広く取り扱っています。
軽減税率制度の対象品目や疑問点についてまとめてみました。


軽減税率の対象品目


対象品目の考え方は単純で、口にはいるずべての飲食物が対象です。
ただし、酒税法規制される「酒類」や薬機法に規定される「医薬品」、「医薬部外品」及び「再生医療等製品」は除きます。
また食品衛生法に規定する「添加物」、いわゆる食品添加物は軽減税率の対象です。



薬局でよくあつかう軽減税率対象例にはなにがある?


食品
介護食や病者用食品なども軽減税率対象です。

飲料
OS-1やアクアソリタなどの経口補水液は軽減税率対象です。

その他
オブラートや食品添加物のアルコールやクエン酸は軽減税率対象です。



会計時ややこしくなるのが、2つの税が混在する場合です。
薬局で考えられる例としては、
・「健康食品」と「医薬品」を購入する場合
・「食品添加物」と「医薬品」を購入する場合
があります。

医薬品と類似した健康食品や食品添加物が存在することが、ややこしさのもとになっていると思われます。


薬局の待合で飲み物を飲むために購⼊した場合は軽減税率対象外?


飲食料品は軽減税率が適用され、税率8%になりますが、イートインの場合は外食と同じ扱いとなり軽減税率は適応されず10%となります。

薬局の待合で調剤を待つ間にジュースを飲むこともあるかもしれません、また薬を受け取ったその場で薬を飲むため水を購入するかもしれません。
このような場合、イートインとみなされるのでしょうか。

結論は軽減税率の対象です。
薬局の待合のイスは薬局業務運営ガイドライン等で設置が義務付けられているものです。飲⾷⽤のスペースではないため、軽減税率の対象となります。

ただし、飲⾷専⽤のスペースを設けた場合(明示してある、または客観的にイートインスペースと判断可能な場合)は軽減税率の対象とはなりません。


参考:
【国税庁HPより】消費税の軽減税率制度に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-03.pdf

2019年9月26日木曜日

リフラップ軟膏、リフラップシートの販売中止と代替品

皮膚潰瘍治療剤の
リフラップ軟膏とリフラップシートが販売中止となるようです。

https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/di/ot_file/o173.pdf

販売中止時期は2020年2月~8月を予定。
経過措置期間満了は2021年3月末日を予定。


リフラップの主薬はリゾチームです。
リゾチームは1922 年 Fleming によってはじめて溶菌作用を示す酵素様物質として発見されました。
その後 1937 年に Abraham によって、卵の白身から抽出結晶化されました。

リゾチームは多面的な薬理作用をもち、その結晶性塩化物であるリゾチーム塩酸塩が内服薬(製品名「ノイチーム」、1964 年 12 月)として広く臨床に用いられていました。

リフラップ軟膏はリゾチーム塩酸塩の組織修復作用・瘢痕形成作用等の特徴ある作用に着目し、皮膚潰瘍治療剤として開発された軟膏剤で、1986 年に上市されました。
その後、医師、看護師あるいは患者自身が、簡便かつ清潔にしかも短時間に軟膏を使用できる剤形の要望が多かったことから、予め軟膏を支持体に塗布した製剤であるリフラップシートが開発され、1997 年に上市されています。


上記、リゾチームの内服薬は2016年3月 に開催 された薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会における審議の結果、 「本剤の医療上の有用性は認められない」 との評価をうけ、製薬企業が販売を中止、製品を自主回収しています。
今回のリフラップ販売中止で、リゾチーム製剤は点眼薬のムコゾーム点眼液0.5%(参天)のみとなりました。


リフラップの代替品


リフラップ軟膏
リフラップ軟膏は皮膚潰瘍を効能効果とする薬剤です。褥瘡における処置によく使われます。
褥瘡の治療においては、創の浸出液の量と薬剤の「吸水性」「保湿性」「補水性」をアセスメントしながら外用薬を選択します。
リフラップ軟膏は油中水型(W/O)の乳剤性基剤で「保湿性」に優れており、滲出液が適正な創に用いられます。

リフラップと同様に基剤が油中水型(W/O)の薬剤にはソルコセリル軟膏があります。

基剤の性状は違いますがプロスタンディン軟膏も「保湿」に秀でているのでリフラップに適した滲出液が適正な創に使用できます。

アクトシン軟膏は代替として考えられなくはないですが、基剤が「吸水性」の性質を持っているため滲出液の多い創に適しています。
リフラップでコントロールしていた創の浸出液の量に適さない場合もありえます。患部の状態を見極める必要があります。


リフラップシート
軟膏ではない剤形で、肉芽形成を期待する薬剤という点ではフィブラストスプレーが代替として挙がりそうです。

2019年9月20日金曜日

ノルスパンテープの施設登録がWEBで可能になりました(2019.09.17)


ノルスパンテープは厚生労働省からの承認条件として、調剤するためには施設登録が必要な薬剤です。

この施設登録の方法として、MRが施設登録書を薬局へ持参し書面にて登録をしていましたが、2019年9月17日からWeb 上でも、施設登録が出来る様になりました。



6ヶ月納品がないと登録が失効する


実は、この施設登録は医薬品卸へ6ヶ月以上納品がないと失効してしまうのです。しかも、失効してしまったら発注をかけても再登録するまで商品を入荷できません。再登録もMRの訪問を待つ必要があるので、急な処方箋に対応できず患者さんをお待たせしたりすることがあります。

この度、WEB上で施設登録ができるようになったのは現場にとっては朗報です。


WEB登録方法


ノルスパン®テープ適正使用推進 Web サイトで登録できます。
https://norspan.jp/

上記webサイトにある「医療機関の登録方法」にある申請ボタンを押します。



ログイン画面へ遷移します。
いままでに処方元医師のe-learning 受講状況確認のために当該サイトパスワードを取得しているのであれば、それが利用できるので左側へ入力します。

初めての場合は、右側の申請フォームから施設情報の入力をおこない施設固有のIDとパスワードの発行手続きを行います。



登録のやり方がよくわからない場合は電話で問い合わせると
窓口のお姉さんが優しく教えてくれます。

ノルスパンテープ流通管理窓口 : 0120-086808


今まで卸から購入せず店舗間で小分けしてたから施設登録なんてしたことないんだけど・・・


そういう施設もあるでしょう。
ただ、承認条件の逸脱を助長する行為を行っているのですから好ましいことではないですね。
事後でもよいので、Webでスムースに登録できるようになったので、この際、登録しておいたほうが良いでしょう。
処方せんが来ていない段階でも登録自体は可能です。


(参考)
ブプレノルフィン経皮吸収型製剤の使用に当たっての留意事項について
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/other000023100/bupurenorufin.pdf

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2019年6月収載後発品

2019年6月14日に後発品の薬価収載がありました
各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。

「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、商品によって違ってきます。
(基本的には発売月の翌月1日から)

切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省の

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」
5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2019/08/tp20190819-01.html


2019年7月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


ロナセン散2%
ロナセン錠2mg
ロナセン錠4mg
ロナセン錠8mg

デュオトラバ配合点眼液

ナゾネックス点鼻液50μg56噴霧用
ナゾネックス点鼻液50μg112噴霧用


2019年10月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更


ネスプ注射液5μgプラシリンジ
ネスプ注射液10μgプラシリンジ
ネスプ注射液15μgプラシリンジ
ネスプ注射液20μgプラシリンジ
ネスプ注射液30μgプラシリンジ
ネスプ注射液40μgプラシリンジ
ネスプ注射液60μgプラシリンジ
ネスプ注射液120μgプラシリンジ
ネスプ注射液180μgプラシリンジ




2019年3月6日水曜日

テルロン錠0.5 販売中止と代替品


選択的ドパミン作動薬のテルロン錠が販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ|バイエル薬品(2019年2月)
https://pharma-navi.bayer.jp/static/media/pdf/products/information/TLN_PNS_201902220.pdf

経過措置期間満了日:2020年3月末予定


テルロン錠は、バイエル社が開発した麦角アルカロイドであるエルゴリン誘導体のテルグリドを主成分として含有する製剤です。

1994年10月に承認され、1995年3月に発売され約25年間、高プロラクチン血性排卵障害や高プロラクチン血性下垂体腺腫、乳汁漏出症の治療、そして産褥性乳汁分泌抑制と女性のために頑張ってきた薬です。

テルグリドは、内分泌系においては下垂体前葉のドパミンD2受容体に作動薬として作用することでプロラクチン分泌を持続的に抑制します。また、中枢神経系ではドパミンD2受容体に対し部分作動薬として作用することから他の高プロラクチン血症に使用するドパミン作動薬に比べ嘔吐等の中枢性副作用が少ないことが特徴です。


テルロン錠0.5の代替品


高プロラクチン血症の治療薬としてはテルロン錠の他に、パーロデル(ブロモクリプチン)、カバサール(カベルゴリン)があります。

パーロデル
初期量として2.5mgを夕食後より投与し増量していき、プロラクチン正常化で維持量とします。通常食直後投与ですが、嘔気嘔吐などの消化器症状が起きやすいため、消化器症状緩和を目的とし寝る前に投与することもあります。


カバサール
週1回0.25mgより開始します。2週以上の間隔で増量し、維持量を決めます。心臓弁膜症患者には使用できないので注意が必要です。さらに長期投与において心臓弁膜症が現れることがあるので、投与前・投与中に聴診等の身体所見の観察、心エコー検査により確認が必要です。
この薬は、光りと湿気に弱いので乾燥剤入りの専用遮光袋に入れて保存します。
いろいろ気を使う薬です。


なお、テルロン錠には後発品が存在します。


2019年3月5日火曜日

空腹時投与から食後投与へ 珍しい用法用量変更 ジカディアカプセル


2019年2月21日、肺がん治療薬のジカディアカプセル150mgの新しい用法用量が承認されました。

今まで用法用量は「750mgの1日1回空腹時投与」となっていました。
今回、用法用量が「450mgの1日1回食後投与」に変更されました。

1日用量が減り、服用タイミングも空腹時から食後という、大幅な変更です。
かなり珍しいケースです。

この変更に伴い、
「食事の影響を避けるため、食事の前1時間および食事の後2時間以内を避けて服用してください。必ず指示された服用方法に従ってください。」
という注意事項も削除されています。

患者さんが古いくすりのしおりを見て混乱しないように注意しなくてはいけません。


用法用量変更の経緯

「750mgの1日1回空腹時投与」は、未治療の進行ALK融合遺伝子陽性非小細がん(NSCLC)に優れた効果を示すものの、服薬継続ができなくなるほどの下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現することが課題となっていました。

こうした患者の負担を軽減するために、有効性を保ちながら、消化器症状の発現の軽減により安全性プロファイルを改善できる用法及び用量を検討するための治験(CLDK378A2112試験)を実施。

「450mgの1日1回食後投与」においても有効性維持と毒性低減を両立できたことから今回の変更に至っています。


【参考】
ASCND-8(Clinical Trials.gov)
ALK陽性NSCLCに対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験。

カリクレイン錠 販売中止と代替品


循環系作用酵素製剤のカリクレイン錠10単位が販売中止となるようです。

販売中止のお知らせ|バイエル薬品 2019年1月
https://pharma-navi.bayer.jp/omr/online/notice_info/KAL_PNS_201901070_1545022917.pdf

経過措置期間:未定


カリクレイン錠は新鮮な豚の膵臓から抽出生成された糖タンパク質からなる酵素であるカリジノゲナーゼを主成分とする薬剤です。
カリジノゲナーゼは1925年にヒトの尿中に存在する血圧を下げる物質として、ミュンヘン大学のFreyの研究グループによって発見されました。その後、バイエル社が降圧薬として研究・開発に着手し1930年代に製剤化に成功しました。
日本では、1951年当時の吉富製薬がドイツのバイエル社から輸入を取扱い国内の流通が開始されました。

2019年の販売中止まで約70年間医療現場で活躍した薬です。
カリクレインはカリクレイン・キニン系に作用する唯一の薬剤で、発売当初はレセルピンとともに高血圧や末梢循環改善の治療に使用されてきました。最近は降圧剤としての使用よりは、高血圧に伴う肩こり、頭痛症例に対して使われることが多いです。また基礎的な検討において蝸牛血流の増加が報告されていることから耳鼻科領域でめまい患者にも処方されています。


カリクレイン錠10単位の代替品


カリクレインの代替品として同じカリジノゲナーゼ製剤であるカルナクリンやサークレチンS及びその後発品があげられます。

効能効果はカリクレインもカルナクリンも同じです。
違いは、1錠あたりのカリジノゲナーゼの量です。
カリクレインが1錠あたり10単位なのに対し、カルナクリンは25単位と50単位配合されています。
また用法用量はカリクレインは1日量が30~60単位 分3なのに対しカルナクリンは30~150単位 分3と異なっています。

カルナクリン50単位はカリクレインの2倍程度の薬価しか差がないですがカリジノゲナーゼの量は5倍です。そのお得感もあってかはわかりませんが、処方量もカリジノゲナーゼ製剤の中では1位(第3回NDBデータ)となっています。2位はカルナクリンの後発品、カリジノゲナーゼ錠50単位「日医工」です。


カリクレイン錠から切り替えるとしたら、薬効的にはどのカリジノゲナーゼ製剤でも大差はないでしょう。そこで、錠剤のサイズに着目してみたいと思います。

カリクレインの錠剤の大きさは以下のとおりです。
直径(mm)6.2
厚さ(mm)2.6~3.1
色 白色

直径の長さが近いカリジノゲナーゼ製剤は次の通り。

  • カリジノゲナーゼ錠25単位「アメル」 
    6.3 mm 白色〜微黄白色
  • カリジノゲナーゼ錠25単位「サワイ」 
    6.2 mm 淡橙色
  • カリジノゲナーゼ錠25単位「日新」  
    6.3 mm 白色〜微黄白色
  • カリジノゲナーゼ錠50単位「日医工」 
    6.3 mm だいだい色
  • サークレチンS錠25
    6.6 mm 白色


「日医工」は25単位の間違いではありません。50単位のほうがサイズが小さく設計されているようです。


カリジノゲナーゼの作用機序


カリジノゲナーゼ(kallidinogenase)は血漿中のキニノーゲンからキニンを遊離させ、このキニンが直接血管平滑筋に作用して血管を拡張させます。さらにキニンはプロスタグランジン(PG)や一酸化窒素(NO)の産生を介して微小循環障害を改善すると考えられています。
適応疾患
1)以下の疾患における末梢循環障害の改善:高血圧症、メニエール症候群、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病)
2)以下の症状の改善:更年期障害、網脈絡膜の循環障害


2018年12月22日土曜日

エンシュアのコーヒー味にカフェインは含まれていますか?


エンシュアリキッド、エンシュアHのコーヒー味にはカフェインは含まれていません。
香料のみで味付けしているそうです。

医薬品の経腸栄養剤は窒素源の形態によりエレンタールなどおの成分栄養剤、ツインラインNFなどの消化態栄養剤、エンシュア・リキッド,ラコールNFなどの半消化態栄養剤の3群に分けることができます。
経腸栄養法において消化吸収機能が保たれている場合は半消化態栄養剤が第1選択となります。少量より開始し標準量へ増やしていきます。肝疾患や腎不全など病態別経腸栄養剤もあります。

これら経腸栄養剤の中には複数の味やフレーバーを提供しているものがあります。

中でも、コーヒー味は人気があるように感じます。患者さんいわく「薬の甘ったるさをコーヒーの苦味がマスクしてくれる」そうです。

そんなコーヒー味ですがよくある問い合わせの一つに
カフェインは含まれるのか?
というものがあります。

各種経腸栄養剤のコーヒー味(フレーバー)のカフェイン含量についてメーカーに確認しました。
以下にまとめています。

●エンシュア・リキッド エンシュアH
カフェインは含まれていない。
香料のみでコーヒー風味または抹茶風味にしている。

●アミノレバンEN
カフェインは含まれていない。
コーヒーに由来するものは使用していない。

●エレンタール、へパンED用フレーバー
原料にコーヒーエキスパウダーを使用している。
1包あたり83mgのカフェインを含んでいる。
これは、インスタントコーヒー1杯分に相当。

●ラコールNF
コーヒー味には製剤200mLあたり0.2mg含有している。
抹茶味には製剤200mLあたり0.7mg含有している。




2018年12月18日火曜日

メサフィリン配合散/配合錠 販売中止と代替品

胃・十二指腸潰瘍、胃炎治療剤のメサフィリン配合散/配合錠が販売中止となるようです。

2019年4月販売中止
経過措置期間2020年3月末まで(予定)

メサフィリン配合散は1953年、メサフィリン配合錠は1954年に販売を開始し、
2019年をもって需要低下に伴いやむなく販売中止となります。
緑の錠剤や粉薬は珍しく非常に特徴的な外見の薬でした。
在宅訪問すると、飲まれずに余っている代表選手です。緑で目立ちますし印象に残っています。

メサフィリンは銅クロロフィリンナトリウム、プロパンテリン臭化物、ケイ酸マグネシウムの3成分が配合された製剤です。葉緑素から作られた緑の成分の銅クロロフィリンナトリウムが荒れた胃粘膜を修復・保護し、ケイ酸マグネシウムが出過ぎた胃酸を中和、プロパンテリン臭化物が胃酸分泌を抑制します。

メサフィリンの名称の由来は
プロパンテリン臭化物の別名のプロメサンテリンブロマイドの「メサ」と銅クロロフィリンナトリウムの「フィリン」です。


メサフィリン配合散/配合錠の代替品


メサフィリンの適応は「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎における自覚症状及び他覚所見の改善」です。
胃潰瘍に対する非除菌治療の維持療法にはH2ブロッカースクラルファートが推奨されています。また、十二指腸潰瘍のそれでは、上記薬剤にPPIが追加され推奨されています。



メサフィリンと同一の適応症をもつ、配合剤は以下のとおりです。

●キャベジンUコーワ配合散
 【成分】
  メチルメチオニンスルホニウムクロリド
  メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
  沈降炭酸カルシウム
  炭酸マグネシウム
 ※甲状腺機能亢進症、透析患者には禁忌

●コランチル配合顆粒
 【成分】
  ジサイクロミン塩酸塩
  乾燥水酸化アルミニウムゲル
  酸化マグネシウム
 ※甲状腺機能亢進症、前立腺肥大による排尿障害、麻痺性イレウス、重篤な心不全、透析患者には禁忌

●マーズレンS配合顆粒・配合錠
 【成分】
  アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
  L-グルタミン

緑の胃薬サクロン♪

「緑の胃薬 サクロン」のCMでおなじみの一般用医薬品のサクロンは、メサフィリンの成分である銅クロロフィリンナトリウムを配合したものです。
胃酸の中和や分泌を抑える成分はメサフィリンとは異なります。

メサフィリンも劇的に効く薬ではないですし、一般用医薬品で代替可能です。




鉄剤とビタミンCを一緒に摂取してもあまり意味はない

鉄剤とビタミンCを一緒に摂取してもあまり意味はありません


小腸にある鉄を細胞内に吸収するトランスポーターは還元型の鉄(Fe2+)しか輸送できないため、鉄を還元状態に保つことが鉄剤の吸収効率を上げると考えて、医薬品である鉄製剤とビタミンCの同時投与が、かつては行われていました。
しかし明らかなエビデンスがないため、現在は行われていません。

では、ビタミンCが鉄の吸収を助けるというのは嘘なのか?というと、そうではありません。あくまで、薬としての鉄剤との併用メリットの確証がないだけで、食事から摂取される鉄の吸収にはビタミンCは多いに関与しています。

2018年8月理研と兵庫県立大学によって、ビタミンCが鉄分の吸収を促進するメカニズムを原子レベルで解明されました。
http://www.u-hyogo.ac.jp/outline/media/press/2018/monthly/pdf/20180820.pdf

ビタミンCだけでなく食物に含まれる有機酸もFe3+の還元反応を促進する補助に関与していることがわかりました。

食べ物からの鉄は非還元型のFe3+で存在しているため、ビタミンCや有機酸が吸収に大いに寄与しますが、還元型の鉄Fe2+として体内に供給可能な硫酸鉄徐放剤や、フェロミアやフェルムなどの有機酸鉄であるため、ビタミンC併用による吸収効率増加の寄与は大きくないと考えられます。

出典:兵庫県立大学プレスリリースより


鉄剤は食後に服用してはいけないの?


低いpHで鉄吸収の効率がよいと考えられていたことから、かつては空腹時の投与が望ましいと考えられていました。
しかし、空腹時に投与しても吐き気などの胃腸症状が頻発するだけで、食後投与と対して効果も変わりません。
そのため、胃腸症状の発現を抑える目的で、現在は食後に投与するのが一般的です。


鉄剤とお茶は一緒に飲んでもいいの?


大量でないのであれば、お茶を飲んでも問題ありません。

茶類が含むタンニン酸が鉄イオンと結合するため吸収効率が低下すると考えられていたことから、鉄剤服用前後にお茶類を飲むことを制限していた歴史があります。
確かに健常男子において、鉄剤服用後3時間までお茶により吸収に影響があることは報告されています。しかし女性や貧血患者などの場合には、鉄吸収能が健常男子に比較して亢進しているので鉄剤の吸収への影響は小さくなると考えられています。
鉄欠乏性貧血の治療において、臨床上の支障をきたすほどの影響があるとは考えにくいことから現在は多量の茶類摂取でなければ問題はないと考えられています。

 鉄剤服用患者にお茶を飲むなということは、日常生活上の不自由を強制することになります。お茶を飲むことが鉄欠乏性貧血の治療に障害を与えるほどの影響がないなら、鉄剤服用患者に対してノンコンプライアンスを避ける意味でもお茶を控えるということは見直す必要があります。


鉄剤はいつまで飲むの?

体に鉄を貯めるために最低でも4週間以上。

鉄剤を投与開始して4週間後には、検査を実施してヘモグロビン値の上昇を確認します。
投与開始後2週間後の網赤血球数を測定して、赤血球造血の亢進を確認することもあります。
投与4週間後のヘモグロビン値が上昇して基準値内に入った場合、
それでもすぐに鉄剤の投与を中止しません。
血清フェリチン値をモニターしながら、十分に貯蔵鉄が蓄積したのを確認してから治療を終了します。
血清フェリチンの基準値は幅が広いので、少なくとも100ng/mL以上に達するまで継続されます。

投与4週間後のヘモグロビン値が投与開始前の値から上昇が認められない場合は、
鉄吸収障害やほかの病因による貧血の合併などを考慮します。
子宮筋腫など明らかな出血源が確認されている場合には、鉄剤の中止により再度鉄欠乏状態に陥ることがあるので、3〜6か月ごとに血算と血清フェリチン値を測定しながら、注意深く投薬を続ける必要があります。貯蔵鉄を保つ意味で50mg/日程度の鉄剤を隔日投与することもあります。


2018年12月17日月曜日

テツクール 販売中止と代替品

テツクール徐放錠100mgが販売中止となるそうです。

2018年11月:経過措置期間のお知らせ(あすか製薬)
https://www.aska-pharma.co.jp/iryouiyaku/upload/save_file/info_stop_12products_201811%20_1.pdf

経過措置満了:2019年3月31日
(2019年4月1日以降は薬価削除され、保険請求できなくなります。)

テツクール徐放錠 100mgは、帝国臓器製薬(現 あすか製薬)が、乾燥硫酸鉄を用いた徐放性鉄剤である「テツクールS」として1976 年 11 月から販売している鉄欠乏性貧血治療剤です。
テツクール徐放錠は既に発売中止しているフェーマス錠(岩城製薬)の後発品です。


テツクール徐放錠の代替品


内服の鉄剤には吸収されやすい二価鉄(Fe2+)が製剤化されています。
テツクールのような還元鉄剤の硫酸鉄、有機酸鉄剤にはフマル酸第一鉄、クエン酸第一テウナトリウム、ピロリン酸第二鉄があります。

テツクールとおなじ硫酸鉄製剤には
フェロ・グラデュメットがあります。
1錠あたりの鉄量が異なりますが、使用方法はテツクールと同じです。



経口鉄剤の投与量はどの薬剤も、鉄100〜200mg/日ですがその理由は、血を作るのに必要な鉄の量が1日100mg程度であり、200mgを超える用量では胃腸障害による悪心の出現頻度が多くなるからです。



2018年12月15日土曜日

「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミング 2018年12月収載後発品


2018年12月14日に後発品の薬価収載がありました
各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報が更新され、後発医薬品の数量シェア(置換え率)に影響があります。

「後発医薬品がない先発医薬品」が後発品の登場により「後発医薬品がある先発医薬品」に変わるタイミングは、商品によって違ってきます。
(基本的には発売月の翌月1日から)

切り替わるタイミングに関しては、厚生労働省の

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」
5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)の備考欄に記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2018/04/tp20180401-01.html


2019年1月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

プレセデックス静注液200μg「マルイシ」
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「マルイシ」
プレセデックス静注液200μg「ファイザー」
プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」

ロルカム錠2mg
ロルカム錠4mg

トラムセット配合錠


ストラテラカプセル5mg
ストラテラカプセル10mg
ストラテラカプセル25mg
ストラテラカプセル40mg
ストラテラ内用液0.4%

リフレックス錠15mg
リフレックス錠30mg
レメロン錠15mg
レメロン錠30mg

ルミガン点眼液0.03%
レルパックス錠20mg
ルナベル配合錠ULD

バイナス錠50mg
バイナス錠75mg

2019年4月1日から「後発医薬品がある先発医薬品」に変更

ユリーフ錠2mg
ユリーフ錠4mg
ユリーフOD錠2mg
ユリーフOD錠4mg

ゼローダ錠300

イレッサ錠250

ブイフェンド200mg静注用








2018年12月13日木曜日

アルミニウムを含む医薬品一覧



アルミニウムの排泄路が腎であることから、腎の機能が障害されている人では、アルミニウムが体内に蓄積してしまい、全身性の中毒をきたす可能性があります。

透析療法を受けている人でアルミニウムを含有する胃腸薬を長期服用した場合に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告があります。

成分に『アルミニウム』と明記してあればよいのですが、化学構造中にアルミニウムを含むものであっったり慣用名で表示されるものにはアルミニウムが含まれているのかひと目でわからないものがあります。



そこで、有効成分にアルミニウムを含む医薬品の一覧表を作成してみました。

ここに記載されている薬は、透析患者には禁忌です。また、腎機能が低下している方が長期に服用するとアルミニウム脳症やアルミニウム骨症のリスクが高まるので注意が必要です。




商品名

アルミニウム含有成分

アルキサ錠100mg

アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「あすか」
アルジオキサ顆粒25%「あすか」
アルジオキサ顆粒50%「あすか」
アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「イセイ」 アルジオキサ
アルジオキサ錠100mg「トーワ」
アルジオキサ顆粒10%「トーワ」
アルジオキサ
アルジオキサ顆粒20%「日医工」 アルジオキサ
アルジオキサ顆粒50%「YD」 アルジオキサ
アルジオキサ顆粒50%「ツルハラ」
アルジオキサ顆粒25%「ツルハラ」
アルジオキサ錠100mg「ツルハラ」
アルジオキサ
イサロン錠100mg
イサロン顆粒25%
イサロン顆粒50%
アルジオキサ
M・M配合散 サナルミン
YM散「イセイ」 サナルミン
合成ケイ酸アルミニウム
スクラルファート内用液10%「タイヨー」 スクラルファート
スクラルファート細粒90%「ツルハラ」 スクラルファート
スクラルファート顆粒90%「トーワ」 スクラルファート
スクラルファート顆粒90%「日医工」 スクラルファート
アルサルミン内用液10% スクラルファート水和物
アルサルミン細粒90% スクラルファート水和物
スクラルファート内用液10%「日医工」 スクラルファート水和物
FK配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
HM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
KM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
NIM配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
S・M配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
キャベジンUコーワ配合散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
マナミンTM散 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
つくしA・M配合散 乾燥水酸化アルミニウムゲル
アイスフラット懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
アルミゲル細粒99% 乾燥水酸化アルミニウムゲル
エヌ・エス配合散 乾燥水酸化アルミニウムゲル
コランチル配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
マーレッジ懸濁用配合DS 乾燥水酸化アルミニウムゲル
マーロックス懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
リタロクス懸濁用配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
レスポリックス配合顆粒 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル「ニッコー」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル「ファイザー」原末 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル原末「マルイシ」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル原末「マルイシ」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒「ケンエー」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒「三恵」 乾燥水酸化アルミニウムゲル
ピーマーゲン配合散 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミ「ヨシダ」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「コザカイ・M」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ニッコー」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ファイザー」原末 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「ヤマゼン」M 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「三恵」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム「東海」 合成ケイ酸アルミニウム
合成ケイ酸アルミニウム原末「マルイシ」 合成ケイ酸アルミニウム
マックメット懸濁用配合DS 水酸化アルミニウムゲル
アシドレス配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
タイメック配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
ディクアノン配合内用液 水酸化アルミニウムゲル
マグテクト配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
マルファ懸濁用配合顆粒 水酸化アルミニウムゲル
マルファ配合内服液 水酸化アルミニウムゲル
アドソルビン原末 天然ケイ酸アルミニウム
ジオン注無痛化剤付 硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸
ジオン注生食液付 硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸