2020年2月10日月曜日

2020年度診療報酬改定 後発医薬品調剤体制加算【調剤基本料】

後発医薬品調剤体制加算は調剤基本料の加算で、
①後発医薬品の調剤割合が一定以上、
②「後発医薬品の調剤を積極的に行っている」旨を薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示し、当該加算算定の旨を薬局内の見やすい場所に掲示していること
が主な施設基準となります。

2020年度の診療報酬改定では、
薬局における後発医薬品調剤体制加算について、2020年9月までに後発医薬品使用割合80%を達成するという政府目標を踏まえつつ、更なる後発医薬品の使用を促進するため、薬局での後発医薬品の備蓄に一定のコストが必要であることや薬局全体の調剤数量割合を向上させる必要があることなども踏まえ、要件が見直されました。

具体的には
調剤数量割合の要件はそのまま維持されましたが、75%以上の「加算1」は3点引き下げられ15点、85%以上の「加算3」は2点引き上げられ28点となりました。



なお、2020年3月末時点で後発医薬品の調剤割合に変更がなければ2020年4月に改めての届出は必要ありません。
令和2年度診療報酬改定の概要(Q&A・調剤)より


疑義解釈資料の送付について(その5)厚生労働省保険局医療課 事務連絡令和2年4月16日
【後発医薬品調剤体制加算】
問2 
後発医薬品調剤体制加算について、いわゆるバイオAG(先行バイオ医薬品と有効成分等が同一の後発医薬品)はバイオ後続品と同様に後発医薬品の使用割合に含まれるのか。

(答)含まれる。




※後発医薬品の数量シェア(置換え率)
=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕
=〔3で分類される品目の数量〕/(〔2で分類される品目の数量〕+〔3で分類される品目の数量〕)


各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、
1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品等)、

2:後発医薬品がある先発医薬品
(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む)

3:後発医薬品
(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)
として分類しています。

厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2019/08/tp20190819-01.html




「後発医薬品のある先発医薬品」が増えるタイミング
http://www.ygken.com/2014/06/blog-post_17.html

後発医薬品のある先発医薬品とは
http://www.ygken.com/2014/12/blog-post_11.html

後発医薬品調剤体制加算のカットオフ値
http://www.ygken.com/2014/03/blog-post_24.html

[調剤点数表]
調剤基本料
後発医薬品調剤体制加算) 
注6 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)第7条の2に規定する後発医薬品(以下「後発医薬品」という。)の調剤に関して別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ 後発医薬品調剤体制加算1  15点
ロ 後発医薬品調剤体制加算2  22点
ハ 後発医薬品調剤体制加算3  28点


[留意事項 保医発0305第1号]
<通則>
調剤基本料の「注6」の後発医薬品調剤体制加算及び「注7」に係る後発医薬品については、「「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について(令和2年3月5日保医発 0305 第7号)を参照すること。

[施設基準:告示第59号]
五 後発医薬品調剤体制加算の施設基準
(1)通則
当該保険薬局において調剤した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が五割以上であること。
(2)後発医薬品調剤体制加算1の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が七割五分以上であること。
(3)後発医薬品調剤体制加算2の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が八割以上であること。
(4)後発医薬品調剤体制加算3の施設基準
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が八割五分以上であること。



[施設基準の留意事項 保医発0305第3号]
第 93 後発医薬品調剤体制加算
1 後発医薬品調剤体制加算1に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が75%以上であること。
(2) 当該保険薬局において調剤した薬剤(4に掲げる医薬品を除く。)の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が 50%以上であること。
(3) 後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示するとともに、後発医薬品調剤体制加算を算定している旨を当該保険薬局の内側の見やすい場所に掲示していること。

2 後発医薬品調剤体制加算2に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が80%以上であること。
(2) 1の(2)及び(3)の基準を満たすこと。

3 後発医薬品調剤体制加算3に関する施設基準
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が 85%以上であること。
(2) 1の(2)及び(3)の基準を満たすこと。

4 後発医薬品調剤体制加算の施設基準に関する留意点
(1) 後発医薬品の規格単位数量の割合を算出する際に除外する医薬品
 ア 経腸成分栄養剤
エレンタール配合内用剤
エレンタールP乳幼児用配合内用剤
エンシュア・リキッド
エンシュア・H
ツインラインNF配合経腸用液
ラコールNF配合経腸用液
エネーボ配合経腸用液
ラコール NF 配合経腸用半固形剤
イノラス配合経腸用液
 イ 特殊ミルク製剤
フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」
ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合散「雪印」
 ウ 生薬(薬効分類番号 510)
 エ 漢方製剤(薬効分類番号 520)
 オ その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品(薬効分類番号 590)

(2) 当該加算への該当性については、直近3月間の当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合をもって翌月に判断し、同月内に必要な届け出を行った上で、翌々月から当該加算の区分に基づく所定点数を算定する。

5 届出に関する事項
後発医薬品調剤体制加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式 87 を用いること。