2020年2月10日月曜日

2020年度診療報酬改定 調剤後薬剤管理指導加算【薬剤服用歴管理指導料】

ポイント
調剤後薬剤管理指導加算はインスリンやSU薬による重症低血糖を防ぐためのもの

2020年度診療報酬改定において薬局の対人業務を評価する項目として、調剤後薬剤管理指導加算が新設されることになりました。

調剤後薬剤管理指導加算とは
地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局が調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合の評価とされています。

【薬剤服用歴管理指導料】
(新) 調剤後薬剤管理指導加算 30点

[算定要件]
地域支援体制加算を届け出ている保険薬局において、インスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「糖尿病治療薬」という。)を使用している糖尿病患者であって、新たに糖尿病治療薬が処方されたもの又は糖尿病治療薬に係る投薬内容の変更が行われたものに対して、患者若しくはその家族等から求めがあった場合であって、処方医に了解を得たとき又は保険医療機関の求めがあった場合に、患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書等により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、1月に1回に限り30点を所定点数に加算する。


調剤後薬剤管理指導加算が新設された経緯


糖尿病治療薬の副作⽤により、低⾎糖となる場合があります。低⾎糖による症状として、動悸、⼿指の震え、めまい等の他、重度の場合には、意識障害やけいれん発作を起こす場合があります。平成29年に意識障害の傷病者に対して救急救命⼠が行った特定⾏為のうち、⾎糖測定の件数は約48,000件、ブドウ糖静注の件数は約8,000件でした。ここ数年、低血糖による意識障害での救急対応は増えてきています。

そして、重症低血糖に影響した要因として、「⾷事の内容・タイミングの不適合」が約4割、「薬剤の過量もしくは誤投与」が約3割だったとの調査結果があり。さらに原因薬剤としては、インスリンとSU剤が90%を占める現状が明らかになっています。

糖尿病の患者さんでは、処⽅薬の種類や⽤法・⽤量等が変更になった場合について、服薬過誤のリスクが高まることが予想されることから調剤後に電話等により服用上の注意等についてあらためて指導等を⾏う必要があるとして、当加算が新設されました。

2019年12月4日中医協総会(第438回)「調剤報酬(その3)について」

2019年12月18日中医協総会(第442回)「調剤報酬(その4)について」

2019年12月18日中医協総会(第442回)「調剤報酬(その4)について」


調剤後薬剤管理指導加算を算定するには
以下の条件を満たし、患者や医療機関に情報提供を行うことで可能となります。

<薬局>
地域支援体制加算の届出があること

<患者>
インスリン又はスルフォニル尿素系製剤(SU剤)を使用していること
・新たにインスリン又はSU剤が処方
・インスリン又はSU剤に係る投薬内容の変更

<その他>
患者の同意が必要
・患者若しくはその家族等から求め+処方医の了解
・保険医療機関の求め

調剤した日以外に
電話等により患者に確認
→インスリン又はSU剤の服用状況、副作用の有無等
→必要な薬学的管理及び指導を行う
必要な情報を文書等により提供
→保険医療機関に


関連情報(糖尿病リソースガイド)

インスリン製剤・インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬 早見表(PDF)

[調剤点数表]
10 薬剤服用歴管理指導料
(調剤後薬剤管理指導加算)
注10 区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者の同意を得て、調剤後も当該薬剤の服用に関し、電話等によりその服用状況、副作用の有無等について当該患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導(当該調剤と同日に行う場合を除く。)を行うとともに、保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合には、調剤後薬剤管理指導加算として、月1回に限り30点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料は算定できない。

[留意事項 保医発0305第1号]
区分 10 薬剤服用歴管理指導料
10 調剤後薬剤管理指導加算
(1) 調剤後薬剤管理指導加算は、低血糖の予防等の観点から、糖尿病患者に新たにイン
スリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)が処方等された患者に対し、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。
なお、インスリン製剤等の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。
(2) (1)の「新たにインスリン製剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 新たにインスリン製剤等が処方された患者イ 既にインスリン製剤等を使用している患者であって、新たに他のインスリン製剤等が処方された患者ウ インスリン製剤の注射単位の変更又はスルフォニル尿素系製剤の用法・用量の変更があった患者
(3) 当該加算に係る電話又はビデオ通話によるインスリン製剤等の使用状況の確認等は、以下のア又はイの場合に患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、調剤後の薬剤管理指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(4) 本加算の調剤後のインスリン製剤等の使用状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話又はビデオ通話による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。
(5) 保険医療機関に対して情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載する。
(6) 電話等による患者のインスリン製剤等の使用状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき副作用等の情報を入手した場合(インスリン製剤等以外の薬剤による副作用が疑われる場合を含む。)は、遅滞なく当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。
(7) 当該加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない
(8) 当該加算は、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については算定できない