2014年4月17日木曜日

ザルティア錠 保険請求上の注意



ザルティア錠は一般名タダラフィル、前立腺肥大症による排尿障害に適応をもつ薬剤です。

ED治療薬のシアリスと同一成分です。


ザルティアの作用機序

下部尿路組織に分布するPDE5 を阻害することによりcGMP濃度を上昇させます。
・血管平滑筋が弛緩し、下部尿路組織の血流や酸素供給が増加します。
・前立腺、尿道、膀胱頸部の平滑筋も弛緩することから、これらの作用が総合的に働いて下部尿路の組織障害や排尿障害を改善します。

これらの薬効は陰茎海綿体にも同様に作用し、勃起を増強させます。


2014年4月17日にザルティア錠は薬価収載されました。同時に厚生労働省から留意事項が通達されています。

ザルティア錠2.5mg及び同5mg(薬価基準等の一部改正に伴う留意事項について:保医発0417第4号)
本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意において「本剤の適用にあたっては、前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、適切な検査により診断を確定すること」とされており、適切な検査により前立腺肥大症と診断された場合に限り算定できること。また、診療報酬明細書の記載に当たっては、尿流測定検査、残尿検査、前立腺超音波検査等の診断に用いた主な検査について、実施年月日を摘要欄に記入すること。



ガイドラインに沿った検査を行わなければ、保険請求できないと思われます。

ガイドラインには以下の記載があります。

前立腺肥大症を想定した場合に必ず行うべき評価としては、病歴聴取、症状・QOL評価、身体所見、尿検査、尿流測定、残尿測定、血清PSA測定、前立腺超音波検査がある。


厚労省、泌尿器科関連団体ともに、注視されるものと考えられます。
ガイドラインに準じた診療、尿流測定検査など前立腺肥大症に対する検査は必須です。