2014年4月22日火曜日

麻薬を海外へ持って行くには

海外旅行等の際に、自分の病気の治療目的や予防目的で医薬品を携帯することは認められています。ただし、医療用麻薬を携帯する場合には、旅行へ行く国により法規制が異なり持込みが禁止や制限されていることがあるため、渡航先国の在日大使館等に問い合わせ、トラブル等の発生のないように注意する必要があります。

日本からの出国又は日本への入国する際の手続きについては、事前に地方厚生(支)局長の許可を受ける必要があります。

麻薬は、「麻薬及び向精神薬取締法」において厚生労働大臣の許可を受けた麻薬輸入業者(麻薬輸出業者)でなければ、輸入・輸出することができないと定められています。

ただし、自身の病気の治療目的(麻薬中毒の治療の目的は除く。)で、麻薬を使っている人が出入国する場合は、事前に、地方厚生(支)局長の許可を受ければ、麻薬を携帯して輸入・輸出することができます。

なお、麻薬携帯輸入(輸出)の許可は、許可を受けても麻薬を郵便や知人等に託して輸入・輸出することはできません。必ず申請した患者本人が携帯して輸入・輸出しなければなりません。

【麻薬及び向精神薬取締法より一部抜粋】
(輸入)
第 13 条
 麻薬輸入業者でなければ、麻薬(ジアセチルモルヒネ等及び前条第二項に規定する麻薬を除く。以下第十九条の二までにおいて同じ。)を輸入してはならない。ただし、本邦に入国する者が、厚生労働大臣の許可を受けて、自己の疾病の治療の目的で携帯して輸入する場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により麻薬を携帯して輸入した者は、第二十四条第一項ただし書、第二十七条第一項ただし書及び第二十八条第一項 ただし書の規定の適用については、麻薬施用者から施用のため麻薬の交付を受けた者とみなす。
(輸出)
第 17 条 麻薬輸出業者でなければ、麻薬を輸出してはならない。ただし、本邦から出国する者が、厚生労働大臣の許可を受けて、自己の疾病の治 療の目的で携帯して輸出する場合は、この限りでない。 

申請手続きに必要な書類等について
・「携帯による医療用麻薬等の輸入・輸出手続きに関する手引き」(厚生労働省地方厚生局麻薬取締部「麻薬取締官」) 
(1)申請手続き
  1)申請に必要な書類
   ①医師の診断書 1 部:患者(申請者)の住所、氏名、麻薬の施用を必要とする理由(病名)、1 日当たりの麻薬処方量を記載した診断書
   ②麻薬携帯輸入許可申請書 1 部(日本に医療用麻薬を携帯して入国する場合)
   ③麻薬携帯輸出許可申請書 1 部(日本から医療用麻薬を携帯して出国する場合)
   ④返信用封筒 1 枚
   (②、③については原則として、麻薬を施用されている患者本人が申請書に記入しますが、種々の事情により医師または患者の家族等が代 筆しても差し支えありません。)
  2)提出先
   ①申請者の住所を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部
   ②入院中の場合は、病院・診療所の所在地を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部(前記①でも差し支えありません。)
   ③海外在住の場合は、入国予定の空港等を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部
   3)提出期限 申請書の送付及び許可書の送付に要する期間を考慮し、出国日又は入国日の 2 週間前までに提出してください。

(2)申請書の作成要領 (略)
(3)許可書等の提示
申請書類に不備がなく、許可が行われた場合には、麻薬携帯輸入(輸出)許可書(日本語で記載されたもの)と麻薬携帯輸入(輸出)許可証明書 (英語で記載されたもの)の各 1 通が交付されます。入国(出国)時に税関で、これらの許可書を提示してください。
もし、申請から出入国日までに時間的余裕がない場合には、必ず地方厚生(支)局麻薬取締部に直接電話等して相談してください。

医療用麻薬適正使用ガイダンス~がん疼痛治療における医療用麻薬の使用と管理のガイダンス~(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/2012iryo_tekisei_guide_073.pdf