2014年4月29日火曜日

アブストラル舌下錠 使い方の注意


■アブストラルを使ってみて感想 
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_98.html



アブストラルの使用法として、まず、至適投与量の決定についてです。
ベースとなるオピオイド薬の投与量には関係なく、100μgからタイトレーションを行います。
アブストラル100μg投与後に痛みがなければここで対とレーションは終了です。

痛みが継続する場合は、30分後に同じ規格の製剤を1回のみ追加投与できます。
ここで、痛みの改善が認められればタイトレーションは終了です。


最低投与間隔は2時間です。
追加投与した場合は初回投与時間から2時間後です。
1日最大4回までという使用回数制限があります。
追加投与はカウントしません。

追加投与を含めると1日8回投与可能となりますが、
誤解してはいけないのが、1日8回の突出痛に使用できるわけではないのです。

1日に使用できる突出痛は4回のみです。


1日4回以上突出痛が出現する場合は持続投与のオピオイド増量を考慮します。
しかし、短絡的に増量を行うのはよくありません。

神経障害性疼痛や心因性疼痛などオピオイドが効きにくい痛みの有無や病状の変化などを考慮し、評価をして慎重に対応したほうが良いです。


1回投与量は800μgを超えてはいけません。
1回投与できる錠数も4錠までと決められています。
誤使用防止のためにも含量の異なるものを同時に処方することはできません。


副作用

他のオピオイド製剤と同様に、呼吸抑制があります。
モルヒネ・オキシコドンに比べ呼吸抑制に対する安全域が狭いという報告があります。
これは、タイトレーションが必要な理由の一つになっています。

Nakamura A, et al.(2011)Distinct Relations Among Plasma Concentrations Required for Different Pharmacological Effects in Oxycodone, Morphine, and Fentanyl:J. Pain Palliative Care Pharmacother.,25.318-334