2014年6月24日火曜日

くすりのトリセツ ブロチゾラム(レンドルミン)



ブロチゾラム(レンドルミン)

特徴
短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬。
最大血中濃度到達時間は1.0~1.5時間。
消失半減期位は7時間。
0.25mg錠で普通錠と口腔内崩壊錠があります。
最大量は1日0.25mg。
寝る前に服用。


適応
不眠症


禁忌
重症筋無力症
急性狭隅角緑内障
肺性心、肺気腫、気管支喘息および脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合は原則禁忌です。


相互作用
肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されます。


副作用
翌日の眠気、認知機能障害などがみられることがあります。
高齢者ではフラつきによる転倒に注意が必要です。


作用機序
ブロチゾラムは中枢神経系における抑制系神経伝達物質GABA(γ-アミノ酪酸)系の作用を
増強し、細胞の興奮性を低下させます。
GABA受容体にはGABA-A、GABA-B、GABA-C受容体の三種類があることがわかっています。
ブロチゾラムはGABA-A受容体Cl-チャネル複合体のベンゾジアゼピン受容体に
作動薬として作用します。
Cl-チャネルの開口頻度を増加させます。
Cl-の神経細胞内の流入を促すことにより、
抗不安、抗けいれん、筋弛緩、催眠などの作用を発揮します。
ベンゾジアゼピン受容体にはω1とω2のサブタイプがあります。
催眠作用はω1受容体が関連し、
抗不安作用や筋弛緩作用はω2受容体が関連するとされています。


ブロチゾラムはベンゾジアゼピン系睡眠薬であるにもかかわらず、
徐波睡眠(ノンレム睡眠)の減少をきたさないのが特徴です。
消失半減期も7時間ほどであるため、
ゾルピデムで改善しない中途覚醒が、ブロチゾラム投与にて改善するようなケースがあります。