2014年6月9日月曜日

向精神薬の”Choosing Wiselyキャンペーン”






「Choosing Wiselyキャンペーン」とは、

ベストなケアが行われるために何が必要なのかについて
議論を推進する運動です。

「医師と患者さんが話しあうべき5つのこと」が示されます。




この活動は、アメリカの財団が行っているものです。
2014年辞典で50位上の主要な学会が参加しています。


Choosing Wisely
http://www.choosingwisely.org/






抗精神病薬を使用する治療については
2013年の秋にAmerican Psychiatric Association(APA:アメリカ精神医学会)が
リストを作成して公表しています。


American Psychiatric Association
Five Things Physicians and Patients Should Question
http://www.choosingwisely.org/doctor-patient-lists/american-psychiatric-association


1.適切な初期評価をせずに、かつ適切なモニタリングを行うことなく、
  抗精神病薬を患者に投与してはならない。
Don't prescribe antipsychotic medications to patients for any indication without appropriate initial
evaluation and appropriate ongoing monitoring


2.同時に2種類以上の抗精神病薬をルーチンに処方してはならない。
Don't routinely prescribe two or more antipsychotic medications concurrently



3.認知症の問題行動や心理学的症状を治療するにあたり、
  第一選択薬に抗精神病薬を使用してはならない。
Don't use antipsychotics as first choice to treat behavioral and psychological symptoms of dementia


4.成人の不眠症患者の第一選択薬として、抗精神病薬の処方を漫然と行ってはならない。
Don't routinely prescribe antipsychotic medications as a first-line intervention for insomnia in adults


5.精神病性障害と診断された場合を除く児童や10代の若い患者に
  第一選択薬として抗精神病薬を日常的に使用してはならない。
Don't routinely prescribe antipsychotic medications as a first-line intervention for children and
adolescents for any diagnosis other than psychotic disorders


上記リストでは、
抗精神病薬の安易な投薬を慎むように注意喚起がなされています。



日本では未だに安易な処方がなされているきらいがあります。

世界の流れに倣い、見直す時期に来ていると考えられます。