2026年2月25日水曜日

2026年度診療報酬改定における「外来データ提出加算」の取り扱いの変化

2026年度(令和8年度)診療報酬改定において、外来医療のデータ提出が「かかりつけ医機能の強化」と「医療の質評価」の大きな柱となりました。

従来の外来データ提出加算(生活習慣病管理料での50点)は届出率が低迷していたため、今回はデータ提出を促進しつつ、質の高い管理実績を反映した評価へと大幅に見直されます。これは将来的には外来医療の包括化(DPC類似)を見据えた基盤強化の動きと言えます。

変更点の比較表(2026年度改定)

※表は横にスクロールできます

項目 改定前
(〜令和7年度)
改定後
(2026年度〜)
主な影響・ポイント
生活習慣病
管理料
外来データ提出加算
50点(月1回)
継続提出で一律
新設充実管理加算
加算1(30点)
加算2(20点)
加算3(10点)
ガイドライン準拠の管理実績(十分/相当/一定)で点数差別化。
※経過措置:2026/3/31時点で届出済みなら、1年間は加算1(30点)とみなす。
地域包括
診療加算・料
データ提出加算なし
(地域包括診療料:一部増点予定)
新設外来データ提出加算
月1回 10点
認知症地域包括との統合再編。
継続提出体制が新たな安定収入源に。
地域包括診療料自体も全区分で1点増点。
機能強化加算 データ提出関連要件なし
(80点)
データ提出届出が
「望ましい」
(努力義務化)
80点は維持されるが、BCP策定義務化と併せて要件厳格化。
次回改定での「必須化」の可能性大。

3つの大きな変化

1. 生活習慣病管理料:「充実管理加算」への移行

従来の「外来データ提出加算(一律50点)」は廃止され、新たに「充実管理加算(1〜3)」として3段階評価に見直されました。

これは単にデータを出すだけでなく、ガイドラインに沿った質の高い管理ができているかを評価するものです。主病(脂質異常症・高血圧症・糖尿病)ごとに実績が評価され、最高30点となります(従来の50点からは減点ですが、実質的な質の評価へシフトしました)。

必須条件:「外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出する体制」


2. 地域包括診療加算・料:加算の「新設」

高血圧・脂質異常症・糖尿病・認知症を持つ患者への包括的医療に対し、新たに「外来データ提出加算(10点)」が新設されました。

これまで届出を行っていた約7%の診療所にとっては、新たな収益機会となります。また、地域包括診療料自体の点数も1点ずつ増点されており、国がいかに「データ提出」を重視しているかが分かります。


3. 機能強化加算:「努力義務」としての追加

かかりつけ医機能を評価する機能強化加算(80点)において、データ提出加算の届出が「望ましい」という努力義務に変更されました。

過去の傾向から、「望ましい」と明記された要件は、次回の改定で「必須要件」へ格上げされる可能性が非常に高いです。点数は維持されていますが、今のうちに対応しておくことが推奨されます。


今後の対応と課題解決

これまで外来データ提出が進まなかった最大の要因は、現場スタッフにかかる「データ作成の煩雑さ」でした。

今回の改定で提出データは多少簡素化される方向ですが、それでも新たな加算取得には事務負担が伴います。しかし、経営環境が厳しい中で増収を図るには、この「データ提出の壁」を越えるしかありません。

解決策:ITによる自動化
スタッフの負担を最小限にするには、データ作成支援システムの導入が有効です。レセプトデータをアップロードするだけで提出ファイル(様式1/FF1)を自動作成できるツールを活用し、データ提出を「特別な業務」から「毎月のルーチン」へ変えていきましょう。

早期の体制整備が、2026年度以降の経営安定のカギとなります。