2018年8月30日木曜日

ベタニスと抗コリン薬の併用


抗コリン薬であるソリフェナシンとβ3アゴニストであるミラベクロンの併用投与の有効性・安全性を検証した2つの臨床試験を紹介します。

1つは、海外で行われた第二相臨床試験です。
その試験ではソリフェナシン5mg単独投与に比べて、ソリフェナシン(5mgまたは10mg)とミラベクロン(25mgまたは50mg)の併用投与は、平均1回排尿量、1日あたりの排尿回数及び尿意切迫感回数を有意に改善させる相乗効果があることが示されました。一方、安全性に関しては、両薬剤の併用投与は、便秘の発生頻度が単独投与に比べてやや増加する傾向(ソリフェナシン10mg単独で5.1%、ソリフェナシン10mg+ミラベクロン50mgで9.9%)があった以外には、有害事象の頻度について単独投与と優位な差を認めず、心拍数、血圧、心電図所見に有意な影響を及ぼしませんでした。

Eur Urol. 2015 Mar;67(3):577-88.  


国内で行われた第4相試験では、ソリフェナシン(2.5mgまたは5mg投与で過活動膀胱症状が十分に改善しない患者を対象に、ミラベクロン(25mg、必要に応じて8週の時点で50mgに増量)を16週間追加併用する治療を行ったところ、重篤な有害事象はなく、過活動膀胱症状の有意な改善を認めました。

Yamaguchi O, Kakizaki H, Homma Y, Igawa Y, Takeda M, Nishizawa O, et al. Safety and efficacy of mirabegron as ‘add-on’ therapy in patients with overactive bladder treated with solifenacin: a post-marketing, open-label study in Japan (MILAI study) BJU Int. 2015;116:612–22.


参考:
メタアナリシス 過活動膀胱に対するミラベグロン/ソリフェナシン併用療法とソリフェナシン単剤療法での有効性・安全性の比較
Int Neurourol J. 2017 Sep; 21(3): 212–219.(PMID: 28954464)