2026年2月15日日曜日

2026年調剤報酬改定:在宅患者訪問薬剤管理指導料の「6日ルール」廃止と24時間対応強化

2026年(令和8年度)調剤報酬改定では、在宅医療の現場負担軽減と質向上を目指した見直しが目立ちます。特に在宅患者訪問薬剤管理指導料では、長年課題だった算定間隔の柔軟化と、夜間・休日対応の明確化が実現しました。

今回の改定の柱は2つです。

  • 業務の柔軟性を高める「算定間隔ルールの撤廃」(いわゆる「6日ルール」廃止)
  • 地域全体で患者を支える「連携体制の構築」(24時間対応の明確化、在宅協力薬局活用)

訪問スケジュールの効率化地域薬局間連携の強化が鍵。生産性向上のチャンスですが、文書交付義務の強化も伴います。

1. 算定間隔要件(「6日ルール」)の廃止

これまでスケジュール管理の大きな制約だった「算定日の間隔要件」が撤廃されました。

変更のポイント
従来の「6日以上」の間隔要件が削除され、「週1回を限度」とする形に。実質的に柔軟な訪問日設定が可能になります。(末期の悪性腫瘍患者等への例外は変更なし)

経営・実務への影響

  • 従来:月曜訪問後、翌週は火曜以降でないと算定不可 → 曜日固定の縛り強かった
  • 改定後:週単位管理のため、患者・家族の都合、祝日、体調変化、薬局業務に合わせた調整が容易
  • 例:月曜訪問後、翌週月曜も算定OK → ルート最適化や急な変更対応が格段に向上
  • 末期悪性腫瘍患者等への例外(週2回・月8回まで)は変更なし
項目 改定後(新) 改定前(旧)
算定回数・間隔 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定回数は、週1回を限度とする
(「6日以上」の文言削除。末期悪性腫瘍等の例外規定は変更なし)
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、算定する日の間隔は6日以上とする


2. 24時間対応と「在宅協力薬局」との連携強化

自局単独での24時間対応が難しい場合を想定し、在宅協力薬局との連携が制度上明確化。患者周知要件が強化されました。

変更のポイント
休日・夜間の緊急対応で、在宅協力薬局と連携する場合、患者・家族に対し事前に文書でその薬局情報(名称・所在地・電話番号等)を伝えることが必須に。

経営・実務への影響

  • 薬袋・説明文書の即時改訂必須:緊急連絡先として自局+連携先情報を記載。初回訪問時等の文書交付更新が急務
  • 連携体制構築の重要性UP:近隣薬局との正式提携(相互補完型)を推奨。緩い関係ではなく、責任あるネットワークを
  • やむを得ない事由で即応不可の場合も、速やかに折り返し連絡の義務明記
  • 夜間「電話がつながらない」問題への対策として、文書交付が厳格化
項目 改定後(新) 改定前(旧)
緊急時の連絡先・体制 当該保険薬局又は在宅協力薬局との連携により、休日及び夜間を含む開局時間外であっても調剤及び訪問薬剤管理指導に対応できるよう…
連絡先電話番号及び緊急時の注意事項(在宅協力薬局との連携により…対応できる体制を整備している保険薬局においては、在宅協力薬局の所在地、名称及び連絡先電話番号等を含む。)等について、事前に患者又はその家族等に対して説明の上、文書(これらの事項が記載された薬袋を含む。)により交付すること。また、やむを得ない事由により問い合わせに応じられなかった場合は速やかに折り返し連絡を行うこと。
当該保険薬局の保険薬剤師と連絡がとれる連絡先電話番号等を文書により交付する。
(※在宅協力薬局に関する具体的な記載要件なし)


まとめ

今回の見直しは、薬局にとって「業務効率の向上(スケジュール調整の自由度)」という大きなメリットがある一方、「責任ある連携体制の明示」という新たな義務が課されました。

特に「6日ルール」廃止は、訪問ルートの最適化や急な日程変更対応を容易にし、在宅業務の生産性向上に直結。在宅協力薬局連携の明確化は、地域全体での患者支援ネットワーク強化を促します。

一方で、薬袋・説明文書の更新負担や、近隣薬局との正式提携構築が急務。改定を機に、在宅体制の見直しを進め、差別化を図りましょう。

在宅需要は今後も増加が見込まれます。柔軟なスケジュールと強固な連携で、質の高い在宅薬局を目指してください。

(出典:中医協答申資料・関連通知に基づく。詳細は厚生労働省・日本薬剤師会等の公式資料をご確認ください。最終的な告示・通知で微調整の可能性あり。)