2026年度(令和8年度)調剤報酬改定では、在宅医療におけるオンライン服薬指導(情報通信機器を用いた服薬指導)の算定体系が大きく整理されました。
今回の改定で「服薬管理指導料」の枠組みに完全に統合されます。これは請求の簡素化を目的としていますが、実務上の注意点が多いため詳しく解説します。
---1. 算定項目の移行と名称変更
旧来の在宅オンライン関連項目が廃止され、服薬管理指導料4の中に新設・移行されました。これにより、在宅オンラインは「特殊な加算」ではなく、対人業務の「基本枠」という位置づけに変わります。
| 区分 | 新設項目(改定後) | 廃止項目(現行) |
|---|---|---|
| 通常時 | 服薬管理指導料4の「ロ」 | 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 |
| 緊急時 | 服薬管理指導料4の「ハ」 | 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料 |
2. 点数と回数管理の「厳格化」
点数は59点で維持されていますが、最も注意すべきは「訪問回数との合算管理」です。
- 上限 月4回まで(訪問薬剤管理指導料と合算)
- ※末期がん、麻薬管理、中心静脈栄養の患者は、週2回かつ月8回まで。
⚠️返戻リスクに注意!
訪問とオンラインは「別枠」ではありません。合計回数が上限を超えると算定不可となります。レセコンの回数カウント設定が「訪問+オンライン」の合算になっているか、必ず確認してください。
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訪問とオンラインは「別枠」ではありません。合計回数が上限を超えると算定不可となります。レセコンの回数カウント設定が「訪問+オンライン」の合算になっているか、必ず確認してください。
3. 加算の取り扱い(収益への影響)
オンライン指導が「服薬管理指導料」に移行した副作用として、一部の重要な加算が併算定不可となりました。ここが今回の改定で最も経営に影響するポイントです。
❌ 算定できなくなる主な加算
- 特定薬剤管理指導加算1〜3(ハイリスク薬、抗がん剤、RMP活用)
- 吸入薬指導加算
✅ 継続して算定できる加算
- 麻薬管理指導加算(22点)
ハイリスク薬の指導が必要な患者さんの場合、オンラインを選択するとこれらの加算が取れなくなるため、「対面訪問を優先する」といった戦略的な判断が必要になります。
---まとめ
今回の改定は、見た目はシンプルになりましたが、「加算の壁」ができたことで戦略的な選択が求められるようになりました。
- マスタ設定の変更:在宅オンラインを「服薬管理指導料4のロ/ハ」に紐付け。
- 回数管理の徹底:訪問+オンラインの合算で月4回(例外あり)を守る。
- 患者ごとの選択:ハイリスク薬加算等が必要な場合は対面訪問を軸にする。
施行に向けた準備を進め現場での混乱を最小限に抑えることが、患者満足度と収益維持の両立に繋がります。