1. 概要と点数設定
- 名称: 訪問薬剤管理医師同時指導料
- 点数: 150点
- 算定頻度: 6月に1回に限り算定可能
- 対となる評価: 同時に訪問する医師側には「訪問診療薬剤師同時指導料(300点)」が新設されています。
この新設の背景は、在宅医療の推進と多職種連携の強化にあります。医師側に薬剤師側の倍の点数が設定されている点が特徴で、医師からの同行依頼が増える可能性が高いです。
2. 最も注意すべき「対象患者」の要件
この指導料の算定で特に注意が必要なのは、「単一建物診療患者が1人」という厳しい縛りです。集合住宅や施設などで複数人の患者を訪問している場合は、基本的に対象外となります。
具体的な対象患者の要件は以下の通りです。
医療保険の場合
- 「在宅患者訪問薬剤管理指導料」を算定している患者であり、かつ単一建物診療患者が1人の場合に限られます。
- 「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」を算定している患者も対象ですが、同様に単一建物診療患者が1人の場合に限られます。
介護保険の場合
- 「居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合)」または「介護予防居宅療養管理指導費」を算定している患者であり、かつ単一建物居住者が1人の場合に限られます。
この「単一建物1人」の要件は見落としやすいため、確認をおすすめします。
3. 具体的な算定要件とアクション
算定にあたっては、以下のプロセスと要件を満たす必要があります。
- 同時訪問: 訪問診療を実施している保険医療機関の保険医と同時に患家を訪問すること。
- 同意: 患者またはその家族等の同意を得ること。
- 指導内容: 薬学的管理および指導を行うこと。単なる同行ではなく、ポリファーマシー対策や処方整理などの明確な目的を持った指導が求められます。
- 交通費: この指導に要した交通費は、患家(患者側)の負担となります。
訪問時には、薬剤師の専門性を活かした積極的な提案(例: 減薬や残薬調整)が重要です。
4. 併算定不可の規定
同日に以下の管理料・指導料を算定している場合、本指導料は算定できません。
- 在宅患者緊急時等共同指導料: 医師等と連携して緊急時の指導を行った場合など。
- 在宅移行初期管理料: 退院直後等の頻回訪問期間中など。
これらの重複を避けるため、訪問スケジュールの事前調整が不可欠です。
5. 経営的視点・活用のポイント
点数は150点と高額とは言えませんが、薬局経営および薬剤師の職能発揮の観点から、以下の意義があります。
- 医師からのオファー増加の可能性:
医師側に300点の評価がつくため、医師から薬剤師への同行訪問依頼が増えることが予想されます。これを機に、在宅業務の拡大を図れます。 - 処方提案の好機:
医師とベッドサイドで直接議論できるため、減薬提案や処方設計に深く関与できるチャンスです。「6ヶ月に1回」という制限があるため、漫然とした同行ではなく、処方整理が必要なタイミングを見極めて実施する「カンファレンス的な訪問」として活用するのが効果的です。 - 信頼関係の構築:
点数以上のメリットとして、医師との連携強化や、薬剤師の職能アピール(対人業務の強化)に繋がります。在宅医療の質向上と薬局の差別化に寄与するでしょう。
(最終更新: 2026年2月時点の情報に基づく)